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【次期衆院選情勢】東京一区は三極の争いに

首都東京の中心地でもあり、全国的に最も注目される選挙区の1つである東京一区には、立憲現職の海江田万里氏に前回比例復活当選の自民・山田美樹氏が再挑戦する。また、今年7月の東京都知事選に立候補した小野泰輔氏(元熊本県副知事)も同選挙区から日本維新の会公認で出馬する方針で最終調整しており、事実上の三極争いになる見通しだ。

立憲・海江田、自民・山田 4回目の衝突 

東京1区は、合流新党「立憲民主党」に参加した元民主党代表の海江田万里氏と、自民の元議員与謝野馨氏の後任として山田氏が擁立された12年衆院選以来4度目の対決となる。この戦いは東京18区で前回まで繰り広げられてきた土管対決(自民土屋vs立憲菅直人)と並んで全国から注目を集める選挙区となっている。

初対決となった2012年は自民・山田氏が2000票差で逃げ切り当選(海江田氏は比例復活)、続く14年も当時の民主党代表を務めていた海江田氏を比例復活をも許さない勢いで山田氏が小選挙区当選を果たした。しかし、17年は状況が一変。希望の党不参加の民進党系議員が設立した旧「立憲民主党」に対し都内を中心に追い風が吹いたこともあり、海江田氏が3回ぶりの小選挙区当選を決めた。(山田氏は比例復活)

次回選挙は、菅政権の高支持率を追い風に山田氏が小選挙区での議席を奪還するのか、立憲民主の海江田氏が議席を死守することができるのか注目される。

また、今後の情勢を読み解くには第三の候補である維新・小野氏の動向も注目されるだろう。

維新・全国展開の象徴区に

小野泰輔氏を地元の熊本ではなく、東京1区で擁立する事にはいくつかの維新の思惑があるものとみられる。一つは、この選挙区は全国的に最も注目を集めるという点だ。首都東京の中心地でもあり、在京メディアに最も報道される選挙区であり、ここで大きな功績を残し小野氏が当選することができれば、昨年参院選以来の維新の関東進出の大きな足掛かりとなる。

そして1区に擁立を決めたのは、都知事選の開票結果による。同選挙区は千代田区・港区・新宿区が含まれているがこれらの選挙区は軒並み小野泰輔得票率が他の地域と比較して非常に高かったことが挙げられる。

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一部マスコミは小野氏を東京6区に擁立させる話も出ていたとの報道があったものの、これらの事情や維新関係者からの話からするに選挙区は東京1区確定で間違いないだろう。近日中にも党の常任役員会で正式に決定するものと思われる。

ただ、1区は前任の公認候補予定者であった赤坂大輔港区議(公然わいせつの疑いで逮捕、維新は同氏を除名)の存在もあり早急の新規候補予定者決定は選挙区ではどう映るのかが懸念されるだろう。

また、維新は都構想住民投票後の本格的な全国展開に向けて他にも大きな作戦に乗り出す考えだ。第三極に再び風は吹くのか注目される。