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首相演説原稿を漏洩した立憲代表代行蓮舫氏と、支持者の無理筋な擁護

またも問われる立憲民主党のガバナンス

 目を疑うようなことが起こった。

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 立憲民主党の蓮舫代表代行が18日10時30分ごろ、菅義偉首相の施政方針演説の原稿の一部を、ツイッターに投稿する形で意図的に漏洩させた。施政方針演説では事前に作成した原稿を読み上げるのが一般的であるため、便宜上野党側にも提供されていたものと思われるが、事前に流出されることは想定されてはいなかった。政府与党はすぐさま抗議し、立憲民主党は謝罪に追い込まれた。しかし、蓮舫氏は、当該ツイートを削除しただけで、何らの謝罪や説明も行っていない。

 野党第一党の代表代行である蓮舫氏が、これから行われる施政方針演説の原稿を意図的に漏洩させるのは、重大な「信義則違反」であると言える。明確に禁止されていないとはいえ、未発表の政府の情報である「演説原稿」を漏洩すること自体、言語道断である。政府は今後、立憲民主党に対し、演説原稿などの便宜的な提供を中止するべきである。秘密を守れない相手に、便宜を供与する必要などないからだ。

 立憲民主党は、幹部クラスの不祥事が後を絶たない。昨年2月には、安住淳国対委員長が、新聞記事に「くず0点」「出入り禁止」などとコメントを付して貼りだすことで、報道に圧力を加えたことが批判された。昨年7月には、枝野幸男代表や多くの所属議員が、都知事選当日に宇都宮候補を連想させる「宇都宮餃子」ツイートを行い、当日運動禁止の潜脱行為であると批判されている。

 今回の事件は、改めて立憲民主党のガバナンス能力が問われるものである。

無理筋な擁護を繰り返す立憲支持者たち

 このような非常識的な事件に対し、非常識かつ無理筋な擁護を加えるのが、立憲民主党の支持者である。代表的なものをいくつか取り上げたい。

 自称ライターの平河エリ氏は、立憲民主党の事実上の御用ライターとして有名である。平河氏は、「行政府から立法府への説明は国民に対してオープンであるべきであって、議員だけが見れる仕組みというのは良くない」と、本来施政方針演説の原稿は公開されるべきであるとして蓮舫議員を擁護している。しかし、施政方針演説は数時間後には公開される予定の内容であって、わざわざ原稿を公開する必要性などはない。さらに、そのたかだか数時間国民が内容を把握することが遅れたからといって、国民に不利益はない。他方で、事前に演説の内容を国民が把握してしまえば、施政方針演説が空疎なものとなってしまう。平河氏の擁護は無理筋であると言うべきである。

 「かねてから立憲民主党に政策面での助言を行い、同党のいわば理論的支柱のような存在となっている千葉商科大学の田中信一郎准教授」と下の記事で紹介されている田中信一郎氏。その「立憲民主党の理論的支柱」とされている研究者も概ね平河氏と同じ論理で、蓮舫氏を擁護している。しかし、演説原稿を閣議決定するのは、国会という厳粛な場で発表するためであり、事前にツイッターで漏洩されるために閣議決定するのではない。田中准教授の擁護も、屁理屈に過ぎないのである。

【参考記事】新民主党は新自由主義と決別できたことが重要/田中信一郎氏(千葉商科大学准教授)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a773913cd09459b1befc446f092f968224c52907

 「演説直前配布」にしたり、事前に漏洩禁止と注意したりしなかった首相側に落ち度があると言いたいのか。言わなていないことは何をやっても良いという考えらしいが、民間では通用しない理屈である。議員の立場をもとに得た、通常公開が予定されていない事項は、漏洩してはならないというのが、議員としての職業倫理である。

 立憲民主党支持者にとっては、施政方針演説の漏洩は、「ちまちましたこと」だそうだ。

どのように対応するかが問われる

 今回の対応は、立憲民主党の政権担当能力が問われている。蓮舫議員の謝罪もなく、党からの処分や再発防止策もないままでは、与党になったときに国家機密を漏洩し国益を棄損しかねないだろう。立憲民主党がどのように対応するかを、国民は注目すべきである。

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