おとな研究所は新しくなりました!

MMTをぶった切る!?本当に経済の為になる財政政策は??

こんばんは、マクロスです。今回は「経済学のイロハ」シリーズの第三弾として、れいわ新選組が掲げるMMT政策を「ぶった切り」たいと思います。

注釈:今日の記事に、前回語った記事の知識が必須になる部分もありますから、是非前回の記事を読んでからこの記事を読んで頂けると、幸いです。

ここ数年、話題となっているMMT政策。れいわ支持者のツイッターを除くとお題目の様に唱えておりますね。赤字国債をどんどん刷って、消費税は減税だけど、所得税と法人税は増税、公共事業費をバンバン増やして景気を良くしてもハイパーインフレにはならないし、財政破綻もしない。本当に夢の様な理論です。

しかし、MMT政策は経済学者の間でマトモに扱う人は皆無です。しかし、そもそもMMT論は説明する人によって意味が変わってきますので、生みの親、ケルトン教授の考えを最初にまとめたいと思います。

  • 日本や米国の様な大規模な経済を保有する国は破綻しない
  • 完全雇用は金融政策では無く、財政政策によって達成されるべき
  • 政府と民間は資金の取り合いをしない
  • もしインフレになれば増税で対応すべき

この四点がMMTの基礎と言えます。しかしこの中で正しいのは一番目のみです。

今日は特にMMTの大規模財政支出について語りますが、結論から述べさせていただきますと、無駄、無意味、害でしかないとしか言いようがありません。

MMT理論における財政政策とは、インフレが過熱するまで政府は刷ったお金で公共事業を発注し、インフレとなれば増税でインフレを退治すると言う考えです。

<スポンサー>

これに従い、れいわ新選組は現在真水100兆円規模の支出を求めています。確かに、前回の記事に書いたように、今の不景気にて大規模な財政支出は確かに必要です。しかし、支出は供給限界を超えてはいけません。不景気下でも潜在GDPと実際のGDPの差はは多くてもせいぜい10%で、好景気の場合は0%近くまでに接近します。その為、政府の財政政策は細かい調整を行わないと大失敗を起こす可能性が常にあるのです。MMT政策で主張される支出規模を考えると、確実に潜在GDPを超える額の支出を求めてる為に、ハイパーインフレの懸念が数々の経済学者から指摘されています。

100兆円の真水支出は結果的にGDPを200兆円程度押し上げする効果があります。しかし日本経済全体の供給力は600兆円程度しかありませんので、それ以上GDPを上げる事は不可能です。よって残りはハイパーインフレとして形を変えます。図を見た頂ければ、実質GDP増と比べ、物価が理不尽に上がっていることが分かると思います。結果的に、50兆円の真水と100兆円の真水による実質GDP増加は同等なのに、100兆円も支出してしまうと物価が高騰する事となります。

そして、この図では「経済全体の物価」を表していますが、特定の業界の価格はこれより更に酷い事となります。れいわが提言する100兆円の支出の多くは公共事業の発注が想定されます。しかしながら、日本全国同時で行える建設計画には限りがあります。よって大幅な公共事業の増発は建設費の高騰、資材の不足、建設期間の延長と言う害が出てきます。これによって民間が発注した建物の費用が高騰したり、そもそも家が建たない状況さえ考えられます。限りある資源を取り合いする事によって損害を浴びるのは常に民間である私たち一般市民です。もしれいわ新選組が唱える量の公共事業が発注されれば全く為にならない、行先のない道路、橋、トンネルばかりが建ち、これからの成長に必要な工場、商業ビル、ホテルやオフィスの建設は止まるでしょう。

長い文章でしたがご熟読ありがとうございました。次回はMMT政策に対する批判を続けたいと思います。

4件のコメント

なんつーかなんでハイパーインフレになるとかいわれてるんですけどよくわかんないんすけど
参議院のシミュレーションなんですけど
20万円配って3年目で2.9%じゃなかったすかね
あとハイパーインフレは大抵戦争や独裁政権や革命といった政情不安を抱える国家において起こされるものですから

へ返信する コメントをキャンセル