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都議補選・北区 天風いぶきさん(都民ファーストの会)インタビュー

2020年の東京都議会議員補欠選挙は、6月26日に告示を終え、7月5日投開票に向けて最後の戦いを繰り広げている。中でも北区選挙区は自民、立憲、維新、都民ファースト、N国と、国政政党が擁立した候補が多い。しかも立候補者全員が女性という稀な選挙だ。

おとな研究所では、この東京都議会議員補欠選挙 北区選挙区への候補者インタビュー第3弾として、都民ファーストの会の公認を受けて立候補した天風いぶきさんに文書によるインタビューをさせていただいた。

天風さんは元宝塚歌劇団宙組男役で、退団後アメリカ・ワシントンD.C.の語学留学に短期留学を経験したのち、小池百合子東京都知事が衆議院議員であった時の議員秘書を務めた。2016年に小池氏が都知事となって以降も都民ファーストの会事務局に所属し代表質問作成にも携わるなど、都政にも積極的にコミットした。

今回の都議補選では、小池氏がビデオレターで「娘のような存在」とまで言った天風候補が、前回都議選でトップ当選を果たした都民ファーストの議席を奪還するべく挑んでいる。


―今回補欠選挙に挑戦しようと決意したのはなぜかでしょうか。

「私の父も母も国会議員の秘書を務め、祖父は村議会議長という政治が身近な環境で育ちました。父は政治家を目指しましたが39歳で癌で他界。母は女手一つで3人の子供を育ててくれました。

11年間在団した宝塚歌劇団を退団後、新たな挑戦を考えた時に父と同じ経験をしたいと思い政治の道を志し、当時衆議院議員だった現都知事の事務所へ入所。秘書として貴重な経験をさせて頂きました。

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先日の都議補選の出陣式では、ビデオメッセージで現都知事から「娘のような存在」との言葉もいただきました。」

―北区や都政に対しての思い、という部分ではどういったものがあるでしょうか。

「小池知事と強力な連携関係にある都議会最大会派の都民ファーストの会東京都議団(50名/定数127)には、北区選出の都議会議員は現在いません。

これまで私は、都知事の秘書、そして都議会最大会派である都民ファーストの会東京都議団の職員として北区の事情・課題は把握・理解してきましたが、北区に都民ファーストの会の都議がいないことによる課題も感じていました。

例えば、待機児童数は、小池知事就任以降、都内全域では約7割減少していますが、残念ながら北区では対応が不十分です。82人(2017)→42人(2018)→119人(2019)→79人(2020)と推移しており、4年の間で大きく増加や、結局3年前の水準に戻るなどしています。

このほか、コロナ対策や介護などにも広域自治体である都との連携が必要不可欠です。また、北区議会議員の先生とお話するなかで、区政だけでは進まない問題が多くあることをあらためて知りました。

今回、都議補選がある中で、これまでの問題意識・経験を踏まえ、しがらみや馴れ合いにとらわれない自分の立場だからこそ、都政との連携を強化し、北区の皆様のお役に立てるのではと考え、立候補を決意しました。」

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―現時点で女性候補の揃い踏みになりそうであるがその感想、所見はありますでしょうか。

「私がみなさんにお伝えしたいのは、東京大改革を北区から、小池百合子都知事と共に実現したいという一心で、相手が女性であれ、男性であれ、変わりません。他の人と比べることではないと思っています。」

―都議会における活動で、特に実現したい具体的な政策は何でしょうか。

「まずは待機児童問題です。上記の通り、北区はまだ多くの待機児童を抱え解決していません。

そして、北区の高齢化率は23区内でトップクラスであり、「健康・長寿で安全・安心な北区」の実現を目指したいと考えています。特に、私は現在、母と一緒に祖母の介護をしていますが、母も年を重ねていますから老老介護状態で厳しい状況です。そこに来て、新型コロナウイルスの影響でデイサービスやショートステイに行けなくなり、祖母はもちろん、母も疲弊していました。このような実体験に基づく課題解決に努めていきたいと考えています。

さらに、母は、私を含めて、3人の子どもを一人で育ててくれました。母に苦労した点を聞いたところ、当時は今のようにインターネットもなく、行政のサポートを受けたくても調べることが簡単ではなかったと。同じような思いをしているひとり親家庭や、介護中の方は他にもたくさんいらっしゃると思いますが、そのような方々の力になりたいと考えています。」

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元宝塚歌劇団所属ということですが、芸能や文化の面において都政で提言したい政策などはありますでしょうか。

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「宝塚も含め、新型コロナの影響で舞台が中止になり、フリーの役者さんはじめ芸術・文化・アーティストの関係者は皆様かなり大変な状況が続いていると聞いています。

ミュージカル・アート・芸術は、困難な時にこそ必要なものです。東日本大震災の後に舞台に立った時のことですが、被災されて1年間笑うことがなかったお嬢さんが舞台を見て笑顔を取り戻したという、感動的なお手紙をいただいたことがありました。

これまで、芸術や文化、アート関係の方々のお声が政治に反映されることは少なかったかもしれません。ご関係者の方の声に基づき、都民ファーストの会が主導して実現に至った東京都の「アートにエールを!東京プロジェクト」には、応募が殺到していると聞いています。私自身、皆様からいただくお声はもちろんですが、自身の経験を生かすこともできればと考えています。」

―新型コロナウイルス感染症の蔓延下ですが、感染症対策として最も重視する政策は何でしょうか。

「検査・医療体制の強化や経済活動への支援など、新型コロナの第2波への備えを強化し、北区の皆様の命と経済を守り抜く、新型コロナ対策が必要です。

具体的には、PCRなど各種の検査体制の強化、医療提供体制の確保のほか、テレワークや時差出勤の定着、都の経済実態に即した家賃補助、飲食店のテイクアウト・デリバリーへの支援、失業・求職者の就労支援の強化、芸術・文化・アーティストの活動支援など、多面的な取組を強力に進める必要があります。」

―小池百合子都知事の都政をどのように評価されているでしょうか。

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「事業者の皆様への最大100万円の協力金等の新型コロナ対策、待機児童の約7割の減少、都独自の受動喫煙防止条例の制定、3500億円の新規財源確保・都債の6000億円減少等を通じた「賢い支出」の徹底など、「都民ファースト」の視点での東京大改革は大きく進展してきました。北区にもこの改革の流れを届けるのが私の使命です。」

―選挙活動について、1番大切にしていることはなんでしょうか。

「一日一日を大切に、皆様のお声を丁寧に伺うことです。

そして現在は、新型コロナ対策のため握手ができないという点もあります。街頭に立つと握手を求めてくださる方も多いのですが、お互いのために、今は止めておきましょうということで、グータッチや、肘タッチをしています。」

―学生や若者たちに、何かメッセージがあればお伺いしたいです。

「私は宝塚音楽学校に入学し、歌や踊り、日本舞踊、狂言、茶道、ピアノ等々、厳しい指導を受けました。あわせて、通信教育で高卒資格も取得しました。当時は本当に大変でしたが、今振り返ると、自分の将来の可能性が広がり、頑張って良かったと心から思います。私の可能性を最大限伸ばすことに協力してくれた母にも心から感謝しています。

新型コロナにより、休校やアルバイトの機会がなくなり学業・経済面など、大変ご苦労されていると思います。私自身の経験も踏まえ、政治・行政から皆様の学びの機会の確保・将来を切り開くことを最大限サポートさせていただきます。」

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都政与党の公認候補として都政に直接的なパイプを持つという政治的な強みはもちろん、宝塚歌劇団に所属していたからこそ訴えることができる政策や、議員秘書を経験したからこそ訴えることができる政策を持っている候補だ。これらの分野に限っては、天風候補が他の候補に負けることは無いだろう。

北区にもう一度都民ファーストの旗を立てることはできるのか。熱き火花が散った都議補選も、決戦間近だ。

※アイキャッチ画像は天風いぶきさんのTwitter(https://twitter.com/amakazeibuki)から

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