ネット上で蔓延る五輪中止派の誤謬を暴く

昨今、インターネット上を中心に東京オリンピックを開催するか否かの議論がネット上で活発になっているが、私はこの議論自体に疑問を覚えている。東京五輪は開催する前提で物事が動いており、東京五輪の招致が決まる前の2013年以前ならまだしも、今からゼロベースで東京五輪の在り方を議論するのは間違っているように感じる。

2021年5月時点で開催の方向で動いている東京五輪を中止させようものなら、「need for a change(現状変革の必要性)」を提示する必要があるが、残念ながら多くの五輪中止派の意見を見ていても十分な論拠を示すことができていないように感じる。

五輪は「変異株の展示会」か?

「変異株の展示会」とは、立憲民主党の枝野幸男代表が言い出した東京五輪を揶揄する言葉で、世界中から多くの人が集まる五輪は国内の感染拡大に繋がりかねないとして五輪中止を訴えているようだ。

「人数を絞っても選手や関係者6万人が外国から一斉に来る。世界の変異株の展示会みたいな状況になり、結果として開きたくても開けないことになるのではないか」

立民・枝野氏「世界の変異株展示会に」 より

私自身、枝野代表のこの発言は五輪関係者に大変失礼であると思うが、それはそれとして海外から五輪関係者がやって来たら本当に国内で感染拡大に繋がるのか考えてみる。

まず、東京五輪では「バブル方式」という感染対策がとられる。「バブル方式」とは、大会の開催地を大きなバブルで包むように囲い、選手・関係者を外部から完全にシャットアウトする方式である。行動も厳しく制限され、ホテルや練習会場、大会会場以外には基本的に移動することは禁じられる。大会期間中は定期的なPCR検査も義務づけられる。

イメージ図

この「バブル方式」は既に多くの国際大会での実績があり、日本でも昨年の体操の国際大会で成功を納めた。「バブル方式」が採用される東京五輪では選手・関係者が外部から遮断されているので、コロナウイルスが”バブル”の外に漏れるようなことは滅多にないだろう。そのため、海外から五輪関係者がやってきて、国内で感染拡大が起こるという事態は考えにくいだろう。

また、「バブル方式」で厳戒態勢を敷いたからと言って、選手・関係者からコロナウイルス感染者が出ないとは限らない。しかし、IOCはそれに備えてか、五輪に参加する選手団にコロナウイルスワクチンを提供すると発表している。

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国際オリンピック委員会(IOC)は6日、東京五輪・パラリンピックに参加する各国・地域の選手団に米製薬大手ファイザー社と独製薬企業ビオンテック社が共同開発した新型コロナウイルスワクチンを提供すると発表した。

五輪強行へ全選手団にワクチン提供、「バブル崩壊」で感染者出る中…IOCバッハ会長“最後の一手” より

「バブル方式」と「ワクチン」この両方が組み合わされば、五輪開催の影響で国内の感染爆発が引き起こされる確率は極めて低いだろう。

他のイベントは制限されているのだから五輪も中止しろ?

よく、五輪中止派の意見として「運動会や部活動などは自粛を強いられているにもかかわらず、なぜ五輪だけ開催できるのか。中止するべきだ」というのがある。しかし、はっきり言ってこれは論点のすり替えで聞くに値しない主張と言ってもいいだろう。

懸案となっている「五輪を開催すべきか否か」の議論において運動会や部活動が中止になることは関連性が無く、五輪と同列に語るべき懸案ではない。強いて言うならば、イベントを開催する際の判断基準が異なるのは問題かもしれないが、他のイベントが中止されたからといって五輪も中止するべきだというロジックは成立しない。この類の主張は「俺は貧乏だから全員平等に貧しくなろう」と同様の主張に聞こえる。

さらに言うと、もしこの理屈が通るのであれば五輪に限らず数多の国際大会やイベント全ても中止にしろと叫ばなければならないことになるが、中止派はなぜ五輪だけ槍玉にあげようとするのか説明する必要も出てくるだろう。

選手のために医療リソースを割く必要はある

これは私が五輪中止派の唱える理由で唯一まともだと感じたものだ。

選手や関係者のコロナウイルス感染が判明した場合に受け入れる「大会指定病院」を確保するとしているが、国内の変異株の感染拡大もあり各地の病床がひっ迫する恐れもある。実際、首都圏の知事からは五輪選手・関係者に優先的な対応をすることに否定的な見解も出てきている。

熊谷俊人知事は13日の定例会見で「五輪関係者のために、県民が使えない形で貴重なコロナ用病床を確保・占有することは、考えていない」と述べた。首都圏では11日以降、神奈川県の黒岩祐治知事、茨城県の大井川和彦知事も同様の考えを表明している。

首都圏知事、「五輪選手に優先医療」に否定的発言が相次ぐ 病床逼迫の恐れに配慮 より

ただし、医療リソースを要することだけでは五輪を中止にする論拠としては弱いだろう。なにしろ五輪は短期間に集中的に行われるもので長期間にわたって医療従事者を拘束するわけではないし、また国内の感染状況によってはある程度医療リソースに余力が出てくることも考えられる。

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五輪は不謹慎?

TwitterのインフルエンサーであるDr.ナイフ氏は東京五輪を中止するべき唯一の理由として、「不謹慎」であることを挙げていた。これに対し、私はナイフ氏本人に直接3つほど疑問点をぶつけてみたものの、納得できる回答は得られなかった。

 

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よもぎおとな研究所 副編集長

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おとな研究所副編集長、ブロガー
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時事・教育・経済など幅広い分野に関心あり

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