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“安楽死”という選択肢

昨日ALSを患う女性からの依頼で、薬物を投与してその女性を死亡させたとして医師2名が逮捕された。元々医師と女性には面識がなく、SNSを通じて知り合ったと報じられている。

https://mainichi.jp/articles/20200723/k00/00m/040/154000c?inb=ys

マスコミにも大きく取り上げられ、そしてインターネット上でも話題となり安楽死の在り方について議論を呼んだ。生きる権利と死ぬ権利。各々の価値観、宗教観が入り交じる為、簡単に解決する話ではない。

そもそも安楽死とはどのようなものか。

安楽死は主に2種に分類されている。

積極的安楽死⇒本人の意思に基づき薬物等を投与することにより人為的な死を迎えさせることである。日本では法的には認められていないものの、1995年の最高裁判所の判決では以下の4条件を満たすのならば安楽死が認めれれるとされた。

(1)患者本人からの明確な意思表示

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(2)回復が見込まれない病気等で死期が迫っている

(3)身体に耐えがたい苦痛が生じている

(4)患者自身の苦痛を取り除くほかの手段が存在しない

これらの4条件を満たさない場合は刑法上は殺人となり、有罪判決を受ける可能性が高くなるのだ。

消極的安楽死⇒回復が見込まれない患者に対して、本人の意思に基づき延命措置などを中止して自然な死を迎えさせる事である。尊厳死とも言われており、積極的安楽死と違い法的に認められている国も多い。

ちなみに、現時点で積極的安楽死を法的に容認しているのはアメリカの一部の州やオランダ、ベルギーなどの一部の国のみである。また、スイス国内では認可されるのならば外国人でも安楽死の権利を得ることができる。

「生きる」権利は最も尊重されなければならない事であるが、自身の最期を決める権利を求める声があることも事実である。これまで政治の世界ではこの問題がタブー視され議論が進まずにいた。

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様々な境遇にある方々が自らの最後を自らが決めるという「自己決定権」をどう実現してくのか。そしてこれからの終末医療の在り方とは。

生死が関わるこの問題は極めて複雑である。答えなど見つからないのかもしれない。しかしどこかの方々が主張しているように「議論することさえ許さない」等の風潮は話が違うのではないか。まずは当事者の声を聴きそして議論のテーブルに乗せて頂きたいと思う。

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