現金再給付・消費減税は、もはや実現しないのか

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第3次補正衆院採決 現金給付を提案・賛成したのは国民民主だけ

 第3次補正予算案が成立してから、およそ一週間になる。

 今回の補正予算案の審議では、組み換え動議がすべての衆議院主要会派からなされるなど、活発な議論が行われた。しかし、多くの国民が求めていた現金再給付は、政府与党の案には含まれておらず、実現しなかった。そればかりか、ほとんどの会派が、現金給付が含まれた組み換え動議に、反対してしまった。

 衆院会派「国民民主党・無所属クラブ」は、唯一現金給付を含む組み換え動議を提案した。本来は他の野党とも協力して現金給付を実現させたかったが、賛同する政党がなく、単独提出となった格好だ。もちろん、国民民主以外の会派は、国民民主提案の動議に反対し、動議は否決された。なお、国民民主党案は、当初の案よりも国債を多く発行することで、感染拡大と2度目の緊急事態宣言によってふたたび減速した経済を下支えするものである。唯一、規模的に見ても十分な歳出額であると考えて良いだろう。

 異様であったのは、翌日以降の予算委員会審議で、現金再給付を反対したはずの立憲民主党などの議員が、現金再給付を求める趣旨の質問を行っていたことだ。立憲民主党などでは、一部が現金再給付を求めているものの、党内で多数を得るに至っていないようである。

 菅義偉首相や麻生太郎財務相は、玉木雄一郎国民民主党代表らの質問に対し、再三再四、現金再給付を否定する旨答弁している。

連日現金給付を求める声がトレンド入り

 一方で、SNSサービス「ツイッター」では、現金給付を求める声が日に日に高まってきており、連日現金給付を求めるツイートがトレンド入りしている。

 確かに、ツイッターは世論のわずか一面しか反映していないことには注意しなければならない。しかし、コロナ禍において多くの国民が減収に陥り、日々の生活に対するゆとりを失っていることは事実であろう。家計支援は、多くの国民が直接恩恵を受けられるため、重要である。なお、麻生大臣が「現金給付が消費にはつながりにくい」ことを理由に再給付を否定し続けているが、仮に現金給付の一部が貯蓄に回ったとしても、貯蓄は将来の消費につながるものである。また、今回の補正予算だけでは、GDPギャップをすべて埋め合わせることができない。せっかく日銀が金融緩和を行っているのだから、さらに財政支出を拡大することで日銀に協調すべきである。生活保障という面からも、経済立て直しという面からも、現金給付は効果的である。

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 政府は、直ちに4次補正にとりかかり、現金給付を中心とした20兆円程度の追加支出を行うべきである。

消費税減税に本気で取り組む政党は「維新」

 他方で、消費税減税も、重要な課題である。

 そもそも、今回の不況は新型コロナ流行に端を発したものではない。景気後退期に自公政権が消費増税を行ってしまったために不況に陥り、それが新型コロナで深刻化したというものである。

 そうであれば、まずは第3波収束後(緊急事態宣言解除後)一時的であれ恒久的であれ消費減税を行うことで消費を喚起し、消費減税による経済効果を一度試すべきである。増税が原因で不況になったのであれば、増税をやめれば良い話である。

 ところが、消費減税も、本気で取り組む政党も、現金給付と同様に少ない。現状で、できる限り消費減税に取り組んでいる政党は、日本維新の会と、少数政党であるがれいわ新選組だけであると言える。

 日本維新の会は、予算付き法案を提出できる議席を有していないが、政府に税法改正を義務付ける「消費減税プログラム法案」を複数回提出している。その案の骨子は、2年程度消費税を5%に引き下げた後、軽減税率を廃止の上、8%に税率を統一するものである。維新の案は、8%への恒久減税と軽減税率廃止も含んでいるという点で評価すべきものである。

 れいわ新選組は、恒久的な消費税廃止、次善の策としての消費減税を訴えて参院選を既に戦っている。しかし、法案提出権がないため、法案提出に至っていない。

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 国民民主党も、5%への一時的な消費減税を掲げており党内で機関決定がなされているが、維新のような「プログラム法案」提出さえ行っていない。減税を党の政策に掲げている点は評価できるが、維新やれいわ新選組のように、可能な限り努力しているとまで評価することはできない。

政策を実現させるためには、選挙に行くしかない

 今回は、日本維新の会や国民民主党など、野党第2党以下の独自政策が目立った。これらの政策は可処分所得を増やし、家計を直接潤わせるものである。しかし、両党は野党第2党以下であるため、今のままでは政策の実現は難しい。これらの党を、先の衆院選で野党第2党以下にしたのは国民である。現金再給付や消費減税をコロナ不況ですら実施しない政府与党を選んだのも国民自身であるし、現金再給付や消費減税に否定的な立憲民主党を野党第一党にしてしまったのも国民の選択の結果である。

 もし、家計を重視した政策を行ってほしいのであれば、次の衆院選で、各政党の公約だけでなく、日頃どのような法案提出や提案をおこなってきたかを判断材料にして、投票を行うことが重要である。次の衆院選で、今の枠組みの二大政党制が続くようであれば、現状が変わることはないだろう。

 

 

 

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大学院生2年目です。法律や経済など幅広く投稿します。

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