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【東京五輪】小山田圭吾の過去に「時効」はあり?

※編集部より:この記事は、小ライス氏が運営する「知の小人ブログ」の2021年7月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はコチラをご覧ください。

創作スタッフの人事でドタバタし続けた東京オリンピックですが、小山田圭吾氏、小林賢太郎氏、そしてすぎやまこういち氏、それぞれどう違うのか語ってみます。

小林賢太郎氏の場合

らーめんず時代の「ユダヤ人虐殺ネタ」が発掘されて辞任と言うことになってしまった小林氏。

これについて、「そんな昔のことまで!」とお怒りの方も多数いらっしゃるようですが、それを国内で言ったって何の意味もないのですよ。それ各国言語に翻訳して説いて回ってみなさいって。それでも完全にアウトだから。

これをわざわざチクった中山泰秀の振る舞いはいかがなものかとは思いますが、彼がやらなくてもいつかは発掘されたでしょう。むしろ早めに分かって良かったのかもしれません。

彼がやったことが正しいとか正しくないとかの問題ではなく、世界基準でナチスはタブー、なのです。

それを昔コントでネタにしたことそのものは、日本人である私からすると大した問題ではありません。本当の問題は、今でもプロのクリエイターとして活躍している小林氏が、この国際的なイベントの仕事の打診があった時点で「私は過去にこういうネタをやっていたので」と断らなかったことが問題なのです。

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ユダヤ人ネタをやったことを忘れていた?だとしたらそもそもクリエイター失格でしょう。憶えていたけどそこまで問題になると思わなかった?だったら常識の欠如です。

 

すぎやまこういち氏の場合

東京オリンピックの選手入場曲がドラクエで始まり、ドラクエで終わったという事実は、ゲームファンを大いに沸かせました。ま、これについてもいろいろ言いたいことはあるのですが、それはエンタメ館の方に譲るとして、問題はすぎやまこういち氏のLGBTにまつわる過去の発言です。

氏の件の発言については私は反発します。あれは差別発言(に賛同しているもの)だと私も思います。

しかし、小林氏とすぎやま氏の大きな違いは、すぎやま氏の場合、作品そのものがすでに市民権を得ているという点です。

ドラクエシリーズは言わずと知れた日本における超人気RPGシリーズであり、選手入場の際に使われたそのメインテーマ『序曲』は、ドラクエをプレイしたことがなくても聴いたことはあるという人の多い、国民的な楽曲です。

あの曲を聴いて「あ、LGBT差別の曲だ!」なんて思う人がいるか?って話です。

これにケチをつけるということは、「フォルクスワーゲンはナチスの車だから乗るな」と言ってるようなもの。ヨーロッパ人だってナチスは忌避しても、ナチスが作ったものについては文句を言いません。それどころかワーゲンはドイツ人の誇りでしょう。

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ドラクエの音楽も同じ。すぎやんがどういう思想の持ち主であれ、その作品は日本人の誇りです。

 

小山田圭吾氏の場合

さて、いじめの常習犯だった小山田氏の場合。ある程度切り取り報道されているということを加味しても、彼の悪行は目を覆いたくなるほど酷いものでとうてい許されるようなものではありません。すぎやま氏の「平和の祭典」で彼がリアルタイムで参画するなんてことはあってはいけないでしょう。

小山田氏が他の2人と全く違うのは、彼が【犯罪者】であることです。もちろんこの場合の「犯罪者」は司法による刑事処分を受けたかどうかではなく、やったことが実質的に犯罪であるということです。

このことについて、古市憲寿氏がコメントしています。

主旨を要約すると、

「いじめは犯罪であり、刑法で裁かれるべき」

「だが、いじめた犯人を生涯糾弾し続けるのはダメ」

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となります。

さて、ここにモヤモヤしたものを感じませんか?

そうです。「刑法で裁かれなかったいじめ犯人をどう扱えば良いのか」ということが書かれていないのですよ。

少なくとも今よりも前のいじめについては、「子供の話」として刑法にかけられるケースがほとんどなかったというのが実情で、よほど派手なケースでなければ公にされることすらありません。

と言って、今更立件できるわけもありません。

本当にモヤモヤするんですよ。

古市氏の言うことはよく分かりますが、「時効」という概念を持ち出すのはやっぱりおかしくて、いじめられた側の子供(今は大人ですが)にとって、多感な時期のその体験は生涯彼を苦しめるものとなるでしょう。いじめられた側には時効などないのですよ

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もし多少なりともモヤモヤを薄くするには、小山田氏が、こうやって話題にされる前に、ツイッターでもブログでも何でも良いので、過去を悔いて反省するコメントをどこかで出しておくべきだった、となるでしょう。指摘されてからでは遅いのです。

 

結局損をした小林氏と小山田氏

小林氏と小山田氏について言えば、オリンピックと言う大舞台の話さえなければこれらの“不祥事”も話題になりませんでした。なまじでかい仕事の話が来たせいで、その仕事ができない上に、今後ずっと彼らにネガティブなイメージが付きまとうことになります。

まあ、小林氏については大したことはないとは思いますが、それでも得はしていないでしょう。

クリエイターなら、“身体検査”はまず自分でやっておくべきでしょうね。

ライター:小ライス Twitter:@shorice_hitotsu 自己紹介:「知の小人ブログ」管理人。関心事:教育。ジェンダー。発達障害。政治。犬のしつけ。維新。NHKをぶっ壊す。

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