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過労死問題の本質

 日本は大企業、中小企業を問わずに、構造的な長時間労働問題が存在し、結果として過労死が多発(昨年、認定されただけでも190件)しており、長時間労働は日常茶飯事となっている。

過労死は過去と比べれば現在かなり減少しているものの、未だ顕著な社会問題となっている。残業が多いとされている日本の正社員の一部、特に一流企業及び官僚機構で過労死ライン(一か月の総労働時間240時間)を超える労働者は少なくない数で存在する。この問題に対しメディア等「知識人」は社会的ケアなどソフト面で対応する事ばかりが叫ばれているが、 実際は労働時間の配分、構造的な要因が問題となっている。

日本の長時間労働は虚構⁇

出典:OECD

OCEDを始めとする様々な統計によると、日本人の平均労働時間(1745時間)は実際米国の平均労働時間(1790時間)より短いのです。要するに日本人就労者全体で見ると過労死や長時間労働が問題に達する程の労働は行って無い筈だ。それでは何故日本で過労死が一定数存在するかと言うと労働時間配分の不平等が生じてるからだ。派遣社員やパートは平均的に正社員より労働時間が極端に短い、その代わりの生産を正社員(特に公務員で顕著)が補ってる状況とも言える。

流動化で長時間労働の低減を!

その対策として第一に考えられる事は過労死の状況を解決するにはパート、派遣社員の労働時間を増やす事だ。勤務時間が少ない層の労働時間を増やすと、結果的に正社員の労働時間低減にも繋がり、貧困者層の給与引き上げにもなる。

例として、130万円の社会保険加入義務の壁を是正すると、主婦がパートを辞める(フルタイム化)か、シフト数を増やす等、もっと労働時間の長い職に就くこととなる。正社員制度の廃止も雇用の流動化を引き起こし、長時間労働は難しくなり、過労死は確実に減り、更に雇用者間の競争が激しくなり、ブラック企業は淘汰されていく。

生産需要に労働者の供給が間に合わない場合に考えられる対策として、外国人労働者を日本に集める事も考えられる。彼等の生産分が既存労働者の生産要求を下げ、一人当たりの労働時間は更に減少する事となる。さらに労働者の供給増加は雇用の流動化を更に促進し、労働市場の自由化をもたらす事となる。

以上の様に、我が国の過労死問題は一人当たりの労働時間が問題なのではなく、実際は単純な労働市場における需給の歪みの問題である事は明白だ。即ちこれを解決するには非正社員の労働機会の解放、そして労働者数の増加が雇用の流動化をもたらし、過労死を及び長時間労働の減少に繋がる事だろう。

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