おとな研究所・新プロジェクト、始動!

反緊縮界隈のレベルに呆れる

反緊縮界隈のレベルに呆れる

9月19日に、私の盟友であるRyuga君がみこチャンネルに登場し、安倍政権の経済政策を語っていた。非常に的確な分析を行っているので是非皆さんにも見て欲しい。

この動画ではアベノミクスを客観的に評価しているのだが、安倍政権を全否定する事に執念深い、所謂反緊縮「MMT」界隈はこれに反発し、色々な批判や誹謗中傷を行っている。ほとんどが理論づけのない抽象的な批判なので、無視すればいいのだが、中には論理的に書かれているように見て、実態は滅茶苦茶な批判などがある。今日はそのいくつかを取り上げて、皆さんと一緒にアベノミクスについて考えていきたい。

金融緩和の成果

①の指摘「金融緩和でマネタリーベースが積み上がっても直接的に新しい融資や投資を誘発しない」は正しい。金融緩和自体は銀行が保有する国債の額を減らし、代わりに現金を増やす政策だ。投資自体は増えないが、新規投資を希望している企業が低利子など比較的にいい条件(低コスト)で銀行から資金調達を行え、結果として投資を促進する。

しかし、「直接投資を誘発しない」と言う批判には違和感しかない。政府日銀は民間企業を支配出来ないのだから、直接投資しろ、とは言えない筈だ。直接投資を行わせる政策など基本的にあり得ない。法人減税や補助金なども、直接投資を行わせるのではなく、金銭的インセンティブを作る事で投資を喚起する

「安倍政権=緊縮」はデマ

よく、反緊縮界隈は「安倍政権は緊縮を行った」と主張する。しかし、下記のグラフも見て欲しい

政府消費の伸び率 (Japan Macro Advisors)

このグラフと内閣府の予測、そしてOECDの政府収入データを見れば、安倍政権は緊縮では無い事はわかる。

2012年から2020年(内閣予想値)で歳入は約9%伸び、GDPに占める政府消費は約11%伸びる事となる。よってアベノミクス下に置いては、8年間トータルで見ると積極財政が行われた事となる。年度別でみるとGDP比支出がGDP比収入の上昇が上回ったのは15年、16年、18年、19年、20年となっており、実は積極財政が行われたのは、アベノミクス後半だと言う事が分かる。そして「積極財政が行われた」と言われる2013年には収入は2.6%上昇し、政府消費は1.5%上昇した。結果で見ると緊縮なのである。

よって、安倍政権が行ったとされる「緊縮政策」は虚構なのであり。事実とは異なる。実際、「積極財政の度が少なすぎた」との批判はたしかに考え方によっては主張できるかもしれない。しかし、「安倍政権は緊縮財政を行った」との指摘はデマであり、正しい議論を行うのには有害である

構造改革の必要性

③で主張されている「デフレ下での規制緩和では潜在成長率は上がらない」の批判も意味不明な物である。

動画内でRyuga氏はアベノミクスの至らない点として構造改革が進まなかった点としていおり、これには私も同じ意見だ。

構造改革の意義を理解するにはまず潜在成長率を説明する必要がある。潜在成長率は資本ストックと労働ストックの「生産資源の量」と、資本生産性と労働生産性が構成する「全要素生産性」、即ち資源の配分効率によって決まる。

構造改革は「労働ストック」と「全要素生産性」に働きかけ、潜在成長率を引き上げる。例えば労働市場改革では正社員制度の緩和・廃止などが考えられるが、これを行う事により、雇用のハードルが下がる。その結果、女性や氷河期世代など、これまで雇われにくかった層が雇われる様になり、労働ストックの上昇が見込まれる。移民の積極的受け入れでもストックは伸びる。

更に正社員制度の緩和は成長性の無い産業から成長性のある産業への労働移動を促進し、全要素生産性を向上させる効果もある。

この様に、経済の構造改革は国の供給能力に関する政策で、需要要因のデフレ及びインフレに関係無く断行する事によって潜在GDPを上昇させる事が出来る。よってデフレ下の構造緩和不要論は的外れな指摘だ。

悪夢の民主党政権さえ利用する反緊縮

更に、反緊縮派は安倍政権下での労働市場大幅改善を否定したいが故に、民主党政権下での失業率低下を持ち出し、「安倍政権は民主党政権を引きついだだけだ」と指摘する。

確かに民主党政権下で失業率は5%台から4%台までに下げたのは事実だ。しかし、これは労働市場が好転した証拠ではない。失業率は就労を希望していている人を就労者数で割った数である。失業率を下げるには、就職希望者に職を与えるか、職に就くのを諦めてもらうかのどちらかが必要だ。

就労者数の推移 (Trading Economics)

このグラフを見て欲しい。これは日本で働いてる人(就労者数)の推移を示すグラフである。民主党政権下の2009年から2012年12月では、就労者数は上がるどころか、下がっている。しかし2012年12月以降の安倍政権では、就労者数が大幅に伸びている。

このグラフが示す事は一つ:安倍政権での失業率低下は仕事が増えたから、民主党政権下での失業率低下は就職希望者が諦めるほど景気が悪かった、と言う事だ。

その絶望的で悪夢とも言える民主党政権で「雇用状況が好転した」と主張するのは呆れる。安倍憎しだったら100%デマを言ってもいいのか?

反緊縮界隈の事実軽視、ストーリーありきの姿勢こそ、この国での正常な経済議論を妨げる物なのではないのか?

出典:

https://www5.cao.go.jp/keizai1/mitoshi/mitoshi.html

https://www.quandl.com/data/ODA/JPN_GGR_NGDP-Japan-General-Government-Revenue-of-GDP

www.japanmacroadvisors.com/page/category/economic-indicators/gdp-and-business-activity/gdp/#

政治カテゴリの最新記事