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【政治家インタビュー #4】NHK党 浜田聡参議院議員 後編

おとな研究所は、「政治家インタビュー企画」を不定期で連載している。今回は、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の浜田聡参議院議員に、お話を伺った。

今回はその後編となる。

前編はコチラ


自党及び立花党首についてどう思うか(諸派党構想など)

 我が党は良くも悪くも立花孝志党首で成り立っている政党です。立花孝志党首の、人事やお金など組織の運営・調節能力、YouTubeなどでの発信力、裁判での運用などの実践的な法律知識、などその能力には今でも圧倒されるばかりです。何より今の間違ったNHKを正したい、という熱意はすさまじいものを感じます。あと、党首が口を酸っぱくして言っていることに「自由を重んじる」というものがあります。逐一仕事の方針に口を挟むことがほとんどありません。自由がいかに大事か、というのは党首から学ばせてもらっています。現状、我々の自由を縛っているNHK受信料や税金、わけのわからない規制についてはそれぞれ緩和していくべきである、という私の考え方は党首の自由を大事にする姿勢から大いに影響を受けているといっても良いでしょう。

 また、党名変更や諸派党構想など党首の様々なひらめき・発想を党の活動方針に導入していますが、これが可能なのは党首の勇気・決断力によるものです。悪い表現をすると独裁とされることがありますが、党首が大きな決断を党として決定する際には党の総会で必ず色々な意見を受け止めており、その姿勢からは党首の行動を独裁と表現するのは正確ではありません。極めてスピーディーに話が進み、責任は全て党首が負う姿勢など、そばで見ていて感心させられるばかりです。代表的なのは、2019年の参院選では選挙の1か月前に方針が大きく変わり(詳細は私のブログ記事2019年6月19日「来る参議院議員選挙においてNHKから国民を守る党が43名候補者を出す予定」参照のこと)、見事に国政政党の要件を満たすに至ったことです。

 あの選挙方針の変更がなかったら我が党が国政政党になることはなかったと思います。もちろん細かな失敗をすることもあるのですが、素直に失敗を失敗と認めて次の改善につなげるのもストロングポイントです。丸山穂高衆議院議員がベンチャー政党と表現をしていてなるほどと思います。今後の衆院選・参院選など、どのような選挙が展開されるのか楽しみです。

 最後に、党首が度々口にしていることに「1%でもいいから、しっかりと我々のことを理解して支持してくれればあとの99%には嫌われてもいい」というものがあります。万人に支持されるのは不可能ですし、何か政治的な目標達成をするのであれば誰かしらに嫌われるのは避けることができません。NHK問題の解決を最優先という方針を強く支持してくださる方のためにぶれない姿勢で今後もベンチャー政党らしく思い切って活動していこうと思います。

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政府のコロナ対応をどう思うか 

 思っていることをすべて書くと長くなりそうなので、できるだけ手短にまとめるよう心がけます。まずは自分が総理大臣ならどういう方針で進めていくか、そして良い面、改善すべき面に分けて書いていきます。

 自分が総理大臣であるならば、このコロナ対応はずばり「持続可能」な対策を進めることです。新型コロナとの戦いはすぐには終わらず長期的な戦いになることが容易に予想されました。であれば、自粛自粛、我慢我慢の生活方式ではなく、可能な範囲で制限を緩和して長続きするような対策を進めていくべきでした。結局自粛や我慢をしいるばかりでうまくいっているとはいいがたいことは皆さんご存じの通りではないでしょうか。飲食店への制限は無意味とは言いませんが、制限が強すぎてあまりにも理不尽です。一律の制限ではなく、合理的な制限緩和を積極的に進めるべきです。

 例えば、最近流行りの一人用の飲食スペースを備えた飲食店などは制限を大幅に緩和すべきです。また、感染の可能性の低い屋外での娯楽、例えばゴルフやキャンプなどはこの機会に積極的に推進して息抜きをしてもいいのではないでしょうか。長期的な視点を持てば、このように感染対策における制限とその緩和のバランスをとっての政策を進めるべきであり、それを国会でも訴えてきましたがなかなか取り入れられませんでした。

 政府のコロナ対策の良い点を2点挙げます。1つは結果的に世界的に見て感染者数は少なく抑えていることです。欧米各国と比べて桁違いに抑えており、これは「さざ波」と言っても差し支えありません。また、ワクチン接種についてはその開始が遅れたものの開始後は接種のスピードアップがされていることも評価したいところです。ワクチンの供給が足りなくなるほど接種が進んでいます。1日100万回接種という具体的な目標を掲げたのも良かったです。最近では1日130万回接種がされる日もあり、関係各所の努力に敬意を表したいです。

 一方、改善すべき点は多岐に渡りますが、読者の方々にどうしても理解してほしい問題2点のみにとどめます。1つは全体的な方針がいまいちはっきりしないことです。先に述べた長期的な戦いとなるのであれば持続可能な対策を進めるべきですがそうではなさそうですし、かと言って強力な対策を進めて一気に感染を終息させるような対策(某政党の掲げる「ゼロコロナ」)というものでもありません。全体的な方針としては長期的・短期的いずれなのかスパンがはっきりせずに中途半端なものとなった印象があります。

 もう1つの問題は、制限を課す際の人権侵害の意識が極めて乏しいことです。政治的な力を持っている旅行業界など色々な方面には配慮する一方、政治的な力の乏しい飲食業界は徹底的に痛めつけるということが行われています。資金繰りの苦労をしたことのない政治家・官僚が政策を決めているように思われ、大変な問題です。つい最近では西村康稔経済再生担当大臣が飲食店へのさらなる締め付けを進める発言をして炎上しましたが、同様の問題は今後も出てくるのではないでしょうか。

おとな研究所の取材に答える浜田氏

経済政策のスタンスはどうか 

 経済政策については菅政権の前の安倍政権の掲げたアベノミクス「3本の矢」がいずれもしっかりと進めば良かったと思いますが、残念ながらうまくいかない点が多々ありました。3本の矢を一つずつみていきます。

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 まず第1の矢「大胆な金融政策」については、様々な意見があるでしょうが私は評価すべきと考えます。日本がデフレに苦しむ中で、2013年の総選挙で勝利した安倍政権は日銀総裁を任期途中の白川氏から黒田氏へ首を挿げ替えて大幅な金融緩和を進めました。2%程度のインフレターゲットという具体的な目標を掲げたことも評価していいと思います。結果的に株価は上がり景気は向上してきたのは疑いようのない事実です。

 次に第2の矢「機動的な財政政策」ですが、これは致命的なミスを犯したと言っていいと思います。減税を進めるべきでしたが残念ながらその逆がなされました。特に問題なのは2度の消費増税です。せっかく第1の矢が軌道に乗って景気が良くなりだした頃を狙ったように増税がなされて景気の腰を折りました。このコロナ禍でさらに追い打ちをかけられた状態であり、今後は減税にかじを取るべきと考えますが、政権の考え方は残念ながらそうではなさそうです。このあたりは選挙で少しずつ民意を示していくべきでしょう。

 最後に第3の矢「民間投資を喚起する成長戦略」ですが、これは道半ばといったところでしょうか。表向きは安倍政権も菅政権も規制緩和をすすめているように見えますし、いずれの総理自身もそういう思想をお持ちだとは思いますが、現状はわけのわからない規制は年々増えています。規制が増えて結果として新規参入が難しい状態が維持され、「不当な既得権益」が存続することになります。先にも述べましたが、時代遅れのNHK受信料制度、電波オークションのみならず、新規参入を妨げるような規制がこのまま残るようだと日本は本当に後進国へと落ちぶれてしまう危機感があります。この規制緩和についても選挙で民意を示していくべきだと思います。

消費税減税の骨子をまとめた経緯について

 これについては背景に2点あります。1つは私が繰り上げ当選をする際に、前任の参議院議員である立花孝志党首からは「国会は立法府であり、法律を作る仕事をしっかりしてほしい」と言われていたことです。そしてもう1つは、私が2019年10月に繰り上げ当選をした直後に、参議院の法制局の方々がご説明に来られ、その際に「参議院法制局は議員の先生方の立法を積極的にサポートするために早い段階から積極的に相談してほしい」と言われていたことです。

 この2点が常に頭の中にあり、その中で渡瀬裕哉氏が2020年4月にしたツイート「全国会議員の中で1人くらいは、コロナ問題が無くても、消費税減税法案、を平時から準備しているべきだと思う。」を見て、参議院法制局に相談しました。法制局の方はこちらの意図をくみ取ってくださり、すぐに骨子案を作成いただいた次第です。現状、私が参議院で減税法案を提出するというのは所属政党や会派単独では難しい状態なのですが、結果的に維新の会さんが消費税減税法案を提出し続けてくれていることは大変感謝しています。

参議院議員の任期を終えた後、再び政治家として立候補するならどこの選挙か

 私が現在参議院議員の立場を与えられていること自体が色々な幸運が奇跡的に積み重なった結果ですので、任期が終わって次の期も続けてというのは相当難しいとは思います。今後のNHK党の動き、NHK委託業者の集金人の問題がどの程度解決するか、NHKのスクランブル放送の導入が実現するか否か、など任期満了前の状況次第で次の期への挑戦する機会があるのかどうかが決まるのでしょうが、現時点では不確定要素が多すぎて何とも言えない状況です。現状はそんなところですが、参議院議員として次の期への挑戦をしたい気持ちはもちろんあります。参議院の全国比例で挑戦をして、自分の現在の仕事の評価を得票数という形で確認してみたいですね。


インタビューにご協力してくださった浜田聡参議院議員、ありがとうございました!

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