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揺れる「緊急事態宣言」 今回の見直し内容は…

揺れる「緊急事態宣言」 今回の見直し内容は…

5月14日の今日、政府は39県の地域において新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)に基づく緊急事態宣言の解除を行った。特措法にはこの宣言について「時期」と「対象地域」を公示したうえで変更することが認められているが、指定地域の変更は先月16日の地域拡大からおよそ一か月ぶりのことである。緊急事態宣言の内容については、宣言発令前に出した記事を参照してほしい。

この記事では、今回の変更内容や総理の発言要旨をまとめていく。

一部地域の「解除」と基準

緊急事態宣言、39県で解除

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200514-00000095-it_nlab-soci

今回の変更は既に官報によって公示されている。

https://kanpou.npb.go.jp/20200514/20200514t00063/20200514t000630001f.html

対象から外れた地域は、東京、神奈川、埼玉、千葉、北海道、大阪、京都、兵庫を除く39県だ。この中には、特に警戒するべきとして定められた特定警戒都道府県のうち茨城、石川、岐阜、愛知、福岡も含まれている。この解除の基準には、同日行われた専門家会議で示された基準が元になっていた。

「10万人あたり0.5人程度以下」解除の基準示す

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20200514-00000028-ann-soci

1時間半に及ぶ議論の結果、「直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者が0.5人程度以下」という結論が出たという。この基準は単に数値としての意味はもちろん、1週間ごとに判断を更新するという意味合いもあり、この方針に基づいて指定が継続される東京などの道府県については、1週間後の21日に改めて判断されるということだ。

「二つの可能性」の矛盾

この21日の再判断は国民の注目も大きい所であり、安倍総理は2つの可能性を示唆した。

8都道府県での宣言 首相「可能なら31日待たず解除」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200514-00000558-san-pol

「まだリスクが残っている」として8都道府県は指定を継続するものの、「可能であれば31日を待たずに」という発言をしている。そもそも今回の変更自体が予定外であったため、現在指定されている都道府県であっても、先ほど述べた基準に照らして期日を待たずに指定を解除する可能性を示唆したのだ。

一方、重要な発言もしている。

「2度目の緊急事態宣言あり得る」と首相 新型コロナ感染者急増の場合

https://this.kiji.is/633605635400811617

「2度目の」という言葉には、少々違和感がある。緊急事態宣言について定義している特措法において、その最長期間は2年、さらに延長しても3年と定めており、また先述したように指定地域も変更可能だ。これらの時期・指定地域の変更は国会への報告や公示を必要とするものの、最初に宣言する際の行政コストに比べればはるかに容易だ。この発言は「31日に一度解除し、再度発令する」という意味にもとれる。

いずれにしても、明確な基準を専門家会議で提示した以上は、宣言の幅の利く変更を可能にするものである。今後の1週間ごとの動向にも注目していきたい。

学生支援を含む予算案…政局含みか

また同時に注目されるのが、経済措置だ。安倍総理は自民党の役員会において、第2次補正予算案を編成する方針を示し、今国会での成立を目指すとした。補正予算案には、賃料の支払いが困難な事業者への支援や雇用調整助成金の上限額の引き上げなどの費用が盛り込まれる見通しだという。

宣言39県で解除 2次補正予算編成へ 自民 役員会で首相が方針

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200514/k10012430161000.html

既に昨日13日に自民党の岸田政調会長と立憲民主党の逢坂政調会長が会談し、補正予算案の編成を政府に対し要望することや、以下の内容を協議することで一致していた。

  • 事業者の賃料の支援
  • 雇用調整助成金の上限額の引き上げ
  • 収入が減少した学生らへの支援
  • 児童扶養手当の拡充
  • 地方自治体への臨時交付金の上積み

現在国会は国家公務員法改正法案で揺れており、政局がどう影響するかも注視する必要がある。またこの両党政調会長会談への政府のレスポンスの一つに困窮学生に対する支援が含まれており、「住民税課税世帯が10万円、非課税世帯は倍の20万円とする。」など、非常に具体的な方針が政府内で固まりつつあることもわかる。これまで教育分野の支援が明らかに遅れていたことを挽回する狙いもあるとみられる。

困窮学生に最大20万円 政府が支援策、与野党に提示

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051400985&g=pol

最後に

「正念場」と言われていたゴールデンウィークが明け、今後の政府としての方針を決めつつある中ではあるが、今日の決定や永田町の動きには様々な論点が指摘できる。非常時だからこそ政治家の強いメッセージとより多くの国民の声が必要であり、そのような中に本来の「民主主義」が存在するのだと思う。引き続き動向を見守っていきたい。

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