
2016年1月からマイナンバー制度開始と同時にマイナンバーカードの交付が始まり、2021年でちょうど5年。昨年には一律10万円給付金の手続きに用いられるなど何かと話題に上ることが多いマイナンバーカード。
だが、2020年までのマイナンバーカードの普及率はわずか24.6%。国民の4分の1程度しかマイナンバーカードを保有していない計算になる。
その背景には、マイナンバーカードに対するセキュリティ面の不安感があるように感じる。今回はそうした不安感を払しょくするため、マイナンバーカードの安全性を解説していこうと思う。
マイナンバーカードとは
マイナンバーカードとは、マイナンバーが記載された身分証明書である。カードの表面には持ち主の顔写真・氏名・住所・生年月日・性別・臓器提供意思表示欄などが、裏面にはマイナンバーとマイナンバーを変換したQRコードが記載されている。
マイナンバーカードにはICチップが内蔵していて、4つのアプリケーションがある。例えば公的個人認証サービスに必要な電子証明書や住基ネット関係事務の際に必要なデータなどが記録されている。また、地方自治体がマイナンバーを用いた独自サービスを展開するために必要な空き領域もある。
マイナンバーカードの機能
マイナンバーカードは表面が本人確認書類の機能を有するので、マイナンバーを用いる手続きを行う際、マイナンバーの番号確認と同時に本人確認を行うことができる。金融機関の口座開設やパスポートの新規発給の際に便利である。
また、インターネット上で本人確認を行うことができる公的個人認証サービスというサービスが利用できる。このサービスを用いれば、わざわざ役所に出向かなくても行政手続きを行うことができる。公的個人認証サービスが用いられている例として国税電子申告・納税システム(e-Tax)が挙げられる。またコンビニなどで住民票などの公的な証明書を発行することもできる。
おとといからはマイナンバーカードが健康保険証としても利用できるようになった。また政府は、2024年までに運転免許証と一体化することも目指している。
マイナンバーカードの安全性は
一部からは、マイナンバーカード自体の安全性を疑問視する声がある。これはマイナンバーカードの普及率が低迷している一つの原因でもあるだろう。しかし、マイナンバーカードの安全性は非常に高い。
多くの人が誤解しているが、まずそもそもマイナンバーカードには税や年金給付などプライバシー性の高い情報は記録されていない。マイナンバーカード内のICチップにはカード表面の情報や公的個人認証に必要な電子証明書など必要最低限の情報だけが記録されている。
マイナンバーを利用する際には顔写真付きの本人確認書類が必要なので、最悪他人に見られても悪用は困難だ(もちろんむやみに他人に見せるべきではないが)。マイナンバーカードは本人確認書類の機能を有するが、表面には顔写真が付いているので、他人が成り済ますことは難しい。
公的個人認証サービスを用いる際は、個人を識別するために電子証明書が使われる。そのため、公的個人認証サービスにマイナンバーは直接の関係はない。
マイナンバーカード内のICチップは、不正に情報が読みだされそうになった時自動的に内容が消去される。さらに、ICチップ内のアプリケーションは独立していて、アクセス権情報もそれぞれ異なる。アプリケーションごとの暗証番号も当然異なり、一定回数以上暗証番号を間違えると自動的にカードがロックされる仕組みとなっている。
このように、マイナンバーカードには厳重なセキュリティ対策が施されている。
冒頭に語ったようにマイナンバーカードの普及率は極めて低い水準だ。しかしおとといから健康保険証としての利用が始まり、3年後には運転免許証としての利用も可能になる予定で、今後マイナンバーカードの利便性はますます高まっていくだろう。マイナンバーカードはこれからの日本のデジタル化の波の先端を走っていくことになるだろう。
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