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立候補するだけで600万!?高すぎる供託金問題

前回の記事「18歳未満必見!選挙期間中でやっていいいこと・悪いこと」が予想以上の反響を頂いた。そこで、学生(私は浪人生だが)目線で知られざる選挙ルールや問題点を指摘していく特集を開始していきたいと思う。都知事選を機におかしなルールだらけの選挙についてぜひ読者の皆様と考えていきたいと思う。

この国や地域を変えたい!だからこそ選挙に立候補するぞ!との決意があろうがそう簡単にいかないのが日本の選挙制度である。どの候補者も必ず選挙に出るには「供託金」を収める必要があるのだ。もっとも高額の衆議院・参議院の比例代表選挙でなんと600万円も。この供託金制度は大問題である。

そもそも供託金とは

公職選挙に立候補する際に、候補者が届け出時に納入しなければならない一定の金額のことである。

供託金の額は、衆議院・参議院選挙(小選挙区300万、比例区600万)、首長選挙(知事300万、市長100万、町村長50万)地方議会選挙(都道府県議60万、市区議会30万、町村議会0⇒15万へ引き上げへ)

などとなっている。一定の得票数(得票率10%など)を獲得できなければ収めた供託金は全額国に没収されてしまうのだ。

なぜ導入されたのか

元々は候補者が乱立することを防ぐために導入された。さらに当選を目的としない者(売名行為など)を理由とする立候補を抑制する目的もある。

ただ、売名を目的とした立候補は違法ではないために高い供託金を払って党名や個人名の周知の為だけに立候補するものも少なからず存在するようではあるが・・・

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ちなみに「候補者の乱立」に関連してこのような小話もある。

1960年、栃木県の桑絹町(現在の小山市)では村長派と反村長派で政治的対立が発生。なぜか反村長派が大量に候補者を擁立し、村長選には最終的に202人が立候補する事態に。(当時、供託金は必要なかった。この事件があったからか2年後には村長選でも供託金制度が導入された)

海外ではどうなのか

供託金制度が存在する国は少なからずあるものの、日本ほど高額な国はない。例えば国政選挙ではイギリスなどの先進国レベルで10万~20万、韓国やシンガポールなどでも100万円弱となっている。

供託金制度改革を!

この高すぎる供託金制度は自由な政治への参画を阻んでいるとも言える。そして議員のなり手不足や政治の世界を志す若者を阻害する要因の一つではないか。さらにこの供託金制度については国会で議論されたことがほとんどないことも問題だ。

特に突出して高い国政選挙の供託金を引き下げていく方向性で検討するべきである。立候補の時点で高いハードルを作り選挙への参加者を選別することは民主国家としてあるべき姿なのか疑問に思う。

ただし、供託金導入の目的である候補者乱立の阻止を怠ってはならない。例えば一部の国で導入されている立候補時に一定の署名を集める制度などお金に頼らないやり方はいくらでもあるはずだ。

政治をいかに我々の身近なものにしていくのか。まずは選挙制度の改革から始める必要があるだろう。

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