第49会衆議院議員解散総選挙の投開票までわずか4日となったが、日本維新の会はメディア各社で議席増を確実視されているがその幅。今回、おとな研究所では様々なソースからデータを取得し、日本維新の会に焦点を置いた情勢を調査した。
この記事ではブロックごとの獲得比例枠数と比例復活の可能性が高い候補者を記述する。更に、小選挙区当選が視野に入る近畿ブロックの小選挙区に関しては小選挙区別の情勢を記述する。
※注釈
今回の衆院選は特に情勢は流動的とされており、今後数日の状況において、情勢が急激に変動する可能性がある事を留意して頂きたい。
なお、比例復活に関しては、復活の要件は得票率では無く、惜敗率で決定される。惜敗率とは小選挙区当選した候補との得票比率を差す。要するに接戦選挙区に優先的に配分される制度だ。なかなか維新が接戦に入り込んでいない近畿外の選挙区でも、比較的に勝者の得票率が低くなる与野党接戦区の候補者の方が、単独候補が圧倒する選挙区よりも惜敗率が高くなり、比例復活の可能性が高くなる。結果として、比例復活の可能性の高低で候補者の努力(=得票率)を測るのは控えて頂きたい。
比例北海道ブロック
0~0~1
比例北海道では最後の1枠を自民(3枠目)、共産と争っているが、現時点ではやや劣勢である。比例枠獲得の場合、小和田氏、山崎氏、小林氏の候補者全員に比例復活の可能性がある。
比例東北ブロック
0~0~1
比例東北ではブロック最後の1枠を立憲(5枠目)、国民と争っているが、現時点では立憲にやや劣勢である。
比例北関東ブロック
1~1~2
比例北関東では1枠を固めつつあるが、2枠目を自民(7枠目)、公明(3枠目)、共産(2枠目)と争っており、不確実な情勢だ。比例枠獲得の場合、柏倉氏、沢田氏、宮崎氏、伊勢田氏、高橋氏の比例復活可能性が高い。
比例北陸信越ブロック
0~0~1
比例北信越では都市部の候補者擁立もあり、支持を拡大しつつあるが、最後の比例枠獲得を自民(5枠目)、共産と争っており、確実ではない。比例枠獲得の場合、吉田氏、小林氏、手塚氏、石崎氏と全候補に比例復活の可能性がある。
比例東京ブロック
1~1~2
比例東京では多数の候補者擁立もあり、1枠を固めたが、2枠目を立憲(5枠目)、共産(3枠目)、れいわと激しく争っている。比例枠獲得の場合、阿部氏、木内氏、小野氏、金澤氏の比例復活可能性が高い。
比例南関東ブロック
1~1~2
比例南関東では枠の多さも影響して既に1枠を固めたが、2枠目を立憲(6枠目)、公明(3枠目)、国民、れいわと激しく争っている。比例枠獲得の場合、清水氏、藤巻氏、吉田氏、浅田氏の比例復活可能性が高い。
比例東海ブロック
1~1~2
比例南関東でも枠の多さも影響して既に1枠を固めたが、2枠目を自民(9枠目)立憲(6枠目)、共産(2枠目)、国民と激しく争っている。比例枠獲得の場合、杉本氏、岬氏の比例復活可能性が高い。
比例近畿ブロック
7~8~9
比例近畿では7枠を固めたが、残り数枠は極めて流動的な情勢であり、自民(8枠目)、公明(4枠目)、共産(3枠目)、立憲(5枠目)、国民、れいわと極めて激しく争っている。焦点として、2014年に維新(の党)が獲得した8枠を超えれるかどうか、そして近畿で比例第一党になれるかが注目される。
小選挙区では、15選挙区では当選の可能性があり、その内の6選挙区で優勢である。内訳は以下となる。なお、小選挙区でどれだけ議席を確保できる事が、奈良や京都、滋賀での議席獲得を左右する事となる。以下は近畿ブロックでの小選挙区の優勢順の情勢だ。
極めて優勢 (1)
大阪17区(馬場信幸氏)
3期連続小選挙区当選の馬場幹事長は極めて安定した戦いを見せており、相手自民候補を圧倒している。
優勢 (2)
大阪18区(遠藤敬氏)
大阪15区(浦野靖人氏)
前回衆院選で議席を獲得した18区は安定した戦いとなっている。15区は自民前職(竹本元IT相)の不出馬もあり、優勢となっている。
やや優勢 (3)
大阪19区(伊藤信久氏)
大阪14区(青柳仁人氏)
大阪12区(藤田文武氏)
前回小選挙区で勝利を果たした19区は、丸山穂高氏や今井豊氏の騒動などもあり、盤石とは言えなくなった。19年補選で勝利した12区も今回は非維新票を分散する元職樽床氏の不在などもあり、確実とは言えない。
横一線 (6)
大阪1区(井上英孝氏)
大阪4区(美延映夫氏)
大阪9区(足立康史氏)
大阪11区(中司宏氏)
大阪7区(奥下剛光氏)
大阪8区(漆間譲司氏)
1,4,9区は前回逆風の中、高惜敗率で敗れたが、リベンジを目指す。11,7,8区は相手陣営の地盤の強さをいかに切り崩せるかが焦点だ。
猛追 (3)
大阪2区 (守島守氏)
大阪13区(岩谷良平氏)
兵庫6区(市村有一郎氏)
自民党現職の強固な地盤がある大阪2区・13区は両方とも新人がチャレンジする構図となっており、現時点で猛追しているがこれからの戦いが鍵。兵庫6区では自民候補と激しく争うが、そのすぐ後ろには立憲候補氏もおり、流動的だ。
やや劣勢 (1)
大阪10区(池下卓氏)
当初10区は立憲候補、自民候補との三つ巴の戦いであったが、選挙戦が進むにつれ、立憲維新による事実上の一騎打ちとなりつつある。しかしながら、(この情勢を察知したからか?)一部の自民党関係者が辻元氏を支援しており、やや劣勢となっている。
劣勢 (3)
兵庫7区(三木圭恵氏)
兵庫3区(和田有一朗氏)
兵庫5区(遠藤良太氏)
兵庫3,5,7区では自民党ベテラン前職に維新候補が挑む構図となっているが、やはり壁は高いと言わざるを得ない。
これ以外の小選挙区は全て極めて厳しい情勢である。
比例中国ブロック
0~0~1
比例中国では自民(6枠目)と共産と激しく争っているが、現時点で維新は勢いを増す自民党に対して維新は劣勢だ。比例枠獲得の場合、空本氏の比例復活の可能性が高い。
比例四国
0~0~1
比例四国では維新が共産、自民(4枠目)、立憲(2枠目)と争う大混戦だが、共産党がやや優勢な情勢。比例枠獲得の場合、町田氏の比例復活可能性が高い。
比例九州
1~1~2
比例九州では1枠を固めつつあるが、2枠目を自民(8枠目)、公明(4枠目)、共産(2枠目)と激しく争っており、獲得確率は高いと言えない。比例枠獲得の場合、外山氏、阿部氏の比例復活の可能性が高い。
油断は禁物

以上の情勢を合算すると、
小選挙区 6~9~15
比例区 12~13~24
合計 19~22~39
となり、維新が勝敗ラインとして設定している法案提出権である21議席には到達する可能性が高い。しかしながら、(状況を大きく異なるが)2014年(41議席)、2012年(54議席)には遠く届かない情勢だ。
なお、有権者の2割以上が投票先を決めておらず、情勢は大きく変動する可能性がある。勿論これが維新にマイナスに働く可能性もあるが、いわゆる「維新ブースト」が発動する可能性もあり、大幅に獲得議席を上積みするチャンスはある。しかしながら、投票日は前回衆院選同様、雨天との予想がありこれに期待し、頼る事は禁物だ。
南関東の浅田さんって浅川さんの事?
[…] 衆院選最終情勢ー日本維新… […]