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今年秋・解散総選挙の可能性が高いワケ

今年秋・解散総選挙の可能性が高いワケ

先週28日に安倍総理が突如辞任表明をして以来政局に大きな動きが起こりつつある。ポスト安倍をめぐる争いが自民党内で繰り広げられることは連日の報道通りであるが、ここでもう一つ注目されるのは「衆院解散・総選挙」である。

いつ総選挙が行われるかはワイドショーなどで度々政治評論家などが論じているが、私は「総裁選日程」「公明党事情」この二つを考慮した場合、今年の秋になる可能性が高いとみている。

「合流新党潰し」の総裁選日程

自民党は総裁選の日程を「9月8日告示、14日両院議員総会にて投開票」とする案を決めた。党員投票を交えないことにより、国民から人気の高い石破元幹事長は出馬を見送る可能性が高くなったのではないか。ポスト安倍をめぐる争いは菅官房長官、岸田政調会長の2氏により展開される可能性が高いが、現時点では菅氏が有利ではないかとの見方が強い。

自民党次期総裁は誰になるのか、これは読者の皆様が最も注目している点であると思うが1つ着眼すべき点はこの総裁選の日程である。

実は立憲民主党と国民民主党による「合流新党」の結党大会(9月16日)や代表選挙、党名決定などのスケジュールとほぼ重なる。当然、次の総理が決まる自民総裁選と野党第一党の代表選どちらが注目・報道されるのかといえば明らかに前者であるのは言うまでもないだろう。

自民党はまさに「合流新党」の存在感を低下させるべくこの日程案を制定したのであろう。非常時ではないのにも関わらず総裁選の党員投票が省略される見込みであるのもこの為ではないか。

新党の支持率上昇の目を潰し、新総裁・総理選任後の内閣・自民党支持率ご祝儀相場。この二つを達成できたとなればやることはもう1つしか残っていない。そう、解散総選挙である。

また、一部野党側の情勢も壊滅的なことも注視したい。立憲などの「野党共闘」グループは未だ全国で100程度の空白区や競合区が残っており、候補者調整が難航しているのだ。合流新党や共産党はこのままでは寧ろ議席を減らしかねない。

勢いがあると言われていたれいわ新選組も次期衆院選公認候補を100人から50人に半減させることを検討しているに加えて、世論調査の党支持率や比例代表投票先でも伸び悩んでいるために、善戦して昨年参院選レベルの得票(衆院比例で3議席~5議席レベル)しか取れない可能性がある。

一方で、大阪を地盤とする日本維新の会は近畿を中心に議席数を大幅に伸ばす見込みであることは直近の世論調査でも明らかである。政権与党に比較的近いとされる維新の議席を伸ばすべく解散を仕掛ける事は自民党にとっても利益となりえる。

Twitter上で「野党は大阪以外壊滅する」と、とある識者が発言していたが、これを意味することが正に維新の躍進である。

新内閣のご祝儀支持率野党内のゴタゴタと維新の台頭、これだけを見ても解散は間もなくであると思われる方も多いだろうが、実はこれだけではない。もちろん公明党の党内事情も絡んでくるのだ。

すべては「公明党のご意向」

解散日程に大きな影響を与えるのは連立与党の公明党そして支持母体の創価学会の意向であるということは先月初頭に寄稿した記事通りである。その「公明党のご意向」視点を中心として最新の政局を絡め読み解き時系列で読み取れば以下のようになるのではと私は予想する。

①今年冬~来年初頭…コロナ感染者数増加の懸念、米国大統領選の動向によっては国際情勢を静観する必要がある。この時期での解散は博打要素が高い

②来年4月~オリパラ…公明党が最重要視する都議選の準備期間に入る為、この時期に解散は100%無い

公明党が都議選を最重要視するワケ…支持母体の創価学会本部が東京・信濃町(新宿区)にあることに関係性がある。1990年代中ごろの宗教法人法改正まで法人格の取得、監督などは各都道府県が所持していた。そのため都議会で一定の勢力を保ち続けることが支持母体の創価学会を庇護することにつながり、最重要視している。その名残が今も残っている為だ。(現時点で7回連続の全員当選を果たしている)

③オリパラ後~任期満了…オリパラ直後の政権支持率が上昇した頃合いを見定めて解散するのではないかとの話もある。(来月中旬に決定する新総裁はオリパラ直後に解散を打ち込み圧勝することができれば21年9月の総裁選挙で無投票再選が可能)

しかし、ここにも公明党事情が生じてくるのではないか。

(1)大型選挙の連戦は「選挙疲れ」が生じる為に嫌がることが容易に想像可能(昨年統一地方選⇒参院選、17年都議選⇒衆院選、09年都議選⇒衆院選、と前者では大勝できるものの、後者の選挙ではいずれも得票率または議席数を減らしている)

(2)自民圧勝ムードでは公明党の存在間が低下し、上記の条件と合わせればさらに議席を減らす可能性が高い(05年の郵政選挙)

以上の条件から、来年のオリパラ・都議選後の時期に解散を打つ事はほぼないとみていいのではないか。また、この時期の追い込まれ解散は政府自民党内でも否定的な意見が多いはずである。

このような政局・公明党の意向を考慮した場合、解散総選挙を行える日程は今年の秋しか残っていない。やはりここ数日でささやかれている10月25日投開票が最も可能性が高いと言えるだろう。

いずれにせよ、9月14日に選出される新総裁が誰になるのかなども大きく解散日程に影響してくる。ここ数か月で政局が大きく動く。永田町の動向に益々目が離せない。

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