国民民主代表選挙・伊藤たかえ議員のスピーチに「感動した」と話題に

一騎打ちの代表選挙での争点

 12月18日、国民民主党代表選挙が行われた。今年代表選挙を行った政党の中で唯一、党員込みのフルスペックの代表選挙を行ったため、国民民主の代表選挙には多くの注目を行った。選挙は、現職の玉木雄一郎衆議院議員に対し伊藤たかえ参議院議員が挑む一騎打ちの構図となった。結果は、現職の玉木氏が勝利し、新国民民主党結成後の党運営に対し信任を得る形となった。

 一部の左派野党支持者は、玉木氏と伊藤氏の違いを野党共闘に対する姿勢に見出そうと腐心していた。しかし、実際のところ、2人とも他党との連携を考える前に、国民民主党の名前や政策を周知することによって党勢を拡大することを最優先とする姿勢であるため、野党共闘に対する姿勢に大きな違いはなかった。むしろ、代表選挙に至るまでに明らかになった違いは、子育て政策に対する違いである。

 玉木氏は、従来通りの少子化対策「コドモノミクス」を主張。その内容は、第3子に総額1000万円の給付を行うなど、少子化問題解決に特化したものである。これに対して伊藤氏は、「多子礼賛」であると批判。5歳と7歳の子どもを持つ当事者として、第1子からの手厚い支援を求めたのであった。

 従来、代表選挙や総裁選挙では、対立候補に対し強い非難が飛び交うこともあった。現に、2018(平成30)年国民民主党代表選挙でも、津村啓介候補が、玉木雄一郎候補を厳しく批判するシーンがあった。

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 これに対し、今回の代表選は、上記のような少子化対策を中心に本質的な政策の議論が行われた。また、玉木氏が、「伊藤孝恵さんにも気づかされました」と最終演説で述べた通り、負けた候補であるはずの伊藤候補が、議論を通じて玉木代表に変わる機会を提供したという点も大きな意義がある。新型コロナのため、大々的な選挙を打ち出すことはできなかったものの、今後の理想的な代表選挙の形を出すことができたのではないだろうか。

伊藤たかえ候補の演説が話題に

 代表選挙投開票日当日、最も話題になったのは、伊藤たかえ候補の演説であった。既にnoteに全文書き起こしが投稿されているため、全て読みたい人はこちらを参照していただきたい。

国民民主党代表選挙2020 候補者決意表明
https://note.com/kuro13515865/n/n9852a0e878ee

 まず、今の国民民主党について「一人一人が専門分野を持ち、行政監視機能を果たしながら、課題解決に繋がる、そういう提案を行い実現していくことが自分たちに課せられた約束であり、指標であり、価値であると信じている集団」であり、「そしてそれを党員・サポーターの皆様が愛してくださっています」と、所属議員のみならず、党員・サポーターに対しても語りかけるように述べた。

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 伊藤候補は続いて、「人と未来への投資」を力強く訴えた。長い間無策のまま放置された少子化対策や、いわゆる氷河期世代への支援。国が「責任を放棄した…その結果が現在の少子化」であると、政府の取り組みを批判した。「我々は天然資源のないこの国の、その資源を、人財、子供たちだと捉え、子供が上がれないのであれば、今目の前にいる子供、これから生まれてくる子供に一生懸命投資をする、特に貧困対策はどこの国よりも一生懸命やらなければいけません」というフレーズに、伊藤候補の少子化対策への並々ならぬ思いが伝わってくる。伊藤候補は、子育て世代の当事者として、どうにかしないといけないと考えているのだ。

 さらに、伊藤候補は、矢田わかこ参議院議員(国民民主)の取り組みを例に挙げ、「1人で言ったら愚痴だけど、2人で言ったら意見になる。3人で言ったら兆しになり、大勢で言ったらうねりになる」と声をあげることの重要性を訴えた上で、「日本中の孤独に届く政策を、そして助けての声を聞きにいく政策を、先輩同僚議員の皆さんと、そして党員サポーターの皆さんと一緒に作っていくために、このたびの代表選どうか伊藤孝恵をお育ていただきますようお願い申し上げます」などと述べ、演説を締めくくった。一年生議員とは思えないような、演説であった。

 この演説は、対立候補の玉木代表をも感動させるものであった。実際に、再選報告のツイートにも「伊藤候補の演説は素晴らしいもので私も感動」したと投稿している。

  伊藤候補は敗れはしたものの、多くの支持者・国民を感動させるものであったことは間違いないだろう。

むすび 

 さて、玉木代表が再選されたのだが、国民民主党の支持率は平均1%と依然として厳しい状況だ。分党による結党前から「茨の道」が予想されていたのだが、現状を打開するのは容易ではない。国民民主党は、玉木代表を先頭に、伊藤候補の良かった点を党の政策や方針に反映させ、打開を探るべきである。

 それでもなお、今年党員込みのフルスペックの代表選挙を実施したのは、国民民主党のみである。自民党や立憲民主党は、党員が直接投票できない代表選挙であった。日本維新の会は、今年任期の末期ではなかったとはいえ、結党以来の5年間で未だに代表選挙を実施していない。公明党や共産党は、代表選出の過程が不明である。そのような中で、党内民主主義を貫徹した意義は大きいだろう。

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