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維新・全国展開へ

維新・全国展開へ

野党の情勢が大きく変化しつつある。先週、立憲民主党と国民民主党が解党し新党を結成することに合意。合流新党は衆参合わせて150人前後の議員が参加すると見られており、政府与党の脅威になるのではとささやかれていたが、どうもそうではないようだ。毎日新聞が先週末に行った全国世論調査では、合流新党に「期待を持てる」と答えた人が僅か17%にとどまり、「期待が持てない」の68%を大きく上回った。単なる永田町の数合わせに国民は冷たい目線で見つめている。

そのような中、影響力を増しつつあるのは「日本維新の会」である。同党の副代表を務める吉村洋文大阪府知事の国に先駆けたコロナ対策などが全国的に評価されたこともあり、支持率が急上昇。毎日新聞をはじめとする一部世論調査では支持率野党第一党となっている。

提示したグラフからもわかるように、浮動要素が強く基礎的な支持層がほとんど存在しない同党の支持率が過去と比較すると相対的に高い水準を長期的に保っていることが分かる。

これまで維新は主に国政選挙時に生じる「選挙ブースト」を巻き起こし数々の戦いを乗り越えてきた。ただし選挙直後には支持率を急落させ、平時となると橋下徹氏が率いていた時代でさえ1~2%で推移していた。しかし、今回の「吉村効果」は4か月以上持続している。もちろん、吉村氏のマスコミ露出が継続していることもあるのだろうが、ここまで比較的高い支持率を保っている事は前例が無い。

「攻め」の姿勢を全国でも

衆院選で大勝負か

日本維新の会の馬場幹事長は昨年11月30日に行われた常任役員会後の記者会見において、1都道府県辺り最低1名以上の候補者擁立を目指すことを表明した。選挙に乗じた具体的な全国展開の着手は実はここから始まったのだ。

その選挙戦略も一部透けて見える。次期衆院選の公認予定者である支部長を続々と発表している訳であるが、奈良一区(馬淵元国交大臣の地盤)、神奈川9区(笠浩史氏)、愛知5区(赤松氏)を始めとする与野党接戦区が中心となっているのだ。ここから見える事は、これらの選挙区に維新が立てる事により野党票を分散させ、合流新党をはじめとする非維新野党勢力の議席を削ぎ野党第一党の座を狙っていることである。先程提示した選挙区以外でも複数の与野党激戦区に「刺客」を送り込むという情報もあり、このような動きが全国で進んでいくのではと思われる。

都知事選・都議補選での衝撃

先月行われた都知事選・都議補選で政界関係者を驚かせたことはまだ記憶に新しい出来事である。知事選では小池氏の対抗馬として小野泰輔元熊本県副知事を推薦。投開票1か月前の出馬表明で知名度不足が懸念されたものの、参院選で維新音喜多氏が獲得した得票数を上回る61万票を獲得。東京では支持の高く知名度もある山本太郎氏(れいわ新選組代表)にわずか4万票差まで迫った。

また、同日に行われた都議補選では敗北したものの、大田区では自民候補の次点にまで迫り、北区でも大善戦した。

これらの選挙結果や、世論調査などを分析すると確実に東京を中心とした首都圏でも支持が伸びてきていることは確実である。特に都市部で支持の高い傾向にあるため、東京や神奈川などでの勢力拡大が期待される。

カギは「都構想住民投票」

維新の会が一大決戦と位置付けているのは大阪市を新たに4つの特別区に再編する「大阪都構想」の実現の是非を問う住民投票である。前回は僅か1万票の頻差で敗れたものの、今回は公明党や一部の自民党議員らを味方につけ可決へと戦いに挑む。まさに党の存在意義、存亡をかけているために維新側としては負けが許されない。

もし、都構想が可決されれば大阪を中心として突風と評する事ができるほどの追い風が党全体に吹くことは間違いない。隣接する兵庫や奈良をはじめとした地域にもその勢いが波及し、一気に「台風の目」と化する事は間違いないだろう。11月1日以降、攻勢をさらに強めていくだろう。

また、橋下徹元大阪市長が都構想後に政界復帰をするのかどうか等も注目される。毎日新聞の世論調査でも、「次の総理に期待する者」として3位にランクインしており、国民の期待は高まっているのは確かである。

与野党ともに「脅威」となりつつある維新の会。まずは11月に行われる大阪都構想の住民投票で勝利することができるのか注目される。「大阪限定の国政政党」などと揶揄されたこともかつてはあったものの、もうその俗説は通用しないであろう。

今、最も大化けする可能性が高い政党としてますます注目が集まることは間違いない。

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