「置き勉禁止」は時代遅れ|教育特論④

教育特論シリーズも4回目となった。このシリーズでは日本の教育の現状の問題点をあぶりだすと同時に、日本がどのような教育改革をするべきか模索するシリーズにしていこうと思っている。

そして、現在教育特論を執筆しているAki氏は不登校を取り扱っているが、私はしばらくブラック校則を取り上げることとする。その最初である今回は「置き勉禁止」について考えてみることとする。

置き勉とは

そもそも「置き勉」を知らない方のために解説する。

置き勉は「置き勉強道具」の略で、登下校時の荷物を軽くするために一部の勉強道具を学校に置いて帰ることである。

2011年以降、小中学校で「脱ゆとり教育化」が進んだことによって教科書の大版化やページ数の増加が生じ、置き勉への理解も進んできている。しかし、様々な理由から現在も置き勉を禁止している学校は多い。

置き勉禁止の主な理由

ではなぜ置き勉が禁止されていたのかの理由を探ってみる。

1.家で勉強する習慣が身に着く

勉強道具を毎日持ち帰らさせることで家で勉強をするようになると主張している人がいる。もちろん学校だけでなく家でも勉強したほうが学力は高まる。家で勉強をするためには当然勉強道具がある方が捗るので、勉強道具を学校に置いておくと勉強に対する意欲が下がってしまうという。

2.学校にもっていく持ち物を管理する習慣が身に着く

「持ち物を管理する習慣をつける」という指導をしたい教師もいるようだ。そうした人たちは毎日学校にもっていく勉強道具を自分で整理することで持ち物を管理する習慣が身に着くと主張している。

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3.防犯対策になる

仮に置き勉をして学校内で盗難が発生した場合、学校側は責任を取ることができない。そうしたリスクを避けるために置き勉を禁止して毎日生徒に勉強道具を持ち帰らせているという意見もある。

4.重い荷物を持つことで体力がつく

これを見たとき私は最初仰天してしまったが、本気で主張している人もいるようだ。勉強道具はかなりの重さになるので、カバンを背負って毎日学校までの距離を往復することで体力がつくと主張している人もいた。

置き勉禁止の理由に反論

では簡単に先ほどの「置き勉禁止の主な理由」に一つ一つ反論していきたいと思う。

まず1つ目。「家で勉強する習慣が身に着く」という意見だが、だからと言って置き勉を禁止して全ての勉強道具を持ち帰らせる理由にはならないだろう。家で勉強する分だけ勉強道具を持ち帰ればいい話で、何もすべての勉強道具を持ち帰ったところで1日に全ての勉強道具を用いて勉強する人はめったにいないだろう。

次に2つ目の「学校にもっていく持ち物を管理する習慣が身に着く」という意見。これは前述した「家で勉強する分だけ勉強道具を持ち帰ればいい」という話にもつながってくる。もちろん教師側の言い分もわかるが、持ち物を管理する習慣を身に着けたいのなら、「今日何の勉強道具を持ち帰ればいいのか」ということでも可能なのではないか。

3つ目の「防犯対策になる」という意見。これは確かにセキュリティ上の問題で一理あるが、私はロッカーのある学校であれば置き勉をしても問題ないと思う。ほとんどの学校には生徒一人一人分のロッカーがあり、そこに荷物を置いておくことができる。そしてそこに南京錠をつければ防犯対策になる。

4つ目の「体力がつく」という意見には驚いた。正直これを見たときは古くさい考え方だなと感じた。むしろ重い荷物を長時間背負うと猫背になりやすくなる。それ以前に、人によって通学する距離は異なるし、通学距離が短い生徒ほど楽になるので意味がないのではないか(笑)

文科省も置き勉を推奨している

ところでこの置き勉、文部科学省が置き勉を認めるよう全国の教育委員会に通知していることはご存じだろうか。

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文科省は2018年9月6日に「児童生徒の携行品に係る配慮について」という文書で置き勉を推奨している。この文書の中では、教科書やその他教材は家庭学習も視野に入れた指導を行う上で重要なものとしつつも、子供の身体の健やかな発達に影響が生じかねないこと等の懸念や保護者等からの配慮を求める声が寄せられていることから置き勉を推奨する、ということが記されている。

しかし、文科省が置き勉を推奨してから2年以上が経ったが、いまだに置き勉を禁止している学校も多いのが現状だ。

コロナ禍だからこそ置き勉を推奨するべき

今年度の初めに一斉休校が行われ、休校分の授業時間を確保するため多くの学校で一日の授業数が増加している。当然、置き勉が禁止されていると毎日持ち帰らなければならない勉強道具の量も増えている。

置き勉は生徒の負担を軽減するために必要だ。コロナ禍だからこそ、学校は置き勉を認める方向に舵を切るべきではないのか。

 

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よもぎおとな研究所 副編集長

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おとな研究所副編集長、ブロガー
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時事・教育・経済など幅広い分野に関心あり

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