選挙戦前の情勢調査通りの結果に小池百合子氏の圧勝に終わった東京都知事選。補選も含め期日前出口調査の結果通りであった。
今回の選挙を見る上で、どの候補者がどこの地域でどれだけの得票を得たのか。これが極めて重要になってくるのではと思う。次の衆院選や来年の都議会議員選挙にも大きく影響を及ぼす可能性が高い。(もちろん、首長選挙と比較し難い面もあるが見方を変えれば参考になる)
今回よりシリーズ形式で都知事選の詳細分析を行っていく。もちろん私は政策方面の話は弱い為にあくまでも選挙結果等を重視した上であることをご了承頂きたい。
第一回目となる今回は、日本維新の会推薦で立候補した小野泰輔さんを取り上げる。ぜひ最後までご覧頂ければと思う。
①小野泰輔 得票率
上記に添付した図は5%単位で色分けされている事をご了承頂ければと思う。
小野候補の市区町村別得票率の傾向としては、23区内での得票率が高く、特に中央区などの中心部では小池氏に次ぐ2位となった。
中央、千代田などで強い事は都知事選の情勢調査でも明らかで、これらの地域では無党派層が一定数小野氏を支持しているというデータがある。
一方、多摩地域では得票率が5%~10%程度で推移している。多摩で票を獲得出来なかった事が山本太郎候補を下回った原因となった。
②得票率 比較
次は小野泰輔候補を推薦した日本維新の会の得票率と比較していきたいと思う。もちろん党派色の薄いのが首長選であるが、参考程度として見ていく。
散布図を用いて関係性を見ていく。
縦軸が今回都知事選における小野泰輔候補の投票率、横軸は参院選比例代表で日本維新の会が獲得した比例票である。
今回の都知事選では23区ほとんどの地域で得票率が維新比例票より高かったことが分かる。ただし大田区、足立区、葛飾区、江戸川区ではやや減少した。また図にも掲載してあるが、大田区は前回柳ケ瀬裕文氏(東京維新代表)の個人票が維新票を底上げしていたために減少はやむを得ないというところか。
また、島嶼部ではほとんどの地域で得票率が減少している。
次は23区に絞り、得票率上位、下位 を比較してみる。
上位5特別区ランキング
前述の通り、大田区は柳ケ瀬参院議員の個人票が底上げしていた為に参院選では上位に浮上している。次に高いのは中央区、港区などの都心でこれは小野候補が得票率が高かった地域と一致している。また都知事選では小野候補本人が出身の目黒区が得票率ランキング上位に浮上した。参院選と比較し約5%上昇した。
小野候補の最終演説が目黒であったことに加え、今年4月の目黒区長選で維新候補が善戦。その影響もある可能性がある。
下位5自治体ランキング
次はワースト5。参院選と同じく都知事選でも足立区が23区内では得票率最下位。板橋、葛飾もランクインしており、維新票と小野票がある程度相関性があることが分かる。
ちなみに維新比例ー小野泰輔の得票率が減少した自治体に絞ると、23区では大田・足立・葛飾・江戸川の4区となり、最も減少幅が大きかったのはー0.6%で大田、次にー0.3%で足立だった。
[adchord]③小野得票率は平均所得と関係性が!?
昨日、とある方々と開票を見守る上で話題になったのだが、小野票は区別平均所得と関係性があるのではということだ。
実際どうだろうか。比較してみると…
ベスト5
ワースト5
ほぼ一致していることが分かる。ちなみに日本維新の会比例票も同様の傾向がある。
まとめ
・小野泰輔候補は23区内での得票率が高く、特に都心では宇都宮候補、山本候補を上回る地域もあった。
・小野票と維新票の得票率は一定の関係性が見られた。
・小野候補は23区内では平均所得が高い地域では得票率が高く、逆に低い地域では得票率は低かった。日本維新の会比例代表得票率もほぼ同様の傾向がみられる。
・維新にとって23区内では下町地域、他は奥多摩と島嶼部で支持をどれだけ伸ばせるかが東京全体での躍進にかかっている。
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