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「小野議員」がトレンドに 新人議員 1日だけで文通費100万円支給を斬る!

衆院選が終わり、いよいよ国会も本格始動という中、国会では新たな問題が浮上した。この度初当選した日本維新の会の小野泰輔衆院議員がつづったNote(ブログ)「国会の常識、世間の非常識」に、その問題が記されている。

小野氏が問題視したのは文書通信交通滞在費(いわゆる文通費)のあり方だった。

給与やボーナスにあたる議員歳費(年間約2100万円)とは別に、国会議員に毎月100万円支給される公費。電話代、郵便代、交通費、東京での滞在費などの名目で支給される。略称は「文書通信費」「文通費」。国会法第38条の「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、別に定めるところにより手当を受ける」という規定に基づき、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(歳費法)」第9条によって支給が定められている。

日本大百科全書(ニッポニカ)「文書通信交通滞在費」

上記のように、国会議員に対し毎月100万円支給されている文通費だが、今回発生した問題は「盲点」をついたものであった。

文書通信交通滞在費の額がどうにもおかしいのです。10月31日に当選したということで、歳費(いわゆる給料)は日割り計算(約3万円)となっているのですが、文書通信交通滞在費は満額の100万円が支払われました。これはおかしいのではないか、と衆議院事務局に確認したところ、今の法律では1日でも任期がかかっていると満額が出る仕組みになっており、日割りにはなっていないとのこと。

国会の常識、世間の非常識―小野泰輔 official note

10月31日から任期が開始しているということで、給料自体は日割り計算の3万円となっていたものの、文通費は法律上の理由で1カ月分(100万円)の支給となっていたという。新人や元職は1日の任期であり、中には日付が変わった11月1日に当選が決まった議員もいる。

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「世間の常識からしたらおかしいことだ」と、小野氏は主張。この問題提起が世論を喚起し、他の政党を動かすこととなる。

使途を明らかにしなくてもよい文通費の闇

また、文通費については、別の問題も存在する。

国会議員一人当たり月々100万円、年1,200万円もの税金が、その使途も公開されないまま使われています。これが「文書通信交通滞在費」です。

文書通信交通滞在費とはー日本維新の会

国会議員に毎月100万円給付されている文通費は、使途(使い道)を公開する義務がない。小野氏が所属する日本維新の会は「文通費の使途公開」を自主的に行っているが、その他の政党では未だ公開されることなく、いわゆる「ブラックボックス」の状態にある。

自民党や立憲民主党も動かした

さて、小野氏のこのつぶやきは、ついに自民党を動かすまでに至った。

国会議員に支給される文書通信交通滞在費(文通費、月額100万円)が、10月31日に当選した衆院議員にも10月分の満額が渡されていた問題で、自民党は16日の役員会で、新人や元職議員に対して返還を求める方針を確認した。返還分については、寄付先を今後検討する。茂木敏充幹事長が役員会後の会見で明らかにした。

朝日新聞デジタル

自民の茂木幹事長は「新人・元職は1日しか議員でない。場合によっては11月1日に当選した人は0日かもしれない。常識的には全額返金してもらうんだと思う」と話した。

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また、野党第一党の立憲民主党にも動きがあった。

立憲民主党は16日の執行役員会で、10月31日投開票の衆院選で当選した議員に10月分の100万円が満額支給された「文書通信交通滞在費」(文通費)について日割り支給にする法案を作り、臨時国会での議論を目指す方針を決めた。

産経新聞

立憲民主党は、文通費を日割り支給にする法案に積極的だ。

小野氏は、今回の衆議院議員総選挙で初当選した新米議員であるが、これまでなかなか気づかれることのなかった問題を指摘した。国会にも新陳代謝が必要なことが見てとれるだろう。

国会の常識、世間の非常識―。国会改革がこれからもたゆみなく続いていくことを祈りたい。

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