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維新代表選の謎 なぜ松井一郎は辞任しないのか -ゲストライター

※この記事は、ゲストライターによる寄稿記事です。おとな研究所編集部や所属ライターが作成した記事ではありません。なお、寄稿の応募はコチラから誰でも可能です。(著者情報は記事末尾に記載されています。)


今、維新支持者界隈で話題になっている、国政維新代表選の件について、一言申し上げたい。

コアな維新支持者ならばご存じのとおり、国政維新は自民党と異なり代表任期が就任期間で区切られているのではなく、衆院選や参院選等の後、党代表選を行うかどうかを決める特別党員投票を行うことになっている。

代表選に関する維新の規約のイケて無さについての指摘は、他で散々こすられた話題なのでここでは触れない。

私が気になるのは、代表選を巡る松井一郎代表の言動である。

松井氏は、「代表選が行われる場合、自分は出馬しない」「代表選を是非やってほしい」という旨の発言をしている。(日本維新の会代表選に松井氏が不出馬 副代表・吉村氏も出馬せず | 毎日新聞 (mainichi.jp)

一方、先述のとおり、代表選をするかどうかは特別党員による投票によって決まる。

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今の情勢では、松井氏を辞めさせる理由はないため、特別党員の投票では代表選をせず、そのまま続投という可能性が高いかもしれない。

松井氏が辞めるべき理由はない

松井氏は人望もあるし、衆院選で勝利しているのだから、辞めさせる理由がない。

もし、代表選が行われない結果となった場合、上記の松井氏の発言をそのまま読むと、松井氏自身が代表を続けることになるだろう。

松井氏は、「代表選には出ない」としか言っていないわけで、もし代表選をやらないなら、代表を続けるということは、自らの言葉と何ら矛盾していない。

しかし、代表を続けることは松井氏の本意だろうか?

松井氏は、以前から大阪都構想否決の責任を取り、大阪市長の任期を全うし、その後、政界引退することを明言している。(「大阪都構想」再び否決 松井大阪市長 任期全うし政界引退へ | 注目の発言集 | NHK政治マガジン

そんな、松井氏が、今更国政維新の代表の座に執着するだろうか?

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そして、気になるのが、なぜ代表選を行ってほしいと考えているのに、代表辞任しないのだろうか。

自分の意向に沿って代表選を確実に実施するなら、自分が職を辞すると言えばすむはず。

では、なぜ自分から代表の職を辞すと言わないのか。

副代表・吉村洋文氏の存在

ここで私が注目するのは、吉村洋文氏である。

国政維新副代表でもある吉村大阪府知事も、代表選が行われる場合には出馬しない旨を明言している。

発言によると、代表選を行うことで国会議員等から新たなリーダーが誕生することを望んでいるようである。(維新・吉村副代表「そこまで言うなら橋下さんがなって」代表選出馬を推す声に/芸能/デイリースポーツ online (daily.co.jp)

一方、維新の生みの親である橋下徹氏は吉村氏に代表選に出るよう何度もはっぱをかけている様子は、TV等でもみなさんがご覧になったであろう。

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おそらく、橋下徹氏と気脈を通じている松井氏も思いは同じだと思う。

私は、今回松井氏が代表辞任をしない理由は、吉村氏を代表選に出馬させるためではないかと見ている。

コロナ対応以前も市長時代に市営地下鉄民営化等数々の功績をあげてきた吉村氏は、大阪ばかりではなく、その人気は全国的なものとなっている。

党内における求心力も高く、衆院選で維新の候補に票を入れた人々も副代表である吉村氏への期待があったことは自明である。

そんな中、以前から松井氏等から吉村氏に国政維新代表就任を要請していた可能性は否定できない。

しかし、吉村氏は代表選出馬を頑なに拒否している。

共に市政・府政を一緒に運営してきた松井氏に矛先を向けるわけにはいかないこともあってか、自分は代表選に出るとは言わず(代表選実施≒松井氏を退任させること)、TVでは「松井さんとともに改革をやりたい」という旨の発言も行っている。

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そんな吉村氏に対し、松井氏は駆け引きをしているのではないか。

松井氏の戦略

大阪を中心に松井氏続投を望む声もある中で、特別党員による投票を代表選実施に決着させるためには、世論喚起することが必要である。

「代表選を実施しない」空気を変え得るのも吉村氏自身であることを、本人もわかっているであろう。

松井氏はこう考えたのではないか?

「民主的な手続きによらず代表が決まってしまうと、国政維新が国民からそっぽ向かれてしまうことになる。それを吉村氏が放っておくだろうか?」と。

だから、このままなら代表選すら行われないという状況を作り、吉村氏が立候補するよう誘いこむため、あえて松井氏は代表辞任という手段を取らなかったのではないか。

吉村氏が代表選立候補を表明すれば、特別党員も一気に代表選実施に傾くであろう。

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松井氏にとって、「代表選実施」と「吉村代表実現」の連立方程式の解が、「自ら代表を辞任しないこと」だったのではないだろうか。

もちろん、いくつもの仮定を置いており、私の勝手な妄想に過ぎずないかもしれない。

だが、松井氏の言動と思いを紐解けば、このような見方もあり得るのではないだろうか。

何にせよ、代表選を実施しない流れに傾いている維新内の世論を反転させるには、吉村氏の意向が大きなカギになるだろう。


ライター|維新支持の海原雄山:維新を支持している自称美食家。 記事一覧 Twitter

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