教育のデジタル化―GIGAスクール構想の本質に迫る

 コロナ禍においては、家庭でのオンライン学習が行われるなど、教育のデジタル化の必要性が高まっている。

 そんな中で、文部科学省は2021年度、つまり明日から「GIGAスクール」の本格的な運用を行う。多くの方々にとってはよくわからない、という印象を受けるかもしれないが、これは日本の将来の命運が決まる重要な事業であると思う。今回の記事では、この「GIGAスクール構想」を徹底解説し、来るデジタル化社会、デジタル教育の在り方について考えていきたい。

「GIGAスクール構想」とは?

 GIGAスクール構想とは、「学校教育の情報化の推進に関する法律」に基づき、文部科学省が主体となって進めている「教育のデジタル化」に関する事業のことで、正式名称は「Global and Innnovation Gateway for All」である。この名称には「Society5.0といわれる社会において、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する」といった理念が込められている。

 教育のデジタル化を行うことで、個々のニーズに応じた教育を行うことができるようになる。つまり、発達障害や学習障害であったりなど、ハンディキャップを抱える子供たちに「個」を尊重した教育を行ったり、日本語指導が必要な子どもたちに充実した教育を行うなど、従来の教育では十分に賄い切れていなかった部分をカバーすることも可能になる。

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 また、日本の教育のデジタル化は諸外国に比べて大きく後れを取っていることも事実である。OECD(経済協力開発機構)の「ICT活用調査」によれば、日本での授業(国語・数学・理科)におけるデジタル機器の利用時間はOECD加盟国で最下位となっている。その他、教育に関するデジタル機器の利用時間はほぼすべて平均以下となっているのが現状だ。

GIGAスクールでの具体的な取り組み

文部科学省の指針によれば、授業において「1人1台端末」を実現させることを目標としており、これを実現することで、以下の図に記したステップを踏むことができるようになる。また「GIGAスクール構想の実現パッケージ」においては、高速な通信ネットワークを整備するなどといった具体的な指針についても定められている。

 既に一部の地域では、自治体や学校主導でICT環境が整備され、教育に用いられるようになっている。実際に、市が小中学生全員にiPadを貸与し、各教室に電子黒板を設置しているといった自治体もある。

 このように、教育現場におけるICTの活用がより積極的にされるようになるが、その一方で課題も存在する。ICT活用で留意しなければならないことは何だろうか。

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教育デジタル化の問題点

 教育のデジタル化には、以下に掲げるような問題が存在すると考える。

・「書く力」の低下
 今後デジタル化が進む中で、実際に鉛筆を持って「書く」機会が少なくなっていくのではという懸念がある。特に、小学生低学年においての「書く」ことの教育は特に重要であり、おろそかにすることはできないだろう。この点については、今後教育上で配慮されなければならない。

・コミュニケーション能力の欠如
 端末上で他人と気軽にやり取りすることは可能だが、やはり対人コミュニケーション能力は必要になってくる。特に、低年齢ではこれが肝要であるから、そのあたりの配慮がなされるべきだ。

・教える側の情報リテラシー
 教員も決してデジタルのプロというわけではない。研修会の開催などで対応する必要があるだろう。また、保護者に対しても同様であるから、積極的な啓発活動を行っていくことが求められる。

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・機器導入での生徒の金銭的な負担
 ほとんどの場合、生徒自身で端末を購入するようになっている。経済状況に応じた低所得世帯などに対する支援(端末の貸与やインターネット環境の整備補助など)は存在するが、端末費用(およそ4~5万円)は一般家庭であっても大きな出費である。国が推進する事業なのだから、広範囲に何らかの支援があってもよかったのかもしれない。

まとめ

 教育のデジタル化は遅々としてなかなか進まなかった事業であるが、いよいよ明日より本格始動となる。

 「1人1台端末」は非常に画期的であるが、一方で課題も生む。特に、低年齢の児童に対してはもう少し対策が行われるべきだろう。

 ただ、この事業が日本の教育を大きく変えていくものにあることは間違いない。「便利さ」を正しく運用すれば、明るい未来はすぐに見えてくるはずだ。

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引用・参考資料

GIGAスクール構想の実現について(文部科学省)

学校教育の情報化の推進に関する法律

OECD 生徒の学習到達度調査

【ES2020】GIGAスクール構想の先にある教育とは…

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新見市のICT活用教育

※本文中の資料は全て筆者が作成したものとなります

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