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居住要件に年齢制限… 被選挙権の制約問題について

被選挙権は25歳(参院選と知事選は30歳だが)で獲得できることは皆さんご存じの通りではあるが、その年齢に達すれば必ず立候補できるという訳ではない。以前、私の記事でも取り上げたが供託金が必要である事に加えて、一部の選挙では、その地域に3か月以上住民票が無ければならないなど被選挙権を行使するにも様々な制約が生じる。

今回は、被選挙権問題について取り上げる。

あのN国党が立ち上がる

その被選挙権問題を独自のやり方で問題提起を始めたのが、あのNHKから国民を守る党の立花孝志党首だったのだ。

N国は昨年の統一地方選で当時22歳の女性を千葉県鎌ケ谷市議会議員選挙に立候補させようとしたものの、不受理。立花氏はこれは参政権を侵害しているとして国を相手に訴訟を起こしたものの昨日敗訴した。

立花氏は裁判の結果を受けて今週日曜日に告示される千葉県・印西市長選挙にも鎌ケ谷市議選で立候補を試みた女性(24歳)を再び擁立する意向を発表。市長選を利用して再び問題提起を行う。(立候補不受理の場合は、先週の都議補選北区で落選した”ゆづか姫”を擁立する。)

同党は、昨年より「被選挙権の居住要件※」問題にも切り込んでいる。

※居住要件…市区町村議会選挙に立候補する場合はその地域に3か月以上住民票が無ければ立候補することができない。(首長選、国政選挙は適用外)

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昨年5月には立花氏の当時彼女であった司法書士の女性(目黒区在住?)が足立区議選で立候補を届け出。立候補が選管により受理され、結果は当選ラインを大幅に上回る5000票超を獲得。しかし足立区に住民票が無いと判断され獲得した票はすべて無効となってしまった。

これらのやり方は決して正攻法とは言えず、特に足立区議選では5000票を超える区民から託された思いが蔑ろにされてしまったと酷評せざるを得ない。

ただし、どの政党も切り込まない被選挙権問題について提起していることには私は一定の評価をしている。

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各国の被選挙権はどうなっているのか

世界各国の被選挙権年齢を見てみると、約7割の国で選挙権年齢<被選挙権年齢になっている。投票できる年齢と、公職に就くべき年齢には差を設けるべきであるとの考えが一般的のようだ。

ただし下院(日本における衆議院)は約6割が21歳で被選挙権を認めており、日本と同じく25歳以上である国は全体の約35%に留まる。近年ではフランスやイギリスなどの先進国も被選挙権年齢を大幅に引き下げているなどの動きがあり、この引き下げは世界的トレンドになりつつあるようだ。

また、地方議会では18歳以上や各州・地域ごとにことなるなど一定のばらつきがある。

参考記事

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フランスでは先月、18歳の大学生が村長に就任したとのニュースも話題になったことも記憶に新しい。

選挙権の制約を緩和すべき

被選挙権年齢を引き下げることにより、若者の政治参加を促進させる効果があるだろう。また、居住要件を撤廃することで例えば都市部に住民票を持つ者が故郷の議員等になることにより、過疎地域を中心とする議員の成り手不足解消にも繋がる可能性が高い。

若者の政治離れを止め、地方を活気づけるには被選挙権を大幅に見直していくことが重要ではないか。(終)

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