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大阪自民に動き 大阪市議5人が新会派結成へ 総合区案の進展に影響は?

 昨年11月に大阪都構想が住民投票で否決され、広域一元化条例の可決にも多くの労力が費やされた。

 そんな大阪市であるが、26日にこのようなニュースが飛び込んできた。

大阪市議会の自民党議員ら5人が26日、新会派を結成すると発表した。新会派の幹事長に就任する太田晶也氏は記者会見で、市議会第1党の大阪維新の会との関係について「積極的に維新とも調整し、良いものは良いと言えることを目指す」と述べた。新会派が維新と協力すれば両会派で過半数を満たすため、市議会の勢力図に影響を与える可能性がある。

日本経済新聞より

 大阪市政与党である大阪維新の会と長らく対峙してきた自民党から、このような動きがあった。これは、今後の大阪市政の行方を大きく変えるものとなるだろう。様々な問題を抱え、課題の解決に奔走している大阪市であるが、会派構成の変化によって何が変わるのだろうか。

新会派結成の理由とは

 新会派の結成に参加したのは、自民市議3名と会派「市民とつながる・くらしが第一大阪市会議員団」の2名。幹事長に自民党出身の太田昌也市議が就任した。

  太田氏は、新会派結成の理由について次のように述べた。

約20人という自民党市議団の中で少数意見が反映されてこなかった。今までの自民党で打ち出せなかった課題・議論に取り組んでいく。

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日本経済新聞より

 大阪都構想反対の先陣に立つなど、大阪維新の会と対立してきた大阪自民だが、その姿勢は目に余るものがあることが指摘された。

 もし維新と協力することになれば、維新+新会派で過半数を得ることができ、政界地図が大きく塗りかわることになる。公明党も一応、市政与党ではあるが、不確定要素が多いため、市政は安定しない。今後彼らは今後どのような政策を掲げ、どのような路線を歩むのだろうか。

新会派の政策に迫る

 新会派は、維新との協力には前向きな考えを示し、「政策によっては共同歩調もあり得る」とした。

 また、大阪市の松井市長も、新会派が賛同すれば、「総合区案」を提出するとした。

大阪市の松井一郎市長(大阪維新の会前代表)は27日、新会派結成を発表した自民党市議らが市内24区を8総合区に再編する「総合区」案に賛成する場合、条例案を市議会に提出するとの意向を明らかにした。早くて9月開会の議会以降になるとの認識を示した。

日本経済新聞より

 大阪市長、21年秋にも「総合区」案提出 新会派賛同なら: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 与党であった公明党が、この総合区案について慎重な態度を示していたため、広域一元化条例として成案したが、新会派が賛成すれば、総合区案可決に必要な過半数を得ることができる。

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太田氏は、政策によって維新との共同歩調もあると説明。維新が推進する市内24区を8総合区に再編する「総合区制度」については「議論を進めることが第一だ」と述べた。

日本経済新聞より

 新会派も、議論を進めることが重要と話し、かつての「自民党路線」とは大きく一線を画すものとなった。

大阪自民は既に破綻しつつある

 大阪自民は既に綻びが出始めているのではないだろうか。今回の一件により、自民会派の動き・在り方に不満を持っている議員がいることが浮き彫りとなった。

 大阪自民は「反対のための反対」に終始し、現実的な対案を出すことに欠けている部分がある。既得権益を守り通すため、上層部が会派を支配し、少数意見が十分に反映されていなかったのだろう。今回の太田氏をはじめとする議員の行動は、勇気あるものといえるだろう。

 広域一元化条例が可決された大阪市は、今後日本が地方分権を進める上でのキーポイントとなる。今後の新会派の与える影響を十分に注視していきたい。

関連記事→【都構想①】そもそも都構想とは?/なぜ再チャレンジするのか|おとな研究所

参考・引用

自民大阪市議ら5人、新会派結成 政策「維新とも調整」- 日本経済新聞

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大阪市長、21年秋にも「総合区」案提出 新会派賛同なら: 日本経済新聞 (nikkei.com)

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