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いつまで審議拒否?憲法審査会の実態

国の最高法規である憲法について議論する場である憲法審査会。この場では私たちが信じられない出来事が起きているのです。一部の野党により開催がされていない… 国民の代表たる国会議員が憲法の議論を阻止するべく動いている。参議院ではなんと2年間も議論が停滞しています。一体何が起こっているのか。憲法審査会の実態を特集します。

そもそも憲法審査会とは

2007年第一次安倍政権時代、国民投票法の成立を受けて衆参両院に設置された機関。「憲法改正原案、改憲発議」について審議できると規定されています。2011年に初めて開催され、始動しました。

衆議院では50名、参議院では45名の議員で構成され、議席数により各党・各会派に割り振られています。

僅か1分しか開催されない事も!!

今回、記事を投稿するにあたり平成29年に開かれた第193回通常国会から今国会(令和2年第201回通常国会)までに開かれた憲法審査会審議について衆参両院の議事録より調査してみました。

衆議院憲法審査会

衆議院では平成29年以降では継続的に開催されています。3年間で開催されたのは合計27回。役員選任等が主な議題ですが、数回参考人の招致や自由討議も実施されています。しかし、与野党の主張が折り合わない事もしばしば。昨年は僅か1分で閉会した事もありました。

https://www.google.com/amp/s/mainichi.jp/articles/20190516/k00/00m/010/228000c.amp

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参議院憲法審査会

参議院では開催される見通しであったものの、後になり取りやめになる事態が3回も発生しました。(後述参照)さらに具体的な議論が行われたのは平成29年の「憲法に関する基本法制について」、平成30年第一回目の開催時における自由討議のみ。合計10回開かれているものの、ほとんどが役員の選任や陳情についての審議です。

平成30年以降、参議院のホームページでアーカイブを検索した所、合計19分しか開催されていない事が分かります。2年で19分… さらに今年の開催は未だ未定であるのだとか…

その2年間で19分というのも全て役員選任等の手続きのみ。具体的な議論は1度も行われていません。この事に抗議して、日本維新の会は先日、要望書を提出。同党は憲法議論の活性化を求めています。

https://o-ishin.jp/news/2020/05/19/9854.html

一部野党の必死の抵抗…

このように憲法審査会が開催されない大きな理由としては、憲法改正に反対する一部野党の影響があります。今から直近1年間の憲法審査会の動きと特定野党の審議拒否の言い訳を見ていきます。ここ1年の議題は「国民投票法改正案」についてです。

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【2019年】日付→審議拒否、審査会開催拒否理由

5月7日 cm規制 5月11日 幹事会でcm規制の不備を理由に国民投票法改正案の採決拒否 6月20日 cm規制 9月28日 cm規制 10月24日 cm規制 11月13日 cm規制 12月5日 cm規制

【2020年】日付→審議拒否、開催拒否理由

3月13日 コロナ対策 4月19日 コロナ対策 4月16日 コロナ対策 4月23日 コロナ対策

昨年は全て「cm規制の不備」を理由に、今年は「コロナ対策優先」を名目に憲法審査会の開催を拒否しています。コロナより桜!と騒いでいた政党が何を言うか…と思いますよね。

来週、衆議院では今国会初の自由討議を行う事で与野党が合意。問題無く開催されれば良いのですがね…

https://www.google.com/amp/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20200521/amp/k10012439031000.html

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与党が弱腰のわけ 「中山方式」の罠

憲法審査会を特定野党が開催を拒否する以上、改憲に前向きな与党や日本維新の会のみで開催するべきと思われる方もいらっしゃると思いますがそう上手くは行きません。

憲法審査会発足当時、かつての会長だった自民党の中山太郎氏は会長代理の民主党議員(当時の野党第一党)の主張を最大限に考慮しつつ審議を進めていました。憲法議論が政局に絡まないようにする配慮も含まれる。このやり方は「中山方式」とも言われ、憲法審査会の伝統とされてきました。

この中山方式の影響で、自民党は野党第一党である立憲民主党の意向を飲まざるを得ない。これが憲法審査会を円滑に進めることができない最大の理由です。

伝統を打ち破る事ができない自民党、そして何かと理由を付け改憲議論を阻止する最大野党。この体制では未来永劫改憲どころか憲法審査会すら開催できません。

昨年の日経新聞世論調査では憲法に関する議論を進めるべきと答えた人は77%にも及びます。賛否以前に国会で議論を深めて欲しい。これが多くの国民の思いです。この世論を真摯に受け止めて頂きたいものですよね。

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