【都議会議員選挙 各党公約解説】①都民ファ・自民 —問われる小池都政

6月25日に告示、7月4日に投開票される東京都議会議員選挙が始まろうとしています。コロナ禍では、昨年夏の都知事選では小池百合子東京都知事が再選を決めたものの、同日に行われた都議会議員補欠選挙で知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が不振。一方前回都議選で大敗を喫した自民党は補選が行われた全選挙区を制するなど、明暗分かれる結果となりました。

今回の都議会議員選挙で主要な争点となっているのは、やはり新型コロナウイルス対策。ワクチン接種の規模が徐々に拡大しているものの、感染状況そのものも予断を許さない状況であることも事実です。またこれによる東京オリンピック・パラリンピックの開催是非や観客の有無などを論点にしている人もいます。

候補者を擁立する主要政党・政治団体は既に、これらを含む様々な政策案を打ち出しています。このシリーズでは、候補者を擁立している政党・政治団体ごとの政策を2党ずつ解説していきます。

第1回目となる今回は、都政与党である地域政党・都民ファーストの会と、都議会第一党返り咲きを目指す自民党の都議選公約を解説していきます。

なお、選挙戦を巡る各党の動きについてはコチラをご覧ください。

関連記事:【東京都議選まであと1ヶ月!!】各党の情勢とこれからの展開は

知事与党・都民ファーストの会は「都政改革の継続」。五輪無観客も

4年前の都議会議員選挙では、当時代表を務めていた小池知事のもとで49人の公認候補が当選し、追加公認も含めて55議席を獲得した都民ファーストの会。小池氏が都知事選の際に掲げた「東京大改革」を進めるとしていましたが、公約の達成状況を見ると、未達のものもちらほら見受けられます。

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新型コロナウイルス対策などについて「国より速い東京都の政策展開」と自画自賛し、「政局優先ではない」都政を推進してきたとしたうえで、「改革は道半ば」とも前置きしたうえで、政策を示しています。

今回は公明党との選挙協力を解消。特別顧問である小池氏が都議選への関与について消極的な認識を示すなど極めて困難な選挙戦となりますが、どのような政策を掲げているのでしょうか。

都民ファーストの会は9つの重点政策のうち3つを「3つの柱」と称して掲げました。

1つ目の「「爆速」ワクチン接種で経済活動再開へ」では、大規模会場などを利用したワクチン接種の大幅拡大と、国産ワクチン・治療薬の開発支援強化、水際対策の強化を挙げています。

2つ目の「都民を守る「都民ファースト・ケア」」では、世帯収入に応じて年間最大15万円の給付を行い、国に年間約 7600 億円の都税の返還を求めることでその財源を手当てすること、「おうちでドック」等の自宅検査キットを活用し、がん・生活習慣病等の健康診断を行う環境を整備すること、さらに学生の貧困対策として、月額3000円の補助を行って携帯電話料金を実質無償化することを掲げています。

3つ目のオリパラ関連では緑色部分にあるように、「最低でも無観客」を国に求める方針を示しています。一方で「都民の皆様の命と暮らしを守り抜くことを最優先に、あらゆる選択肢を視野」とも述べており、今後の対応に含みを持たせています。

4つ目から9つ目までの政策についても簡単に紹介していきます。

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経済政策では東京版「所得向上計画」を掲げ、家計においては大胆な雇用創出策や就労支援、家計負担の軽減を打ち出しました。またデジタル・金融・脱炭素・健康・創薬などの成長分野に対する支援、外国の人材・企業や特区などを活かした国際ビジネス環境の整備、ポストコロナの観光・食・アート・ライブ・エンターテインメント戦略など、先進的な分野に対する投資についても盛り込まれています。

議会改革では報酬2割カットの継続や議会基本条例の制定、ムダ削減なども挙げています。

さらに行政手続きのオンライン化などのデジタル改革、女性の多様な生き方の実現のほか、環境減税・災害対策・多摩・島しょ振興を含む東京強靭化計画も掲げました。

全体として「小池都知事を前面に出す」形というよりも、過去4年間の議会活動を踏まえて政策立案したことが見受けられます。どうしても「大会の無観客開催」に目が行きがちですが、経済政策などの実現可能性や、議会改革の行方などもしっかり注視する必要がありそうです。

都議会第一党への返り咲きを目指す自民党は、「ワクチン」と「減税」

4年前の都議選では、都民ファーストの会の大躍進を前に苦杯を喫した自民党。前年の都知事選に続いて小池氏に「してやられた」格好となってしまった過去があります。

そんな自民党は今回の都議選で挽回を目指して息巻いています。各種情勢調査などでは、都議会第一党のポジションを奪回する可能性も大変高い情勢です。

そんな自民党の公約について、さっそく見ていきましょう。

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キャッチコピーは「命を守る。東京を動かす。」です。全16の重点政策をまとめていますが、前文ではワクチン接種の加速化を訴えるとともに、「国との密接な連携」を打ち出して支持を求めました。以下、編集部が特に注目する個別政策について解説していきます。

1つ目は感染症対策。国との連携を強化したうえでワクチン接種の支援を強化し、7月末までに高齢者の接種を完了することも公約しました。他に、病床・施設の確保や基礎疾患などの自宅検査キット配布、事業者支援や困窮者、一人親世代への支援なども打ち出しています。

2つ目に掲げたのが「減税」です。自民党都議選公約の目玉と言っていいでしょう。具体的には個人都民税の20%減税と、事業所税の50%減税。そのほかの様々な支援とともに、東京都の経済を生活者・事業者の両面から支えていくことを掲げました。

4つ目が子育て政策。出産時の経済支援や不妊治療の自己負担ゼロ、子育て中の女性の職場復帰支援や学童保育拡充・学校給食無償化、貧困や児童虐待からの保護、遊び場や居場所づくりの整備も掲げています。

5つ目は教育政策。基礎教育段階における習熟度別授業の一部導入や教科担任制、ICT教育や外国語力向上、大学教育の先を見据えた教育プログラムや専門学校の独自性を高めることなども挙げています。

8つ目ではインフラ整備を掲げました。品川線と臨海地下鉄の早期整備、空港・海港の能力強化に加え、ビッグデータを活用した利便性重視のまちづくり、自動運転走行システムを活用した道路整備、電柱をなくすことなども掲げられています。

13個目では環境政策を挙げました。脱炭素社会に向けた再生可能エネルギーの利用拡大、環境対応型住宅、電気自動車の利用促進などの他、下水の高度処理などにより「東京湾ビーチリゾート計画」をすすめることや、「花の都・東京」の実現、屋上緑化などによる緑の創出など、ユニークな政策も盛り込まれています。

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最後の16個目では「Society 5.0」を挙げました。5Gアンテナの設置促進やWiFi整備による街の情報化、オンライン診療や教育現場での一人一端末、都市情報の3Dマップ化、これらを後押しするためのデジタルデバイド対策、行政・税務手続きのオンライン化など、先進的な取り組みをアピールしました。

その他にここで紹介しなかったものとして、災害対策、高齢者・障がい者政策、中小企業支援、雇用支援、観光振興、農林水産政策、金融政策、多摩・島しょ政策も盛り込まれています。

全体として「小池都政・都民ファースト都政」に対するアンチテーゼというよりも、都議会自民党の極めて伝統的な部分と先進的な取り組みを上手く盛り込んだ政策であるという評価ができます。都議選後の議会対応に難が無いよう、全面的な対決よりむしろ独自色の打ち出しに力点を置いた形と言えそうです。

都議選の「台風の目玉」となる2党。知事は静観…

この2党が間違いなく今回の都議会議員選挙において台風の目玉となるのですが、挟まれた格好ともいえる小池百合子東京都知事その人は、6月22日に「今週いっぱい静養により公務を離れること」を発表しています。

NHK 小池都知事 過度の疲労で静養 今週いっぱい公務離れると発表

コロナ禍にあって東京都知事という立場で激務に当たっているため静養するという理由は言うまでも無いのですが、都議選告示3日前というタイミングでの発表は、「都議選から距離を置く」ことの宣言でもあります。

東京大改革の継続を訴える都民ファーストの会にはさらに厳しい戦いとなることが予想される一方、独自色の打ち出しに懸命な自民党は、いったいどこまで勢力を伸ばすことができるのか。都政の「保守2大政党制」はどうなるのか。

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投開票は、7月4日です。

 

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