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立憲民主党と国民民主党の略称問題も大詰め!重複したら○○が不利になる!

5月2日に、参院選全国比例での略称が同一になることが確定しました。(追記)

未解決の、立憲民主党と国民民主党の略称重複問題

2022年4月19日、このような記事が出た。

立憲民主党は19日、夏の参院選の比例代表で使用する略称を「民主党」にすると決めた。国民民主党も同じ略称を採用する構えで、2021年秋の衆院選に続いて重複する可能性がある。どちらの党への投票か分からない場合は、各党の得票で割り振る「案分」を適用することになる。

立民、参院選も略称「民主党」 比例票「案分」の可能性: 日本経済新聞 (nikkei.com)

昨年の秋に行われた衆院選で、立憲民主党と国民民主党の略称が重複し、選挙の現場に、大きな混乱を招いた。「国民民主党に投票したいが、何と書けば良いかわからない」「民主党と書いたら、立憲の票になるのか?それとも国民の票になるのか?」。有権者からこのような声が、相次いだ。

略称の重複を招いた両党の対応は、大きな議論を呼んだ。上記の混乱や両党への批判を踏まえて、選挙後には、立憲民主党の西村智奈美幹事長と、国民民主党の榛葉賀津也幹事長が、略称をめぐる協議を行うに至った。

この問題は、参院選までに解決すると思われたが、立憲民主党が略称を「民主党」のままとすると発表したことで、再び波紋を呼んでいる。

昨年秋に行われた衆院選で、立憲民主党と国民民主党は比例区で同一の略称「民主党」を使用した。

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一般的に、2政党の略称が重複した場合、正式名称で投票された票の比率でもって、当該2政党に按分されることとなる。詳細は、関連記事(【結局民主党!?】政党名略称の同一問題、その弊害とは | おとな研究所 (otonaken.com))を参考にしてほしい。

略称が同一となった結果、どちらに投票したかわからない「民主党」と書かれた票が全国で360万にも及んだ。それらの票は、立憲・国民両党に対する、正式名称での票数に応じて案分されたが、政党名のみを書くという衆議院の比例の選挙制度上、どちらの党に有利に働いたかは検証が困難である。

立憲民主党と国民民主党の略称が重複するという問題が起きた原因

では、そもそも、なぜ略称の重複問題が起きたのか。

略称問題を紐解いていくには、旧立憲民主党・旧国民民主党の両党が結党されて初の選挙である、2019年の参院選まで遡る必要がある。

その参院選で、立憲民主党は「りっけん」、国民民主党は「民主党」の略称を使用していたのである。旧国民民主党の玉木雄一郎代表は、当時、民主党政権に対する反省を忘れず、同じ失敗を繰り返さないようにするという決意を込め、民主党という略称を使用したと表明している。

そうすると、一見すると国民民主党だけが、「民主党」の略称を使用する正当な資格があるようにも思える。しかし、政党の離合集散も絡み、話はそう単純ではない。

その後、旧国民民主党は、旧立憲民主党との合流協議の末、旧立憲民主党と合流するグループと、旧国民民主党の理念を引き継ぐ新国民民主党を結党するグループに分党した。

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このうち、旧国民民主の一部と旧立憲が合流した新党は、党名を投票で決め、新「立憲民主党」となり、旧国民民主の一部で合流を拒否したグループが新国民民主党となった。

両党は、合流後ともに、「民主党」を略称として総務省に届け出た。新立憲民主党も新国民民主党も、結党のタイミングがほぼ同じなだけあり、どちらも略称の正当性を主張する事態となっている。

今年の参院選も略称問題が続くのか

冒頭の引用記事にもあるように、立憲民主党は今夏行われる参院選で、略称を再び「民主党」とすることを発表した。

国民民主党はまだ略称をどのようにするかは発表をしていないが、国民民主党が昨年の衆院選と同じく、略称を「民主党」とするのであれば、再び略称が重複することとなる。そうなれば、大きな混乱を招くこととなる。

参院選で略称が同一となった場合、どちらの党に有利であるのか

参院選で略称が同一となった場合、どちらの党に有利であるのかは、選挙制度と、立憲・国民の組織票に注目する必要がある。

参議院の比例制度は衆議院とは異なり、政党名と候補者名のいずれかで投票することができるが、略称が同一となった場合は、いずれの政党か判別可能な政党名(正式名称など)で書かれた票のみに基づいて案分されることとなる。

また、旧同盟系の民間労組からの支援を受ける国民民主党は、野党第一党であり党名がより浸透している立憲民主党よりも、得票における組織票の占める割合が高い。つまり、国民民主党のほうが、立憲民主党より、政党名よりも候補者名で投票される割合が高い。

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このことから、立憲・国民両党の略称が同一となった場合、案分票によって立憲民主党が有利となる。

参院選の略称届出期限は5月2日である。それまでに、有権者が投票所で混乱を起こすことなく、どちらの党に投票したのか曖昧にならないよう、立憲民主党と国民民主党には適切な対応を求めたい。

万一略称が重なった場合はどうすればよいか

国民民主党が略称を民主党と届け出て、略称が重なってしまった場合、立憲民主党・国民民主党両党の支持者はどうすればよいか。

まずは、正式名称で投票することが、絶対に必要である。そのようにしなければ、自分の票の一部が、自分の投票するつもりのなかった政党に反映されてしまうからだ。

さらにこの場合は、上記の案分の性質上、なるべく比例候補者名よりも政党の正式名称で投票することが効果的だ。そのほうが、より多くの案分票を得られることとなる。

略称が重複した場合、比例の各候補者は、政党名でなく自分の名前を書くようアピールすれば、より自党が案分のうえで不利になることとなる。また、民意が適正に反映されず、現場の有権者も混乱するという点では、衆院選と同じ結果となる。公正な選挙が歪められないよう、立憲民主党と国民民主党は、略称が被らないようにするべきだ。

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