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2021年千代田区議補選立候補|梅田なつきさんインタビュー

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千代田区役所。区HPより。

いよいよ本日24日に告示された東京都千代田区の区長選挙・区議会議員補欠選挙。投開票は31日で、1週間の熱い戦いがついにはじまる。

区長選挙については現職の石川雅己区長の5期20年の成果が問われるとともに、都民ファースト、自民党、維新による保守系新人三つ巴の戦いとなる情勢が固まっており、急速に注目が集まっている。

選挙情報|千代田区ホームページ

一方の区議会議員補欠選挙は区長選挙に比べて注目がされていない部分もあるが、自民党公認予定の立候補予定者がいる他、地域政党から名乗りを上げる候補者も出るなど、目が離せない展開となっている。

今回の選挙に際しておとな研究所は、区議会議員補欠選挙立候補予定の方のうち、地域政党「あたらしい党」公認予定者である梅田なつきさんに、リモートでインタビューを行った。

梅田なつきさんのプロフィール

インタビュー本編に入る前に、梅田さんのプロフィールについて簡単に紹介したい。

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梅田なつきさん

1986年7月3日 東京都多摩市にて男児として生まれる。多摩永山中学校、東京都立調布北高校、中央大学法学部を卒業

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様々な職を経験したのち、4年働いた浦和のニューハーフバーを女性と結婚して寿退社。IT企業に転職し、第二子出生時に戸籍上男性としては珍しい1年間の育児休業を取得、専業育児の楽しさと厳しさを知る。

3児の父であると同時に、いわゆるLGBTsの当事者でもある。九段下在住。

2019年の参院選で、音喜多駿氏(現・参議院議員)のボランティアや勉強会に参加し、同氏が代表を務める「あたらしい党」の正規党員となる。

長年悩まされた受動喫煙問題の解決に尽力すべく市民団体職員としての副業にも勤しむ。

異色の経歴を持つ梅田さん。一体どのような政策を打ち出すのだろうか。

以下の3つを挙げている。

  • コロナ禍と受動喫煙から区民の命と健康を守る…新型コロナウイルスが依然猛威を振るっています。ICT化の促進を通じ、業務が逼迫する保健所の機能を適正化します。行政による支援策を区民の皆さんにわかりやすく発信し、お届けします。また、市民団体での活動の経験を強みとして、屋外喫煙所のあり方を見直すなど受動喫煙対策にも全力で取り組みます。
  • みえる・わかる・つながる。あたらしい千代田区政へ…昨年は、区議会に「百条委員会」が設置され、区長が刑事告発されました。ブラックボックスな区政にメスを入れ、徹底的な情報公開・発信を通じ、開かれた千代田区政をつくります。コロナ禍を踏まえ、スマートフォンやPCからも様々な行政サービスに24時間アクセスできる「区役所オンライン出張所」を提案します。
  • 子育て世代を中心に賑わいと多様性溢れるまちづくり…多胎児支援や児童館の整備などを通じ、「子育て環境ナンバーワン」の千代田区を作ります。また、他自治体との連携も視野にいれた介護施設の確保を進め「待機高齢者」問題にも取り組みます。また、東京・日本の中心としてふさわしい、賑わいと多様性のある街づくりを進めます。

それぞれの背景や、その詳細に迫った。

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インタビュー

(本インタビューは、あたらしい党党員・中田智之さんとおとな研究所が共同で実施したもので、記事の内容は一部中田さんによる質問への言及も含まれます。また、内容は便宜上添削等行った上で掲載しております。)

千代田区議会補選:「あたらしい」候補予定者、梅田なつき氏にインタビュー | アゴラ、中田智之氏

出馬や公認に至る経緯

―今回出馬を決意された理由と、千代田区政への思いをお聞かせください。

本来は2年後の選挙に出馬する予定で千代田区民の受動喫煙対策の団体を作る予定でしたが、補選が行われるということで急遽出馬を決意しました。3児の父として、またLGBT当事者として立ち上がりました。受動喫煙も含めて、現状の区政においてはまだまだ困った人が置き去りにされがちです。一人一人、一世帯一世帯が抱える問題は違うため、細かいところまで届けていきたいと考えています。

今の千代田区議会は平均年齢が高く、かつ古くからの住民の区議で構成されているという面もあります。私のような、比較的新しい住民や若い住民の声もしっかりと届けていきます。

―今回は地域政党「あたらしい党」の公認予定ということですが、同党代表の音喜多駿氏が所属されている日本維新の会の公認・推薦をお受けになる予定がない理由も含めて、背景をお聞かせください。

私が掲げている政策である受動喫煙、育児支援、LGBTなどへの取り組み方は、国政政党でも各党異なります。私はこれらを党派にこだわらず取り組みたいと考えています。

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一方、あたらしい党は大きな政党ではありません。区政委員・特別党員として党の中で意見を言っていくつもりですし、新しい視点やエビデンスベースの視点、そして生の声を聞きながら政策を作っていきます。

国政政党である維新からの公認・推薦となると、政党としてまとまって行かなければならない部分がある可能性があるため、トップダウン型になってしまうという懸念も正直なところあります。以上の理由で今回あたらしい党公認予定という形になりました。

経歴、政策

―今までのご自身の経歴をどのように区政へ応用されていくお考えでしょうか。

様々なことをしてきましたが、IT企業で働いていた経験もあります。

ITに通じている区議が少ないのではと考えています。私は数年働いただけですが、それでも区議会に入ると強い方になってしまうのです。こうした先進的な分野については、私でなくても少しでも知識がある方がいたほうがいいと考えています。

また現在、受動喫煙対策に関わる市民団体の役員もしています。受動喫煙の被害を受けている当事者の意見も全国区で聞きました。千代田区民の意見は聞いたことはありませんが、きっといらっしゃると思います。千代田区政のみならず、受動喫煙対策の動きを全国に広げていきたいと考えています。

そうした運動の際は、受動喫煙対策を進めたくないと思っている人へ意見を押し付けるだけでなく、主張を丁寧に、しっかり伝えなければならない友感じています。禁煙関係の市民団体で働いた経験がある議員は多くはないと思うので、有効な対策を行っていきたいと考えています。

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―出馬表明の直後、「エンターテイメント表現の自由の会(AFEE)」が提唱している「表現の自由を守るための約束」に賛同されることも表明されました。表現の自由に関するご自身のお考えや政策案などをお聞かせください。

私は幼い頃からゲーマーで、自分でゲームをつくろうと思ったこともあるほどです。また私の妻はイラストレーターで、条例によっては規制されそうなものも取り扱っています。そのような背景から関心は非常に高いです。また千代田区は秋葉原エリアを抱えており、今後このエリアやその文化が規制されるようなことはあってはいけません。他の地方議会では、表現や文化の規制が強まる条例が通過した例もあります。千代田区にこの「約束」を守る宣言する区議はいないため、今回手を挙げさせていただきました。言論の自由も含め、表現の自由を守っていくつもりです。

―新型コロナウイルス感染症対策として、どのような政策を考えていらっしゃいますか。

党の方針と異なってしまうかもしれません。私は現状のコロナ対策は2つに完全に分かれてしまっていると考えています。感染症対策、経済対策の双方が必要です。

まず感染症対策については、エビデンスベースで効果の高い、また効率の良い対策を実施します。

これは経済政策についても同様で、どうすれば効果があるのか考えて政策を打ち出す必要があります。石川区長が行った1人12万円給付の政策には反対です。国が行った10万円の給付は必要でしたが、12万円は必要だったのか疑問がのこります。バラマキではなく、「必要なところに必要な政策」といったきめ細やかな施策を講じるべきです。

―規制緩和や減税といった、あたらしい党代表の音喜多氏も提唱している政策についてはなにかお考えはありますか。

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今の所、そういった分野での政策は特にありません。

私が掲げている政策は人権や社会政策が主なものです。ただし、そうした政策にはもちろん賛成です。

必要な規制は行うが、必要のない規制は反対です。例えば東京都の条例で決まっている「駐車場付帯義務」や自動車の高さ制限など、身近な部分でも不要だと思う政策はたくさんあります。行政にインセンティブを与えていくという意味で、規制緩和は行っていくべきです。

―3児の父として、子育て政策についてのお考えをお聞かせください。

正直言って、千代田区は他の区に比べて子育て支援政策が進んでいます。

とは言っても、細かな問題は残っています。千代田区は財政上、一家庭一家庭に踏み込んでいく段階に入っていくことができるのです。現状に甘んじるのではなく、他の自治体の模範になるべく先進的な政策を取り入れるべきだと考えます。

待機児童対策について言えば、豊島区についで2番目の少なさだと思います。しかし、私の場合3人いるこどものうち、1人だけ違う保育園になってしまいました。こうした問題は、力技で保育園を立てまくる政策では解決できません。ハード面だけでなく、ソフト面での制度改革を行うべきだと考えます。

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―最後に一言お願いします。

急遽実施が決まった選挙に挑戦を決めてしまったため、党事務局や特別党員に迷惑をかけてしまっています。千代田区やあたらしい党だけでなく、変化を望む一人ひとりの力を合わせて頑張り抜きたいです。

終わりに

東京のど真ん中、千代田区の区議会議員補欠選挙。ここは果たして日本全体に改革を広げる台風の目となるのだろうか。引き続き注目だ。

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