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あたらしい党代表選挙 終盤戦へ

あたらしい党代表選挙 終盤戦へ

かつて小池百合子東京都知事の側近中の側近であった音喜多駿都議会議員(当時)が「改革」と「情報公開」「多様性」を掲げて設立した地域政党「あたらしい党」が、明日14日の総会における代表選投票を目前にして、締めの戦を繰り広げている。

候補は参議院議員・音喜多駿と渋谷区議会議員・橋本ゆき。両候補は党内外に存在する様々な問題を争点とした。

本記事では、あたらしい党学生部に所属する筆者が代表選告示以降の流れや両候補の主張、そして今後の展望についてまとめていく。

※なお内容については、事前に党広報責任者に確認を取ったうえで、幹事長の見解及びあたらしい党オンラインサロン規約第7条1項に準じ、各位の発言要旨をまとめて投稿させていただきます。

代表選の顛末

そもそも事の発端は、先月29日に音喜多駿代表によって行われた「重大発表」。即日音喜多代表は代表辞任届を提出し、高橋元気幹事長を委員長とする代表選挙管理委員会の発足・代表選挙規則の発表までその日のうちに行われた。

当日の党内の熱気は統一地方選や参院選を思わせるほどの活気ぶりで、「挑戦者」を待ち望む声は特別党員(所属議員・政策委員)をも驚かせたのだろう。

党広報最高責任者・橋本ゆき渋谷区議が代表選挙に立候補することをブログ・YouTubeにて表明したのは、翌3月1日のことだった。ブログは前・後編に分かれていて、添付されたYouTubeは決意表明と質疑応答の二部構成。

動画の内容は、現執行部を厳しく批判するものだった。

音喜多代表も所属する日本維新の会との共闘路線を「既存政党とのしがらみ」と断じ、その方針について、度重なる執行会議においても『断固反対』の立場を貫いてきたことも明かした。「あたらしいあたりまえ」の原点としての意味を党員に問題提起したのだ。

この日中に党オンラインサロンでは代表選専用スレッドが立ち、ついで音喜多代表による出馬表明動画、橋本区議による生配信が立て続けに行われた。

代表選スレッドへの投稿は現時点(2020年3月13日)で550件を超え、その活発ぶりが垣間見える。議論に参加しているのは特別党員から党員、党籍を持たない党友から学生部員まで幅広く、議論が盛り上がりすぎて仲裁が入るような場面もあった。1人1人の意見は似ている部分もあれば異なる部分も多く、時に熱量は両候補を上回ることもあった。僕自身、「これが政治参加なんだ」と実感できた瞬間だ。

1週間後の3月8日には両候補による討論会が行われた。新型コロナウイルスの流行によってオフラインによる実施は見送られ、関係者のみが出席したうえでのオンライン配信という形式をとった。動画内では募集してあった質問への両候補の回答や、リアルタイムで寄せられた質問への回答など、他の政党や政治団体では見られないスタイルによる討論会であった。その反面、両候補の意見が拮抗した党スタッフについてや都議選への対応に話が及んだ際には議論が白熱し、その場にいる全員が固唾をのんで見守る場面もあった。

以降も代表選スレッドでは各々が自身の立場を表明するなど、発展的な盛り上がりを見せた。

両候補の主張

橋本候補はオンラインサロン内外で、一貫して維新との選挙協力やいわゆる「身を切る改革」に関して否定的な立場をとり、”「今の政治」を打破し「あたらしい政治」を進めるべきである”という結党当初の原点に立ち返るべきとして、あたらしい党による独自路線の重要性を主張している。来る都議補選や都議選、さらに衆議院選挙についても、十分機を見たうえであくまで「あたらしい党による独自候補の擁立」にこだわっている。

だが一方で、選挙に関して党内で異なる意見が出た場合については、徹底的に話し合ったうえで本人の意思を尊重することを強調した。また議会における他党との会派を「政策実現のための協力」として選挙協力と区別し、これについては各議員の自由でもいいとの見解を示すなど、他党との協力を全面的な否定することはしなかった。あくまで「行政のアップデート」という政策実現こそがゴールであり、選挙協力は各党で戦うべきである、としたのである。

橋本候補 出馬表明

音喜多候補は、現代表、さらに日本維新の会の現職国会議員という立場もあり、基本的には現状維持を掲げた。ただ一方で、候補者本人があたらしい党の単独公認を望んでいる場合はこれを認める、などの発言もある。また討論会において以下の内容を事実上の選挙公約として掲げたため、一部党員が明確な音喜多支持を表すなどの事態も発生した。

・2023年統一地方選であたらしい党が独自性を保つため、代表戦終了後に速やかに党規約を改正し、執行部メンバーの過半数を単独党籍の者とする。

・2021年伽戦終了後、改めて党規約を改正して執行部の二重党籍を禁止したうえで新たな二重党籍者の認定を停止する。

・2023年の代表選実施を検討する。

これは討論会の際に突然提示されたもので、橋本候補への譲歩ともとれるものである。またこれらが実現されれば、「しがらみのないあたらしい政治」においてまさに橋本候補陣営が望むものであり、そういった意味では音喜多候補の若干の優勢が見られる。

だが一方で、告示当初に比して橋本候補は当方の予想を超える支持を集めており、依然情勢は不透明だ。

音喜多候補 所信表明

今後のあたらしい党の展望

オンラインサロン内では、両候補や執行部のみならず、各特別党員が「この代表選によって誰も離党しない」ことを明言している。また両候補とも主張内容はあくまで方法論であり、向いている方向は明確に同じだ。どちらが制したとしても、あたらしい党にとっては今後待っている都議補選・本選・衆院選・統一地方選の重要性に変わりはない。だがその一方で、知名度や議会活動で、まだまだ他党や他勢力に依存している面も少なくはない。これらについて「どこまであたらしい党が独自性を出せるか」ということを考えるとき、より具体的かつ未知の差別化を図っていこうとする橋本候補と、参院選以降からの「差別化の実績」や「現職国会議員」を強調する音喜多候補の溝はある意味非常に大きく、投票権を持つ党員の一票の意味もまた非常に大きい。

あたらしい党や日本維新の会のみならず、地域政治の在り方を大きく問題提起する形となったこの代表選挙は、明日3月14日投開票だ。

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