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内閣府、正式に景気後退認定へ。これからの日本経済はどうなる??

内閣府は23日、2012年12月より続いていてた景気回復局面が18年10月に終わったと認定し、それ以降は景気後退局面である認識を示しました。結果として安倍政権下の景気拡大期は71か月にとどまり、小泉、安倍(一次)、福田、麻生政権下の「いざなみ景気」の期間73か月を下回り、戦後最長ではないと判断されました。

このニュースを見た皆さんの中には『そもそも「景気回復」や「景気後退」の定義が良く分からない』、と思う方は多いと思います。今日はこの判定の意味を解説していきたいと思います。

そもそも景気の判断はどうやって決まる?

景気判断は内閣府が作成する景気動向指数によって決定されます。景気動向指数とは生産、雇用、小売り、の推移を図る28の統計を基に作成されています。

景気動向指数はCIとDIと呼ばれる2種類あり、CIは変化の量、そしてDIは上昇している指数の数を示します。DI指数の場合は50ポイント以上は「好景気」、それ以下は「不景気」と判断されます。

景気動向指数は先行、一致、そして遅行指数に分けられます。先行指数とは経済の先行きに対する期待感、そして3か月後の景気を図り、一致は現在の景気、遅行は6か月前の景気を確定して出されます。

景気が「悪化」してもGDPが上がる?

景気は循環と呼ばれる波で

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悪化→谷→拡大→ピーク→悪化

を繰り返します。

経済循環のイメージ

よって、悪化と言っても必ずしも「景気が悪い」と言う事で無いし、「拡大」と言う部分でも景気が悪いと感じられる部分もあります。よって景気拡大が終わって、後退されていると言われている18年10月以降も三期連続で3%弱の成長を保てています。だから必ずしも「悪化」=景気が悪いと言う事では無いのは留意してほしい。

アベノミクス景気VSいざなみ景気の評価

今回の景気後退認定の報道で良く比べられる「いざなみ景気」と「アベノミクス景気」ですが、この二つの拡大局面を比べていきます。

先ず景気の成り行きを示すGDPでは、グラフの通りアベノミクス景気の方では伸びていますが、いざなみ景気ではほぼ横ばい、後半になってやっと低成長となっています。

GDPの推移

労働市場の景気を示す就労者数もいざなみ景気よりも、アベノミクス景気時代の方が雇用が伸びていることは確かです。

就労者数の推移

供給能力と比べた消費の勢いを示すインフレ率では、いざなみ景気ではほぼデフレ、アベノミクス景気では若干のインフレとなっております。

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そして、老後の資金、企業の業績、そして金融市場の活気を示す日経平均株価でも、アベノミクス景気の時の方が上昇局面を長期にわたって保てておりますし、バブル崩壊以降の高値(24,448円)もアベノミクス景気下で達成されています。

日経平均株価 - Wikipedia

結論としては、「いざなみ景気はアベノミクス景気と比べ期間は長かったが、その成長の度合いはアベノミクス景気に劣る」ことになると思う。

これからの日本経済

消費税増税、米中経済紛争、コロナショックにより現在日本経済はかなりの後退局面となっていますが、パンデミックの終了により経済活動再開による世界経済活動の活発化や、政府による約120兆円の経済対策、そして2021年のオリンピック開催などのチャンスが多く訪れます。

結果として、今回の景気回復はリーマンショック後の回復よりも早いペースとなるでしょう。更には2025年の大阪万博など、経済の起爆剤が複数用意されている現状では二年後には2019年のGDP値を取り戻せると筆者は考えます。

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