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選挙期間中注意すべきこととは?

大きな反響を頂いた前回作【18歳未満必見】選挙期間中にやっていいこととわるいこと の続編として有権者も注意しなければならない知られざる選挙ルールについてまとめた。これらはすべて公選法に記載されている。ではさっそく見ていきたいと思う。

そもそも公職選挙法とは

国政・地方選挙における、選挙権・被選挙権や投開票の方法、選挙運動についての規定などについて詳しく定められており、全275条からなる。本法が施行された昭和25年以降、複数回にわたり改正されている。

公選法に定められたルールとは

まずは我々有権者が注意しなければならない各種ルールについてまとめた。

①18歳未満の選挙運動の禁止

137条の2 年齢満十八年未満の者は、選挙運動をすることができない。
2 何人も、年齢満十八年未満の者を使用して選挙運動をすることができない。ただし、選挙運動のための労務に使用する場合は、この限りでない。

このことはご存じの方がほとんどであるが、選挙期間(告示日から投票日前日まで)18歳未満(つまり選挙権を持たないもの)は選挙運動を行うことができない。

ただし、137条の2に記載されている通り「選挙運動のための労務」は年齢に関係なく行うことが可能だ。労務とは選挙事務所内でのお茶出しや証書貼りなどだ。ちなみにこのことは前回記事でも掲載したのでご覧いただければと思う。

②人気投票の禁止

第138条の3 何人も、選挙に関し、公職に就くべき者(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数、参議院比例代表選出議員の選挙にあつては政党その他の政治団体に係る公職に就くべき者又はその数若しくは公職に就くべき順位)を予想する人気投票の経過又は結果を公表してはならない。

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つまり、選挙期間中は当選者を予想するアンケートを取りそれを公に公開することは禁じられている。

特に注意すべきなのはTwitterなどSNSのアンケート機能。これらは投票後すぐに結果が判明してしまう事もあり、公選法138条の3に抵触する可能性が高いために選挙期間中は行ってはいけません。ちなみに今回の都知事選もネット上で少なからず見かけましたので皆さんに注意をしていただきたい。

ちなみにマスコミの行う選挙期間中の情勢調査は「人気投票」には当たらないためにこの条文には抵触しない。

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選挙運動における注意点

次は選挙運動に関連することについてを中心とした取り決めについてだ。

①落選運動について

第142条の5 選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に、ウェブサイト等を利用する方法により当選を得させないための活動に使用する文書図画を頒布する者は、その者の電子メールアドレス等が、当該文書図画に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に正しく表示されるようにしなければならない。

2 選挙の期日の公示又は告示の日からその選挙の当日までの間に、電子メールを利用する方法により当選を得させないための活動に使用する文書図画を頒布する者は、当該文書図画にその者の電子メールアドレス及び氏名又は名称を正しく表示しなければならない。

特定の候補者を落選させるために行うものが「落選運動 」。明確な規定はこれまでなかったものの、インターネット選挙運動解禁に伴う法改正時に公選法に取り入れられた。特定人物を当選させることが目的の「選挙運動」とは区別されるため、選挙期間外に「○○候補」を落選させよう!などと呼びかけるのもOKだ。

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ただし、対立候補を当選させようとの意図がある場合は選挙運動とみなされてしまうために注意が必要である。

②選挙ボランティア時における注意

(1)ビラ配り時には必ず腕章を!

164条の2 前項の規定による選挙運動に従事する者は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)の定めるところにより、一定の腕章又は第百四十一条の二第二項の規定による腕章を着けなければならない。

ビラ配りなどの選挙運動を行う際には必ず腕章をつける必要がある。これが無ければ法令上選挙運動をすることはできない。

(2)選挙カー搭乗時にも腕章が必要

141条の2 前条第一項の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に乗車又は乗船する者(公職の候補者、運転手及び船員を除く。)は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院比例代表選出議員の選挙については中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙については当該選挙に関する事務を管理する参議院合同選挙区選挙管理委員会)の定めるところにより、一定の腕章を着けなければならない

応援弁士として選挙カーに登場する際にも腕章が必要である。

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形骸化する公選法

以上の事柄に加えて公選法や各自治体の規定では細かいルールが制定されている。しかし、よほどの選挙違反(買収等)でなければ見逃されているといっても過言ではなく、そして候補者本人もすべてを把握できないほどであろう。この穴だらけの公選法を見直す時期はもう近いのではないか。

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