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行政手続きにハンコはいらない

行政手続きにハンコはいらない

菅政権が誕生してからおよそ一か月がたち、新政権の動きが活発になってきた。特に河野太郎行政改革担当相は就任初日の閣僚会見で、いきなりリレー形式の会見を「やめたらいい」と発言するなど、前例主義、既得権益の打破に意欲を示している。

そして、河野行革担当相は行政手続きにおける「脱ハンコ」化を進めている。9月24日には河野行革担当相の指示で内閣府は各省庁にハンコの原則廃止を要請した。

そんななか、昨日驚きのニュースが飛び込んできた。

なんと、自民党の二階幹事長が「脱ハンコ」の動きに反抗する姿勢を示したのだ。「脱ハンコ」の動きへのけん制はハンコ業界へのガス抜きだと信じたいが、だとしてもこれは菅政権の方針と真っ向から対立するものであり、あってはならないことだと思う。

周知の通り、新型コロナウイルスの感染拡大は日本のデジタル化の遅れを可視化させた。中には押印のためだけに出勤を強いられた人もおり、行政手続きにおけるデジタル化は喫緊の課題だろう。押印を廃止すればわざわざプリントアウトやFAXの必要がなくなり、行政の手続きはオンライン上で完結することができる。

二階幹事長は「ハンコがデジタル化のブレーキをかけるという主張に対して反論しろ」と述べたようだが、実際ハンコはデジタル化するにあたって不要である。

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ここで、明治時代に起こった「脱毛筆」を考えてみる。

毛筆は紀元前に中国で生まれ、日本には約1700年前に飛来。江戸時代には寺子屋での読み書きにも用いられるなど一般庶民にも普及した。しかし、毛筆は文字を消すことができないうえに墨を磨らなければならず、とても非効率であった。

そこで、明治時代になって鉛筆を取り入れられ、日本の学習効率は飛躍的に上昇した。このように、今まで当たり前であった非効率な物をなくすことで効率化することができたのである。

同じように「脱ハンコ」を進めればデジタル化に向け一歩前進することができ、行政手続きを効率化することができるだろう。

「脱ハンコ」を進めると「ハンコ文化が廃れる」という指摘がある。確かに一時的に印章業界は打撃を受けることになるかもしれないが、そもそも行政手続きにおけるハンコの存在意義はないに等しい。それに、行政手続き上の押印を廃止したところでハンコ文化がなくなるわけではない。前述した毛筆も、書道など現在でも文化は残っている。少なくとも行政手続き上の押印はデジタル化の障壁であり、即刻メスを入れるべきだと私は考える。

さて、菅政権は二階幹事長の圧力をかわして改革を突き進めることができるだろうか。二階幹事長率いる二階派は総裁選の際真っ先に菅氏を推したこともあり、政権内での影響力は大きいだろう。菅首相のリーダーシップが試されることになりそうだ。

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