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この国は既に終わっている:少子高齢化

この国は既に終わっている:少子高齢化

現在日本は少子高齢化社会にあり、人口減少社会にもなっており、総人口はこれから我々の生涯の間は下がり続ける事が予測されいる。

少子高齢化によって、労働力の減少が続き、尚且つ消費者の数も減れば日本経済はこれから相当しぼんで行く事となる。結果として供給と需要が双方減り続ける事によってGDPに巨大な押し下げ効果となる事は予測されている。

少子化対策として生産性の向上や子育て支援が現在行われた結果、合計特殊出生率は2005年の1.26から2018年には1.42まで改善している。しかしながら教育無償化など数々の施策が行われているにも関わらず、人口を保つのに必要な2.1には程遠い。

一部のコメンテーター等は減税は積極財政によって経済を活性化させて行く事によって出生率を上げれるとの認識を示している。

筆者は近年多く聞かれるこの主張が実際どれだけ信憑性があって、本当であれば、実際に少子高齢化を解消できるかどうか分析した。。

経済成長と出生率、実際の関係は?

国民一人当たりの国家総所得と出生率の関係、2018

国民一人当たりのGNIは人間開発指数(HDI)を始めとする数々の指数に経済的豊かさを示す指標として使用されている。

GNIとはGross National Incomeの略で、国民総所得のことです。過去には、国民総所得のことを「GNP」と呼んでいましたが、近年、GNIに変更されました。GDP(国内総生産)と同様、経済の成長を計る指標ですが、GDPが「国内で1年間に生産されたモノやサービスの付加価値」であるのに対し、GNIは「居住者が国内外から1年間に得た所得の合計」を表します。

GNIとは?
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/eng/g/E0074.html

「経済成長すれば出生率は伸びる」と言う主張は正しいかどうかは、このグラフだけを見ると、そうでも無い様に見える。実際、読者の皆様の直感でもアフリカ諸国などの後進国の方が子だくさん、と言う印象を抱いてると思う。

実際、収入が3万ドルになるまでは、あからさまに出生率とGNIは負の相関性がある事がわかる。理由としては社会基盤が整備されていない中、親の老後の面倒を見る為に多くの子孫が必要な事と、幼少期の病気などで死亡する子供する多さなどから出生率が高い事が推測される。

3万ドルー6万ドルの出生率、2018

しかし、先進国である収入3万ドル以上尚且つ収入6万ドル以上の石油国家・タックスヘイブン等(比較対象になり得ない国)を除いて出生率と収入をグラフ化すると全く違う状況が浮かび上がる。

この範囲に限って見ると、所得と出生率に正の相関性がある事が認められる。

収入が増えると出生率が上昇する事がこれで証明されたが、理由としては経済発展により中間層の金銭的余裕(可処分所得等)が増加する事により、先進国では高コストな子育てが行いやすい環境となり、出産を希望している家庭のより多い割合が金銭的余裕をもって出産できる環境におかれるのだろう。

上にあるグラフで発見された、収入と出生率の関係性は

収入が一ドル伸びれば、出生率が0.000007790836583伸びる事となる

このモデルをベースにここからは2018年を基準に年率4%の経済成長を毎年達成できた場合の人口動態を分析していく

しかし分析を読んでもらう前に以下の事を留意しながら読んで頂きたい。

  • このモデルは経済以外の社会変動が起きないと仮定している(出産年齢の上昇・ベビーブーム等)
  • 経済成長の認知(実感)ラグを考慮していない
  • そもそも年間実質成長4%は大変高いハードルである
  • 政府の子育て支援政策が変わらない事を想定

よって、このモデルは大まかな方向性である事を念頭に、参考程度で見てほしい。

経済成長とでどれだけ出生率が増えるのか?

年率4%成長した場合の合計特殊出生率

勿論、年率4%成長は大変ハードルが高い事と承知しているが、それ程の経済成長があっても、出生率の回復は大変遅く、自然増に必要な2.1を回復するのは2040年代後半となる。

筆者はこの出生率を基に2065年までの出生者数、2095年までの生産年齢人口を計算したが、それを紹介する前に出産可能年齢を説明する。

出生率が増えても増えても出生者数は右肩下がり??

人口動態統計では出産可能年齢を15歳から49と指定している。よって、2034年まではいくら出生数を増やしても出産可能人口は増えない。

合計特殊出生率(ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ、英:total fertility rate、TFR)とは、人口統計上の指標で、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均を示す。 この指標によって、異なる時代、異なる集団間の出生による人口の自然増減を比較・評価することができる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/合計特殊出生率


それ以降も、出生数自体が増え始めないと出産可能年齢の女性の数は、下の図にある様に右肩下がりを続ける。実際日本では2005年以降、出生率が改善しているが出産可能人口が減っているが故に出生者数は下がり続けている。(このモデルでは2067年になってようやく出産可能女性数が上昇に転じる)

出生年齢女性推移(経済成長シナリオ)

結果として母体数が減っているため、出生者数が増加に転じるのは2030年代後半からであるが、出生率1.42固定モデルと比べると大幅に改善されているのは事実である。

出生者数の推移

しかしながら、これから団塊の世代が高齢化していくにつれて死亡者数が増加していくことは事実だ。よって人口の減少には歯止めがかからない。

死亡者数予測

結果として人口の増数を見ると、死亡者数が増加し続ける2030年代中盤までは減少額が拡大し続ける。

人口増加推計

出生者数の増加も莫大な死亡者数と比べると焼け石に水だ。総人口も下降を続け、2060年までには一億人を下回る事は確実となっている。しかしながら、2045年時点で、出生率が増えなかった場合のシナリオと比べると、人口が360万人増えているのは事実だ。

総人口推計

子供が増えても減っても待っているのは地獄

経済成長シナリオに基づくモデルでは、出生者数は増加を続けるが、それでも人口純増は2070年代まで起きない計算となっている。更に追い打ちをかけるのが生産年齢人口だ。

生産年齢人口は現状の7300万人から2080年代に4700万人までに下がってからしか伸びない。結果として出生者数が増える2040年代から生産年齢人口が増え始める2080年代まで現役世代の負担上昇し続ける一方となってしまう。

皮肉だが、結果としては出生者数が増えないシナリオの方が社会保障予算が増えない計算となる。それを負担するのは今の10代20代の青年である。

結局移民しかない

この現状を見ると、100年後の将来の為に子供の数を増やし、国力を高めるのは必要だが、2030年代―2080年代の現役世代の負担が今とは比較できない水準まで高くなる。これを回避する方法は唯一、移民である

更に、今から出生率をふやしても生産年齢人口が増え始めるのは2080年代からなので、現状の経済水準を保つにも現在からそれまでは移民を入れる必要性が必ずある。

これは少子化の傾向が表れ始めた80年代に与党自民党が全く対策を打ち出してこなかった結果である。その当時は未だに母体数が増えていた時期であるから、出生率を上昇させていれば今の様な状況は回避できていた筈だ。

日本の現役世代に更なる負担をさせない為に必要な移民の数はこれから60年間で約3000万人。もはや今少子化対策を行っても遅すぎるのだ。

我々若者の為にも一刻も早く政府に移民の導入を求める。

出典
世界銀行データベース
[GNI PPP per capita, Intl. $ 2018 ], [TFR by nation, 2018]
国立社会保障・人口問題研究所:人口問題研究資料第336号

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