徹底分析・衆院選結果!「野党共闘」大敗は、国民が対立よりも問題解決を優先したことのあらわれである

 衆院選からもう3週間が経った。衆院選の結果は、下記の表の通りである。一見すると、大きく勢力が入れ替わったということはないが、自民党は公示前議席から15議席減も、公明党と合せて絶対安定多数を確保した。他方立憲民主党は、追い風を生かせずに100議席を割る大敗を喫した。

弊所「【2021衆院選】議席伸ばした第三極 これまでと今後の動きを考える」より引用

 今回の記事では、この衆院選結果の意味するところを分析したい。選挙から3週間経った今だからこそ、結果をしっかりと意味づけする意義があるだろう。

岸田政権で、「強硬な与党」対「なんでも反対の野党」という図式が崩れた

 まず、指摘しておかなければならないことは、安倍政権、菅政権が退陣し、岸田政権が発足したことで、従来型の「野党」の存在意義が薄れてしまったということだ。

 安倍政権は、国民からの高い人気を背景に、戦後なかなか進まなかった安保法制、特定秘密保護法などの法律を、強行採決も用いつつ成立させてきた。これに対して野党側は、民主党(民進党)系政党を中心に、与党の提出した重要法案に強く抗議したり、政府のスキャンダル追及で法案審議を止めたり、時には力づくで採決を妨害したりすることによって、政権交代は果たせないものの一定の支持をキープしてきた。このような野党の姿勢が良いか悪いかは別として、一定の国民から支持されていたことは事実である。

強行採決に反対する、左派野党の議員

 ところが、先月発足した岸田政権は、国民の声を聞く政治を標榜する通り、安倍政権とその流れをくむ菅政権とは、明らかに政権としての方向性を異にしている。実際に、安倍政権から続く強硬な路線を変更するかはさておき、国民からは「自民党は変わった」と思われた可能性が高い。「強硬な自民党」と、「何でも反対する野党」という図式は、崩れ去ってしまったのである。

立憲民主党・共産党の歴史的使命は終わったか

 そうなると、立憲民主党をはじめとする左派野党からしてみれば、「悪の自民党・安倍政権」を倒すことを大義名分に「野党共闘」で政権交代を目指すと言い続ければ一定の議席を維持できる、というこれまでの「ビジネスモデル」が崩れることとなる。これまで悪の権化として打倒の対象としてきた「安倍政権」「菅政権」が、なくなってしまったからである。したがって、今回の衆院選は、野党共闘を終わらせて、正々堂々と政策を競い合う戦いとすべきであった。

 しかし、左派野党は、「倒す敵がいない」状態で、野党共闘路線を逆に強めてしまったのだ。立憲民主党は、共産党と都議選での候補者完全棲み分けをするなど、都議選前後から一体化を進めた。さらに、立憲民主党は、衆院選の結果政権を取れた場合に、共産党と閣外協力をする旨の合意を行った。政策面でも、市民連合を介して、共産党などと「野党共通政策」を締結したが、その中身は共産党の政策をコピーしたようなものであった。立憲民主党と共産党の一体化を示す「立憲共産党」という言葉が、日に日に説得力を増していった。

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 選挙期間中には麻生太郎前財務相が、立憲民主党と共産党の一体化を「立憲共産党」と言及したことで、奇しくも「立憲共産党」という言葉が市民権を得てしまった。立憲民主党は、それでもなお、選挙期間中も、自民党との対決路線をより強めて行った。そして、選挙で大敗した。14議席しか減っていないと思えるかもしれないが、政権交代を標榜して、この結果では、大敗と評価すべきである。

 野党共闘の成果もあって小選挙区は議席を積み上げた立憲民主党だが、比例代表では議席を激減させた。枝野代表が大敗をうけて辞任に追い込まれたが、新代表を決める代表選挙は、全くと言っていいほど盛り上がっていない。他の第三極系野党が、これまで政策議論を行ってきた間に、与党のスキャンダル追及に明け暮れていた焼きが回ってきたのだろうか、どの候補も似たり寄ったりで、実効的な経済政策を示せていない。

 追及しかできず、まともな政策議論すらできなくなってしまった立憲民主党と共産党の両党、すなわち「立憲共産党」の歴史的使命は終わったのかもしれない。今回の衆院選の結果は、両党の歴史的使命が終わってしまったことの、あらわれであろう。

第三極は、大義のために結束できるか

 ここまでは、1つにまとまりすぎて失敗した立憲民主党・共産党の話であった。しかし、2012年以降、うまく連携を実行することができずに、どんどん小さくなってしまったのが第三極系だ。具体的に言うと、「旧日本維新の会」と「みんなの党」が、第三極系の主導権争いや、代表同士の人間関係などもあいまって、政策ごとの連携すら長続きしなかった。そして、両党は離合集散を繰り返し、どんどん小さくなったり、解党したりしていった。

 しかし、今回の選挙で、「第三極」系の政党が躍進を見せた。狭義の第三極で言えば、自民党系でも民主党系でもない、日本維新の会だけであろう。しかし、より広くとらえれば、国民民主党はもちろんのこと、れいわ新選組も入り得る。

 まず、日本維新の会は、41議席を獲得し、この選挙で最大の勝者となった。国民民主党も、引退した議員や棚ぼたで獲得した議席を除けば現職は6議席しかいなかったが、11議席を獲得し、会派として議席を維持した。れいわ新選組は、左派野党の一員として野党共闘に入りながら選挙を戦ったが、3議席を比例で獲得。選挙後は唯一首班指名で自党の山本太郎代表に投票するなど、独自の動きを見せている。今後、第三極系の政党として成長していく可能性も秘めている。

関連記事:【2021衆院選】議席伸ばした第三極 これまでと今後の動きを考える

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 これらの政党は、政策面でそれぞれ個性が大きく、連携は一筋縄ではいかないだろう。しかし、例えば消費減税では、3党すべてで折り合える余地はある。あくまで、政策ごとに連携を深めるべきである。

 特に、日本維新の会と国民民主党は、現実的な外交・安全保障政策という点や、金融緩和の当面継続といった点で、政策が近い。与党とも過度に対決せず、政策の秀逸さで与党と勝負する力はあるだろう。しかも、維新と国民民主の議席を足せば、52議席あり、衆院で予算関連法案も提出することができる。筆者は、特に、両党の連携に期待をしている。

 ただし、重要なことは、互いの違いを認めつつ連携を行うことだ。相手が呑めない政策を押し付けたら、この連携は早晩行き詰ってしまう。あくまで、別の政党であり、別の会派であることを尊重した連携が必要である。

関連記事:国民民主党・衆院選大反省会 勝って兜の緒を締めよ

 

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