香港「一国二制度」の崩壊―国家安全法の制定

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香港民主化運動の広告塔ー アグネス・チョウ (権利:wikimedia commons)

2020年5月28日は世界史に汚点を残した日として覚えられるだろう。

2020年5月28日、中華人民共和国の立法機関である全国人民代表大会は、反政府運動を禁止し、私権と自由を大きく制約する国家安全法を香港特別行政区内で適用する事を決定した。

この「決定」は香港憲法に相応する基本法に書かれてる治安条例の自主制定権にも反し、法治に基づく判断では無い。更に、1997年の香港引き渡し時に確約された高度な自治を認める「一国二制度」の精神に大きく反する。即ち中国共産党政府は香港の住民、英国、そして全世界を欺いたのだ。中国はそんな合意を守る意図など全くなかったのであろう。

香港はこれまで行政が透明性に欠ける中国本土の政府と違う事を前提に海外企業の投資を受け、国際的にも先進国として扱われていた。この自主性があったからこそ、引き渡し後も香港は国際都市としての地位を保ち続けた。

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しかし今回の国家安全法の適用によって、香港の自主性は形骸化してる事が明かになった。これを受け、米国国務長官(日本の外務大臣相当)マイク・ポンペオ氏は米政府が香港に与える優遇措置の廃止を議会に進言し、中国本土と同待遇へ「修正」する事を求めている。中国から自治権を有さない地域を特別扱いするのはおかしい、と言う事だ。

しかし、この中国共産党政府の暴挙の損害を浴びるのは自由を剥奪された善良な香港市民だ。日本を含む西側諸国はこの暴挙に対する懲罰を行わなければならないが、それが無罪の香港市民に損害が渡る様であったら余りにも無惨な事だ。

香港の前主権国である英国は今でも移行前に香港市民権を所有してた約800万人に英国海外市民権(BNO)を与えている。香港の基本的人権が著しく制限されている今、与党保守党内ではボブ・シーリー大尉議員を筆頭とする議員団が女王勅選弁護士の支持の下、BNO権を現保有者の子孫にも適用する事、そしてBNO保持者の英連邦内への移住の全面解禁を求めている。

これ以外にも台湾、豪州等民主主義諸国の多くは香港住民への人道配慮を行う事を検討している中、アジア太平洋地域最大の民主主義国家、日本が他国民であれ、人々の自由、人権と尊厳が剥奪されている状況を黙って見るべきではない。自由と法の支配を掲げる我が国こそ、中国の魔の手に対し毅然とした対応を行い、迫害されている香港の市民に対し救済の手を伸べるべきだ。

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