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【三者激突!】目黒区長選挙の行方

4月に行われる、全国的に注目を集める選挙と言えば衆議院静岡4区補選であるが、都内では目黒区長選挙(4月19日投開票)が注目を集めている。先日、区長選に向けた新たな動きがあったと同時に、都内では前例のない異様な構図へと変化することになる。

三つ巴の戦い

前回の区長選では、現職の青木区長が自公や民進党などの推薦を受け圧勝。首長選では頻繁にみられる、与野党相乗り現象である。

今回の区長選への動きが出てきたのは選挙戦の2か月前からである。青木区長が正式に出馬表明を果たしたのであった。

 目黒区の青木英二区長(64)は18日、任期満了に伴う区長選(4月12日告示、19日投開票)に5選を目指して立候補する意向を表明した。区長選への出馬を表明したのは青木氏が初めて。

https://mainichi.jp/articles/20200219/ddl/k13/010/006000c

青木区長の立候補に伴い、自民・公明が推薦すると発表したものの、実は自民党内ではいまだ遺恨が残っているという。

当初、自民党目黒支部は青木区長に対抗すべく独自候補擁立へと動いていた。昨年の都政新報( https://www.toseishimpo.co.jp/modules/news_detail/index.php?id=7235 )によると、自民党は区議会において台風対策の遅れや青木区議会議員(区長の息子、統一地方選では無所属で上位当選)との関係性を追及するなど反区長色を強めていた。しかし、自民党都連が保守分裂選挙による立憲や共産などの革新区政誕生を懸念し、現職推薦へと舵を切る。それに伴い自民党目黒支部は独自候補擁立を断念せざるを得なくなった。このような状況下で目黒区議がどれだけ選挙戦で動くのかが懸念されるだろう。

現職に対抗して立憲民主党や共産党は区議会議員の山本ひろこ氏を擁立する。

青木区長出馬表明の翌日、目黒区議会において区長選出馬を表明。ちなみに山本氏は前回の区議会議員選挙では立憲公認でトップ当選を果たしている。

現職への「多選」や昨年の大型台風対応の遅れや財政政策への批判を強めると共に、目黒区が地盤である立憲民主党の長妻、手塚両衆院議員らと連携。さらにはTwitterやラインなどのSNSも積極的に活用して若年層や無党派層などへの支持拡大を図っている。

一騎打ちのはずが….維新の参戦

急きょ東京維新の会(日本維新の会東京都総支部)が党の公認候補として、医師の田淵正文氏の擁立を発表。田淵氏は前回衆院選で小池百合子東京都知事率いる希望の党の公認候補として比例東京ブロックで出馬したものの落選している。現職の医師という事を生かし、コロナウイルス対策を公約の一丁目一番地として選挙戦に臨む。

維新が都内の区長選で公認候補を擁立するのは初めて。先月22日で行われた大阪市議再選挙では圧勝するなど、関西方面では圧倒的な力を見せる維新。東京ではどこまで得票を伸ばすことができるのかが注目だ。

都議選に直結か

注目すべき所は都内では異例の「与党vs野党vs第三極」構図だけではない。区長選での動きや勝敗は都議選や衆院選につながってくることである。

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17年に行われた都議選(目黒区・定数3)では都民ファーストの会所属の伊藤悠氏がトップ当選。伊藤氏は民主党時代都議を務めていたものの、民進党時代の17年に離党し直後都民F入党して公認を得た。

都議選を来年に控える中、都民F党勢が低迷している。 (朝日新聞の最新世論調査では支持率0%) つまり区長選で誰を推すのかが本人の命運にもかかってくるのではないか。

もちろん先ほど述べた通り、目黒区は立憲2議員の地盤であるために来年の都議選で立憲公認候補が立てない理由はない。そして自民党は前回都議選で現職が2人とも落選している為に自民空白区にもなっている。それら主要政党の動向、そして伊藤都議の動きが注目される。

続く低投票率…

過去4回の投票率は20%から30%代と低迷。前回の投票率も 26.94% と約4人に1人しか投票所に足を運んでいない。今回は新型コロナウイルスの影響もあり投票率がさらに低下するのではないかと懸念される。実際、3月に行われた首長選において投票率が20%近く下落した自治体も存在している。しかし、選挙結果が目黒区の今後4年間を大きく左右する。区内では38か所の投票所が用意されており、もちろん期日前投票も可能だ。新型コロナウイルスなどの感染防止を心掛けつつ、是非投票所に足を運んでいただきたいと思う。目黒区長選挙は今月19日が投票日だ。

(目黒区長選の投票所は以下のリンク先をご覧ください↓)

https://www.city.meguro.tokyo.jp/gyosei/senkyo/tohyojo.html

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