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アメリカ大統領選バイデン氏の勝利がほぼ確定 どうなる法廷闘争

アメリカ大統領選バイデン氏の勝利がほぼ確定 どうなる法廷闘争

11月3日に投票が行われたアメリカ大統領選挙。現在もペンシルベニア州やネバダ州など激戦区での開票作業は続いている。

記事執筆時点(11月6日)ではバイデン氏が264人の選挙人を獲得しており、当選に必要な選挙人の過半数(270人)に大手をかけている。ネバダ州かジョージア州、現在バイデン氏がリードしている州で1つでも勝利すればその時点でバイデン氏の勝利が確実となる状況だ。

さてそんな中、劣勢のトランプ氏は法廷闘争の構えを見せている。

我々はバイデン氏が勝利を宣言した全ての州で、投票者の不正と州政府の不正選挙で訴訟を行う。その証拠は十分だ。マスコミの報道をチェックしてほしい。我々は勝つ!アメリカファースト!

共和党は、ミシガン・ペンシルベニア・ジョージア・ネバダの4州で、集計の一時停止などを求めて提訴した。またトランプ陣営はバイデン氏が勝利したすべての州で不正があったとして提訴を拡大する意向を示している。

今回は、トランプ陣営の法廷闘争の狙いや法廷闘争に持ち込まれることで何が起こるのか分析していきたい。

なぜ法廷で争うのか

まず、そもそもなぜトランプ陣営は法廷闘争に持ち込もうとしているのか。

説1 純粋に郵便投票に不正があると信じている

まず一つ考えられるのは、トランプ陣営が主張するように郵便投票には不正があると信じているケースだ。

トランプ陣営にとってはこのまま開票作業が進めば選挙人獲得人数で確実に敗北する。一般的に民主党の票が多いと言われている郵便投票の不正を証明できれば自らの再選の可能性も僅かながら出てくるので、藁にもすがる思いなのだろう。

しかしBrennan Center for Justice の調査によれば、全米で不正投票が起こる確率は0.00004%~0.0009%であり、ごく稀に不正選挙が起こるものの、ほぼ100%の確率で不正選挙はないと見るのが一般的だ。また、共和党と民主党で相互監視が成り立っており、仮に不正選挙が起こった際はすぐに決定的な証拠が上がることがほとんど。現時点でそのような証拠が出てきていない以上、今回の大統領選で不正選挙があったと考えることは難しい。

説2 時間稼ぎ

では法廷闘争になってもほぼ勝利の見込みがないなか、なぜトランプ陣営は法廷闘争にこだわるのだろうか。少し陰謀論になってしまうかもしれないが、一つ興味深い話がある。

米誌アトランティックが報じた内容だが、複数の共和党の関係者によると、法廷闘争が終結しない場合共和党が多数を占める州議会が選挙人を直接選ぶ案が協議されているという。

11月3日に行われた大統領選挙は有権者が選挙人に投票する「一般投票」であり、この一般投票で選ばれる選挙人が大統領を選出する。しかし、合衆国憲法第2章第1条では、「各々の州は、その立法府が定める方法により」選挙人を選出すると書かれている。つまり、選挙人の選定方法には規定がなく、理論上は有権者の投票を無視して選挙人を選定することができるのだ。

仮に法廷闘争がもつれ選挙人が投票する12月14日まで勝者が確定しない場合、共和党多数の議会では州法を改正してトランプ氏を勝者とする選挙人を選出する可能性がある。トランプ陣営側はこれを利用して、法廷闘争を長引かせることで選挙人を獲得しようとしているのではないかという見方がある。

法廷闘争はどうなるのか

さて、実際にトランプ陣営が法廷闘争に持ち込んだ場合、どんな事態が想定されるのだろうか。すでにトランプ陣営側は多くの訴訟を起こしている。

しかし、すでに訴訟を起こしたミシガン・ペンシルベニア・ジョージア・ネバダの4州のうち、ミシガン州とジョージア州では訴訟が退けられた。また、ペンシルベニア州では監視人が集計作業に近づくことは認められたが、集計作業は続いている。

今後もトランプ陣営はバイデン氏が勝利した州での訴訟を拡大していくと思われるが、それによって結果が変わるかどうかは不透明だ。ジョージア州の判決では「証拠がない」と一蹴された。今後決定的な不正選挙の証拠が現れれば話は別だが、このまま開票が進めばバイデン氏がトランプ氏に圧勝することは目に見えており、法廷闘争で大きく結果が変わるとは考えにくい。

なお、ジョージア州に関しては両候補の票差があまりにも近いので法廷闘争とは別に再集計される見込みだ。しかし仮にジョージア州でトランプ氏が勝利しても他の州ではバイデン氏のリードは変わっていない為、このまま推移するとバイデン氏が勝利することとなる。

また、トランプ陣営は慢性的な資金不足に悩まされている。実は今回の選挙戦でトランプ陣営はバイデン陣営よりも選挙資金を集めることが出来なかった。また選挙戦では大量の広告を流したことから、トランプ陣営の残りの資金は少ないのではという観測が出ている。

ロイター通信によれば、トランプ陣営は法廷闘争のための資金約6000万ドルを支持者からの寄付金で賄うようだ。しかし仮に法廷闘争が長期化すれば資金不足に陥る可能性がある。

不確かな情報には注意を

ところで、現在アメリカのみならず日本でも熱狂的なトランプ支持者を中心にバイデン陣営の不正を疑っている人が多いようだが、その不正疑惑のほとんどは根拠が乏しいものだ。

もちろん一部は集計ミスなどのトラブルが疑われるような事態も出てきてはいるものの、現時点でバイデン氏が大々的に不正選挙を行ったという証拠は出てきていない。(前述したように相互監視が効いているので仮に不正選挙が行われたのであれば証拠がすぐに出てくるはずだ)

読者には情報が錯乱している中ではあるが、自分自身で信頼性の高い情報を取捨選択して判断していただきたい。

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