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若者を魅了する”れいわ”とは

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昨年の参院選で突如姿を現したれいわ新選組。その組織を下から支える“若者勝手連”と呼ばれる組織がインターネット上で影響力を伸ばしつつある。本当に若者たちの集まりなのか、一体何を目的に活動しているのか。
今回、勝手連のお二人に時間を取っていただき、話を聞くことができた。 
そこからは彼らがなぜ政治にかかわるのか、そして山本太郎氏を支持するのかが少しずつ見えてくると共に、意外な側面をも知ることができた。

1.急成長のカギはSNS

この記事を読んでいる方は、“れいわ新選組・若者勝手連”という名称を聞き、どのようなイメージをお持ちだろうか?党カラーのピンクに染まった政治オタクの集まり・・・ではない。

「大学生や高校生、そして国政選挙の候補者からなんと中学生まで所属している」と、今回取材した1人(Aさん)は言う。
そして政治思想も様々なようだ。れいわは左派というイメージがあるが、中には右派の政治団体を合わせて支持する者もいるという。まさに「一周回ってみんなが共存している」という表現がふさわしいのだとか。

Aさんは勝手連の代表を務め、ツイッターなどのSNS運営をメインに行っている。彼は6年前の山本代表が参院議員選挙で初当選して以来、支持を続けているという。

勝手連のメンバーはSNSを自在に操り、若者を中心に参加者を集めている。メインはツイッターで、支援者とのコミュニケーションや、他党の支持者と熱い政策論議を交わしている様子が見られる。また、YouTubeをはじめとしてTikTok も活用しておりそのフォロワー数は8700人にも及ぶ。他の政党のフォロワー数(共産党1300、社民党45)に比べれば注目度が高いことは一目瞭然だ。これらには山本代表の演説や記者会見やポスター貼りの様子などを多数投稿している。

世代を超えて利用するツイッターやYoutubeに加えて、若者に利用者が多いTikTokなども利用する。これがネット上での影響力拡大のカギとなっているのだろう。

もちろん彼らはネット上だけではなく、前述したようにポスター貼りなどを通じての候補者との連携、更にはビラ配りなどの街頭での活動もこなす。
こうしてみれば、れいわ新選組の広報的活動がメインのように見える。しかし勝手連の真の目的は違った。

「まずは若い人たちに選挙に行ってもらうこと。そして権利、権力はどういうことなのかを知ってもらう、そこからです。」と語る。

このことは、彼らが考える憲法改正問題についての見解にも繋がった。日本維新の会以外の野党は「安倍政権下の改憲反対」で足並みをそろえている印象があるが、れいわは「建設的護憲」という立場を取っているという。
投票率が5割を切る現状。「主権者」である多くの国民が政治に関心を持ち投票に行かない限りは憲法改正の国民投票を行うべきではないという考えだそうだ。

現在の10代~20代の投票率は3割弱。若い人たちが3人に1人しか投票に行かないことに彼らも危機感を感じていることがうかがえる。

私はこれらの話を聞き、れいわの若者勝手連に対するイメージが大きく変わった。政党と繋がる学生団体は他にも多く存在するが、どれも「政治家への登竜門」「政党の下部組織」の位置づけであることがほとんどだ。
組織の名称のごとく勝手連であるからという事もあるのだろうが、気軽に参加できることやバラエティあふれるメンバーの存在、各人の意識の高さなど。話を聞くにつれて多くの若者を引き付ける根底にあるものを徐々に感じ取る事ができた。

勝手連についての話の合間に、あまり知られていないれいわ新選組の戦略についても色々聞くことができた。いくつか紹介したいと思う。

一つは、注目が集まっている衆院選である。れいわ新選組は予定候補者の発表を今年から始め、現在10名弱が公表されている。最終的には100人規模の候補者擁立を目指す。
今まで発表された候補者の選挙区にはほかの野党の現職議員がいる所もあり、独自路線を歩むのではとの見方もあった。しかし、れいわが他の野党議員に候補者をぶつけるかどうかには一つの基準があるそうだ。それは
「緊縮派か、反緊縮派であるか」である。反緊縮の実現、これが旗印となるみたいだ。

そして政権をどのように目指していくのか。
やはり「反緊縮」そして山本氏が訴えているような「消費税の減税・廃止」に賛同する政党との連立政権が現実的ではないのか、と言う。つまり国民民主党や共産党が挙げられる。
ちなみに野党第一党の立憲民主党とは水と油の存在ではないか、と酷評していた。

話は戻るが彼らによると、れいわ新選組には意外な特徴があるという。それは女性の割合が高いのだとか。選挙事務所行けば周りの人はほぼ女性、なんてことも。選挙という固いイメージの払拭が目的なのか、支持層の多くを女性が占めるのか..
ちなみに勝手連は逆に男性が多いらしい。

既存政党とは違う色を放つからこそ、いま注目を集めているのだろう。

2.「生きたい」「幸せ」彼らを魅了する言葉

今回の取材の中では、彼らの思想の中には「生きたい」そして「幸せ」この二つのワードがあるのだと私は感じた。

れいわ新選組には船後靖彦議員、木村英子議員がいる。お二人は重度の障がいを持つ。勝手連メンバーの二人は船後さん、木村さんとの出逢いが彼らを変えた。そして「生きたい」この想いが心の中で駆けると言う。

私も実は永田町の議員会館で木村議員ですれ違いであるがお姿を拝見したことがある。介護する二人にサポートされながら移動している最中であった。
テレビやネットでの印象とはまた少し違う。一瞬のことであったが、難病と闘う姿には私の心の中にも感じるものがあった。

政治という現場から「生きる」事について考えさせられる。ここには哲学的思想をも含有しているのだろうか。それとも現在の停滞した社会が、過去に忘れ去られた「生」への考えを彼らに想起させたのか。ほかの政治家や政党では重視しない考え方がれいわにはあるようだ。

最後に、彼らの目指したい政治は何なのか聞いた。
「自分の幸せを追求することができる状況を作りたい」
「動物に例えれば猫にでも犬にでもなれる社会、つまり何にでもなれるそして自分らしく生きることができるようになりたい」

二人の想いは、山本代表の「あなたを幸せにしたいんだ」という言葉と重なると思う。

現在の混沌とした社会から起きた政治不信。この状況を打開すべく、「幸せ」「生きたい」という言葉をキーワードに政治や社会に立ち向かう若者たちが増えてきていること。れいわ勝手連が短期間で70名を超える若者をネットだけで集めることができた事がこの証左となると思う。そして昨年の夏、「れいわ旋風」が巻き起こった1つの大きなヒントになるのではないか。

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