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【独自】選挙ドットコムは、「維新系」メディアなのか? 町田市長選挙での「維新候補プッシュ」が目に余る

町田市長選挙ラスト数日で突然流れた「衝撃の動画」

 町田市長選挙(20日投開票)は、選挙戦最終日を迎えている。市長の座をかけて、6候補が立候補し、保守分裂の激しい戦いとなっている。

 立候補者は、届け出順に、都民ファーストの会、公明党、連合東京が支援している現職の石阪丈一氏(無所属)、立憲民主党・共産党・れいわ新選組・社民党・「生活者ネット」推薦の新人・清原理氏(無所属)、自民党町田総支部が推薦する元都議の新人・吉原修(無所属)、無所属の新人で元防衛庁共済組合職員の宮井宏直氏、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦氏、日本維新の会が公認する元都議の新人・奥澤高広氏の6人である。

 17日、選挙情報サイト「選挙ドットコム」のyoutubeチャンネルで、選挙期間中にもかかわらず特定の候補をプッシュする「衝撃の動画」が流された。その動画が、こちらだ。

続報!町田市長選 立候補者が6人で激しい争いに!|町田市長選挙②| 第115回 選挙ドットコムちゃんねる #3

 一見すると、中立そうなタイトルであり、何も問題が無いようにも思える。実際に、真正面から特定の候補を応援しているわけではない。

 しかし、動画を注意深く見ると、以下のような問題点が浮き彫りになってくる。むしろ、中立を装っているからこその、問題なのである。

 立憲民主党のCLP問題が発覚したばかりにもかかわらず、またもやメディアの公平性を揺るがす問題である。

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「維新公認」奥澤高広候補に圧倒的割合の時間を割いていることが判明

* 石阪氏と吉原氏の保守分裂について説明した部分の秒数は、2氏の時間に折半して算出

 まず、第1の問題点としては、選挙期間中にもかかわらず、特定候補に圧倒的割合の時間を割いていることだ。

 上のグラフを見てほしい。上記の選挙ドットコムの動画では、維新公認候補に関する話題に、動画全体の半分近く、各候補に関する話題のうちでいえば過半数の時間を割いていることが、弊所の調査により判明した。選挙情勢からして、奥澤候補が他候補を圧倒しているという事情もなければ、奥澤候補は新人候補の1人に過ぎない。特に、奥澤候補を殊更に取り上げるべき事情が見当たらないにもかかわらず、奥澤候補に関する話題だけで、動画の半分も使っているのである。

 もっと均等に時間配分を行って、解説をすべきではなかったか。

 地上波の放送局であれば、放送法4条により、公正中立な放送が求められる。選挙前であれば、選挙の公正を害さないように特に公平性が求められる。「選挙ドットコムちゃんねる」は、youtubeのチャンネルではあるため、地上波ではないものの、選挙の時には公正が求められるという点では、地上波とは変わりない。また、選挙ドットコム自体も、選挙に関するデータベースを提供している以上、今回のように公正性が疑われるような事態は、サイトの信用にもかかわるだろう。

不審なほど殊更に「維新」の話題を振る乙武洋匡氏

 では次に、このように、「維新」候補に関する話題に偏った時間配分になってしまったのは、なぜか。それは、乙武洋匡氏が、殊更に維新に関する話題を、ゲストの米重克洋氏らに振り続けたからである。乙武氏は、上記動画で50秒ごろ、2分50秒ごろに、話の流れからして不自然な形でそれぞれ維新の奥澤候補に関する話題を振っている。

 それだけではない。乙武氏の発言は、維新の立場を代弁しているかのようだ。動画の後半で、同氏は、「奥澤さんが、どれだけ票を取るかよって、維新も大阪で地盤を築いてきたように、まずは首長を取って、そこからじわじわといくんだというのを東京でもやっていくのか、それとも東京では合わないとなるのかの試金石だ。」と発言した。このような発言は、維新専門で情報発信を行っているライターと、内容が酷似している。中立を装った番組に、「維新のヨイショ」を混入させているのではないか。

 どうやら、乙武氏に何らかの事情があるようだ。

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乙武氏は、町田市長選挙2ヶ月前に、維新候補者と会っていた

 そうすると、さらに疑問が湧いてくるだろう。どうして乙武氏は、維新の奥澤候補に関する話題を振り続け、維新支持者と同様の発言を行ったのだろうか。奥澤氏と乙武氏の2人が、非常に友好的な関係だったからだと、外形的にはそのように考えられる。

 昨年8月ごろ、乙武氏の記事を奥澤氏が称賛したことで、2人のやりとりの記録がある。少なくともこの頃には、交流が始まっていたといえそうだ。

 その後、昨年12月には、奥澤氏と乙武氏は直接会っており、奥澤氏は、そのことを記事にしている。

かけ橋日記day156「社会的包摂について乙武さんにお話を伺いました。」

 以下、記事を引用する

こんばんは、

おくざわ高広です。
町田から政治と社会のかけ橋になるべく暮らしています。

今日はありがたいご縁をいただき、乙武洋匡さんにお会いしてきました。

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奥澤高広氏ブログ かけ橋日記day156「社会的包摂について乙武さんにお話を伺いました。」

 ツーショットを撮っていることからも、二人の良好な関係が受け取れる。すなわち、公正だと称して行われている選挙に関する報道を、選挙の2ヶ月前に親しげに会っている人が担当しているということだ。これが、もう1つの問題点である。奥澤氏との個人的な交友関係がある以上は、乙武氏は、公平中立を称して町田市長選挙関連の番組に出演することは、控えるべきであった。

選挙ドットコムの本業に対する信頼が揺らぐ

 今回の件で選挙ドットコムに対し、公正中立なメディアではなく、「維新御用」メディアなのではないかという疑惑が生まれた。選挙ドットコムと乙武氏は、なぜ奥澤氏の解説にばかり多くの時間を使ったのか、説明をすべきである。本業である政治ポータルサイトの信頼も揺らいでしまうばかりか、ゲストの米重氏(JX通信)もあらぬ疑いをかけられてしまうだろう。

 選挙ドットコムは、政治ポータルサイトを謳っているが、政治ポータルサイトが政治的に偏っていては、日本の民主主義の公正が揺らいでしまう。いち地方自治体の首長選挙にはとどまらない、大きな問題なのだ。

関連:今更聞けない?CLP・立憲民主党問題とは?

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