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「選挙後の総括が苛烈なものに」!?須藤元気議員は、議員辞職すべきなのか? 続編

「離党」表明後10日間の動き

 須藤元気議員が立憲民主党から離党表明して、既に10日が経った。須藤議員の離党の引き金となったのは、都知事選挙でどの候補を応援するかという問題である。須藤議員はれいわ新選組公認候補の山本太郎氏を応援したかったが、立憲民主党は宇都宮健児氏を推薦した。須藤議員と党との間で食い違いが生じ、これを埋めることができなかったのだ。

 離党表明の後、須藤議員は連日れいわ新選組公認の山本太郎氏の応援演説に入った。6月20日、秋葉原で行われた街頭演説にて、須藤議員は以下のような演説を行った。まず、須藤議員は、「僕ら(私と山本氏)はロスジェネというキーワードで繋がっています」と述べ、「ロスジェネは失われた30年という失敗した経済政策のある意味被害者です」「40代になってもアルバイトで生活しなきゃいけない人が当たり前にいる社会になった」と語った。また、人々は消費増税とコロナの「ダブルパンチ」を受けていると指摘した。その上で須藤議員は、「東京都が変われば国は変わるんです。山本太郎さんのように、反緊縮に通じた人間が都知事になるべきなんです。」と聴衆に訴えかけた。ロスジェネの人々を中心に、コロナ禍で苦しい生活を送っている多くの人々の心に響いたのだろう。既に、下の応援演説の動画は28万回以上再生されている(令和2年6月27日時点)。

 このような目に涙を浮かべての応援演説の影響を受けたのかは分からないが、立憲民主党の中に須藤議員の離党表明に理解を示す議員も現れた。立憲民主党の阿部知子議員は、6月23日、「(須藤議員の離党会見は)政治家として覚悟の上のことと思う」と、須藤議員に一定の理解を示すツイートを投稿した。

須藤氏に辞職を求める立憲民主党関係者

 その一方で、須藤議員の応援する山本太郎氏が立憲民主党の推薦する宇都宮氏の得票数を上回るのではないかと言う懸念が、宇都宮氏の支持者の間で広まっている。いわゆる「野党共闘」の候補として擁立された宇都宮氏が独自に戦う山本氏に敗れるようなことがあった場合、「野党共闘」戦術の失敗が露呈する可能性があるからだ。

 そのような危機感を背景に、立憲民主党の関係者の中にも、強い言葉を用いて、須藤議員に公然と辞職を求める者がいる。6月26日、須藤議員の「山本太郎さんの応援中です!気合い入れてがんばります!」という内容のツイートを引用する形で、立憲民主党岩手県連幹事長の中村ゆきこ氏が以下の通りツイートした。

 「結果によっては、選挙後の総括が苛烈なものになるかもです」という中村氏のツイートは、波紋を広げた。直接の関連性はないだろうが、連合赤軍もかつて「総括」の名の下に暴走を続けた(下のリンク参照)。「苛烈な総括」という物騒な言葉が出たことで、中村氏のツイートには多くの反響があった。

https://note.com/kadono/n/n583e502e2aba

https://twitter.com/fuj_sato/status/1276666893189869574

 なお、立憲民主党の福山哲郎幹事長は、須藤氏の離党届を受理していないと表明している。党として須藤議員に何らかの処分を下すかの判断は、今後なされるだろう。須藤議員にどのような「苛烈な総括」が待っているのか、私たちには知り得ない。しかし、中村氏の恫喝とも受け取られない「苛烈な総括」という言葉遣いは、いささか不適切であっただろう。立憲民主党がこのような対応を続ける限り、須藤氏に議員辞職を求めても、有権者の理解は得られないのではないか。

 ともかく、都知事選の結果は、立憲民主党の須藤議員への対応にも影響してくる可能性がある。これからも須藤議員の離党問題には、注視していきたい。

※アイキャッチ画像は須藤元気さんツイッターアカウントより引用
https://twitter.com/genki_sudo/status/1276381126588694528/photo/1

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