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【都構想③】 立憲民主党の反都構想ポスター・ビラが酷すぎる件

都構想コラム第三弾となる今回は、予定を変更してタイトルの通り立憲民主党がTwitter上で公開した反都構想ポスター・ビラについて取り上げる。

「完全に馬鹿にしてる…」立憲の持つ大阪への「偏見」

今月13日、立憲民主党は#大阪市廃止にNO!「大阪市にいらん事せんとってや、ほんま」と銘打たれた反都構想用運動に作られたポスターを公式Twitter上で公開。大阪の女性をどこから湧き出たのかわからない偏見の目で表現したポスターであり、「大阪市民を馬鹿にしてる、不快だ」「あなたたち(立憲民主)こそ大阪にいらない」などと批判の声が相次いだ。

また、大阪府の吉村知事もTwitter上で反論。「これが(都構想)反対派の立憲から見た大阪市民のイメージ。ひどいね。大阪の民主主義のレベルは立憲が思っているよりよっぽど高いよ。政治は実行力で評価される。反対オンリーは大阪では通用しない」とコメントしていた。

また、今回の騒動の問題点はポスターの掲載だけではない。このツイートには「都構想に分からなければ反対を、反対派も活動活発化」と題された記事のリンクも張り付けられている。

この、わからなければ反対をという言葉は共産党の大阪市会議員の山中氏が発言したものである。そもそも天下の公党が、政策のメリットデメリットを有権者に説明するという政党として重要な役目を放棄したも同然だ。そのような無責任な発言がタイトルとなった記事をも拡散するのが今の野党第一党である立憲民主党なのだ。見識が問われる。

そもそも、立憲民主党は都構想の舞台となる大阪市の議会では議席を持っていない。昨年の統一地方選と同時に行われた大阪市会議員選挙では、立憲民主党は8名の公認候補を擁立し、辻元清美氏らが精力的に応援に入ったものの全敗している。

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また、大阪市内の立憲支持率も壊滅的状態である。先週末行われたJX通信社の世論調査では主要政党では最も低い5.1%。共産党にも及ばない数値である。

「あかん都構想、そんなもんはいらん」と活動を続ける同党であるが、大阪市の有権者から「いらない」とされているのはどうも「立憲民主党」のようである。

突っ込みどころ満載の「街頭配布チラシ」

また、問題となったポスターに加えて新たに立憲民主党は街頭配布用のビラをTwitter上で先行公開した。しかしこのビラは言葉巧みに使用しているために「デマ」とは断定することは避けたいものの、突っ込みどころ満載である。

(立憲民主党大阪府連Twitterより引用)

街頭でこのビラを配っているらしいが、果たして真実が書いてあるのか疑り深い私は一つ一つチェックしていくことにした。

立憲ビラの真偽は… ビラのファクトチェック

①大阪「都」にはならないで

大阪都構想が賛成多数で可決成立後、特別区制度に移行するのは2025年からであるが、このままだと名称は「大阪府」のままである。ちなみに「大阪府」を「大阪都」に名称変更するには地方自治法3条に基づき国会で議決をとる必要がある。

都構想成立の場合、大阪府の吉村知事は2023年の統一地方選と同時に、名称変更について民意に問うために大阪府全体で住民投票を行いたい考えを示している。

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②2重行政はほぼないらしいで

ビラには「松井市長は二重行政はほぼないと発言した」と書いてあるものの、この現在の二重行政の解消は前々回の記事でも掲載した通りに知事・市長の人間関係で成り立っているものである。(いわゆるバーチャル大阪都)そのために松井市長は「二重行政はほぼない」と発言したのだろう。しかし、制度として確立し恒久的に二重行政を解消することを大きな目的としたのが大阪都構想である。

③政令指定都市の持っているお金や権限がなくなるんやで

都構想実現は府市一元化という観点からも1つの大きな意義を持つ。そもそも大阪府がやるべき広域的な仕事は大阪市→大阪府へ移行されることに伴いその分の財源が府に移行されるだけである。また、④でも記述するがこれまで大阪市が行ってきた住民サービス実施組織が特別区か大阪府かに変わるだけの話であるために、都構想実現後も引き続き同じサービスを利用可能だ。

④めっちゃお金かかる上に住民サービスが低下するってほんまなん?

初期コストは200憶円弱かかるものの、当初予定された約600憶円から大幅に圧縮された。コストや住民負担などの話については前回記事【都構想②】を参照頂きたい。また、住民サービス低下はあり得ない話である。そもそも都構想は特別区設置と役所の整理である。

住民サービス低下の懸念は共産党なども主張している。しかし、そもそも私学無償化を始めとした住民サービスの向上は大阪維新の会がこれまで実行してきたことである。そのための予算に反対し続けてきた共産党や立憲民主こそ「住民サービス低下」を目論んでるのではないかと疑わざるを得ない。

⑤大阪市廃止したら元には戻されへん

特別区設置(大阪市廃止)後、また政令指定都市の大阪市に戻すことは確かに現行法では不可能だ。ただ、特別区制度導入の失敗を憂うならば東京にも目を向けて欲しいものだ。そこに関する言及がない。

このように、都構想に便乗して必要以上に物事を誇張し市民の不安を煽る、そしてあらぬことかデマまで広める組織も存在するらしい。

来たる11月1日の住民投票では正しい情報のもとに賛成か反対か判断をしていただきたい限りである。

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