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民主党全国大会閉幕 今後の大統領選はどうなる?

民主党全国大会閉幕 今後の大統領選はどうなる?

8月20日、アメリカ大統領候補のジョー・バイデン氏は民主党大統領候補指名受諾演説に臨みました。この演説でバイデン氏は4年ぶりの政権奪還に向け、幅広い層からの支持を訴えました。今回は、この大統領候補指名受諾演説を絡めつつ11月に行われる大統領選を分析していきたいと思います。

バイデンはトランプとの「差別化」狙いか

初めに、20日の民主党大統領候補指名受諾演説を簡単に分析してみたいと思います。まずバイデン氏が訴えたのは「結束」でした。

現大統領(トランプ)はあまりにも長く米国を暗闇で覆い、多くの怒りと恐怖と分断を生み出した。(中略)我々国民が結束する時だ。(中略)我々は結束してこの暗黒の時代を克服することができる。

バイデン氏はこれまでトランプ氏を米社会の分断をあおっているとして非難してきました。「結束」を呼びかけることで、トランプ氏との違いを強調した形になりました。

また、バイデン氏はトランプ氏のコロナ対策でも苦言を呈しています。

現大統領が再選されれば、感染者数と死者数はずっと多いままだろう(中略)現大統領が4年続投しても、これまでの4年間と変わらないだろう。(中略)現大統領は国民を守る最も大事な責任を放棄した。これは許されることではない。

私が大統領の座に就いたらすぐさま新型コロナ対策を徹底させる。

トランプ氏のコロナ対策を批判しつつ、自らが大統領になればコロナを制御させると発言しました。具体的には検査キットの開発や医療用品などの国内生産、マスク着用の義務化を挙げ、いまだコロナの封じ込めに成功できていないトランプ氏に代わってコロナを制御する決意を見せました。

今回の演説ではトランプ氏は悪だとして非難しつつ、自らはトランプ氏とは対照的に国民に寄り添おうとする姿勢をアピールしたいのではないかという意図が感じられました。

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民主党副大統領候補のハリス氏について

バイデン氏は今年3月に自らが大統領候補になれば副大統領候補は女性を選ぶと約束しており、また全米で広まったBLM運動もあって黒人を副大統領にする声が大きくなっていました。その期待通り、バイデン氏はその条件を満たすハリス氏を選びました。

バイデン氏にとって、副大統領候補にハリス氏を選択したことは無難だったと私は思っています。

ハリス氏は2019年1月に大統領選への出馬を表明、予備選挙に臨みましたが支持は低迷。また資金不足も深刻で同年12月に大統領選から撤退しています。しかし、この大統領選予備選に臨んだこと自体が大きな意味を持っていて、既に大統領候補として注目されていたことからスキャンダルなどバイデン陣営にとって致命的なダメージとなるファクターは少ないと思われます。

またハリス氏は現在55歳。77歳のバイデン氏にはないカリスマ性があると思われます。これからバイデン氏が選挙戦に臨むうえでハリス氏はバイデン陣営の「顔」になることができます。

一方でトランプ氏はこのハリス氏を「極左」だとして非難しています。
ハリス氏は非合法移民の若者を救済する「DREAM法」を推進していたり、BLM運動を受けて警察改革の必要性を強調していました。

トランプ陣営もバイデン陣営も「中道層」を引き込みたいと考えています。ハリス氏が「中道」なのか「極左」なのかこれから情報戦が活発化していくと思われます。

世論調査ではバイデン氏がわずかにリードしているが・・・

7月29日から30日にかけて行われたエマーソン大学の全米世論調査によれば、大統領選でだれに投票するかという問いに対してバイデン氏が50%、トランプ氏が46%と、バイデン氏がわずかにリードしています。また、この他の世論調査でも軒並みバイデン氏がトランプ氏をリードしている状況です。

https://emersonpolling.reportablenews.com/pr/july-national-poll-biden-maintains-lead-in-presidential-race-majority-support-nationwide-mask-mandate-in-public-spaces

しかしながら、必ずしも全国世論調査の結果は選挙予測には適しません。というのも、アメリカの大統領選では選挙人団制度を採用しており、州の人口ごとに割り振られた選挙人をどれだけ獲得できるかで大統領を決定するからです。

例えば前回の2016年の大統領選でも民主党の大統領候補だったクリントン氏が支持率でリードし、トランプ氏より300万票近く多くの票を得ましたが、選挙人の数ではトランプ氏に敗れました。

そのため、全国的に多くの票を得たとしても選挙人を多く獲得しなければ大統領選で勝つことはできません。ここは留意しなければいけません。

今後の焦点は討論会

今後大統領選で鍵になってくるのは大統領候補による討論会です。

バイデン氏は認知症疑惑があり、討論会でトランプ氏と剣を交えることになるとぼろが出てしまうのではないかという懸念が民主党党内からも出ているようです。実際バイデン陣営はトランプ陣営から提案されていた第4回目の討論会を即座に拒否しました。

演説スキルではバイデン氏よりトランプ氏のほうが上手なので、トランプ陣営としてはこの討論会でバイデン氏をどれだけ圧倒できるかが選挙結果を左右することになりそうです。

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