
(以下の記事は、CNNの詳報に、日本メディアによる言及を加えてまとめています。)
米主要メディアは現地時刻の7日、アメリカ大統領選挙で民主党候補のバイデン氏が勝利を収めたと報じた。激戦であったペンシルベニア州を制し、当選に必要な選挙人の過半数を超える273人を獲得した。また同時にカマラ・ハリス氏が、アメリカ初の女性、アフリカ系、アジア系の副大統領となる。
バイデン氏・陣営の反応
当のバイデン氏はこの速報がもたらされた際、デラウェア州の自宅で家族と共に過ごしていたという。また、バイデン氏は現地時刻の7日の午後8時(日本時刻の8日午前10時)、デラウェア州ウィルミントンで演説を行う。
バイデン氏は「選挙は終わった。怒りと暴言を捨て置き、国として共に進む時が来た。」とする声明を発表した。

以下全文訳
アメリカ国民が私とハリス氏を信頼してくれることを光栄に思う。過去にない困難に直面しても、記録的な数のアメリカ人が投票した。民主主義がアメリカ人の心の底で鼓動していることを証明した。選挙が終わった今こそ怒りと暴言を捨てて国として団結する時だ。私たちはアメリカ合衆国で一緒にやればできないことはない
また、次期副大統領となることが決まったカマラ・ハリス氏はTwitterで以下尿に述べた。
この選挙で問われたのは、バイデン氏と私だけにとどまらない。アメリカの魂と私たちの戦う意思が問われた。すべきことはたくさんある。始めましょう。
トランプ氏・陣営の反応
一方、敗北が確定したトランプ陣営はバイデン氏について、「勝者を偽っている」としたうえで、次のように述べている。
「月曜日から私たちの陣営は、選挙に関する法が完全に執行されて正当な勝者が大統領となることを確実にするために、訴訟をしていきます。」
またNHKによると、以下のような声明も発出されているという。
大統領選挙はまだまだ終わっていない。バイデン氏は接戦となっている州はもちろんどの州でも勝利が確定しているわけではない
さらに情報筋によると、トランプ大統領が今後数日でバイデン氏をホワイトハウスに招待する予定はない、との認識が示されている。慣習として、現職大統領と次期大統領の間には大統領執務室での会談が行われる。
トランプ大統領の顧問弁護士・ジュリアーニ氏は記者会見を開き、以下のように述べた。
大統領が負けを認めることはない。不正が行われているからだ。メディアが勝者を決めるわけではない。裁判所が決めるのだ
アメリカ国内の反応
バイデン氏の当選が確実になったことが伝えられると、首都ワシントンのホワイトハウス近くの広場には人々が集まり、喜びの声を上げた。
バラク・オバマ前大統領は、バイデン氏とカマラ氏を祝福する以下のような声明を発表した。
次期大統領のジョー・バイデン氏と次期副大統領のカマラ・ハリス氏に祝意を表することを誇りに思います。私たちは、ジョーが大統領になるために必要なものを手に入れ、すでにそのように自分自身を運んでいることを幸運に思っています。彼が1月にホワイトハウスに入るとき、彼は次期大統領がこれまでに経験したことのない一連の並外れた挑戦に直面するでしょう。―荒れ狂うパンデミック、不平等な経済と司法制度、危険にさらされている民主主義、そして危機に瀕している気候…(以下略)
クリントン元大統領は、Twitterで以下のように述べた。
アメリカの答えは、「民主主義の勝利」でした。今、私たち全員に奉仕し、私たち全員をまとめる大統領と副大統領が選ばれたのです。ジョー・バイデンとカマラ・ハリスの偉大な勝利に祝意を表します!
ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏は以下のような声明を発表している。
今日は歴史的な日です。過去4年間の暗闇、分裂、憎しみの後、アメリカは同じことを繰り返すことを拒否したのです。私の親友のジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領に祝意を表します。今日から私たちは、希望と進歩をもって前進するでしょう。
カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏はTwitterで以下のように述べた。
これはアメリカが真に必要とした勝利であり、私たちができることを私たちが知っているアメリカになる。アメリカ最大の州から、アメリカの次期大統領と副大統領、@ JoeBidenと@KamalaHarrisにおめでとう。
アメリカ下院議長のナンシー・ペロシ氏(民主党)は以下のような声明を発表した。
今日は、アメリカへの新しい希望の日の夜明けです。過去の記録を圧倒する7500万人のアメリカ人が投票し、ジョー・バイデン氏を大統領に選出しました。これは歴史的な勝利であり、私たち民主党は大きな付託を受けたのです。
日本政府の反応
外務省関係者がNHKの取材に対し以下のように述べていることが報じられている。
「順当な結果だと思う。当初からバイデン氏が優勢ではないかと分析していたものの、最後まできわどい展開となった。日本政府としては、今後、状況を見ながら祝意を伝えるタイミングなどを見極めていきたい。アメリカの大手メディアの多くがバイデン氏を当選確実としており、この流れは、もう、揺るがないだろう」