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都議補選・北区 佐藤ことさん(維新・あたらしい党) インタビュー

 6月26日から、都議補選(令和2年7月5日投開票)の選挙期間に入る。今回は、北区選挙区から立候補予定の佐藤ことさん(維新・あたらしい党公認)にインタビューを行った。


―まず初めに、出馬を決意した動機を教えてください。
「私はもともと音喜多さん(参議院議員・あたらしい党代表)のブログの読者でした。その後、北区に引っ越して、音喜多さんの国政報告会に参加するようになりました。当時は、政治に興味はありましたが、政策などは詳しくありませんでした。音喜多さんがわかりやすく政治を伝えてくれたことに、すごく共感していました。音喜多さんが都議を辞めたことで、(あたらしい党では)都議に誰もいなくなり、東京都の情報が入らなくなり、何が起きているのかわかりにくくなりました。北区で音喜多さんが浮動票を積み上げてきて、せっかく良い流れになっているのに、それを止めるのは勿体ないと思いました。『私がやりたい』と公募に応募しました。」

―都政について、最も重視する政策は?
「ひとつは、障害をもった子どもへの教育や、LGBTの権利拡大など、マイノリティ向けの政策をやっていきたいと思います。当事者の意見をしっかりと議会に伝えられている議員さんが少ないので、そこを私の専門領域としてやっていきたいです。
 もうひとつは、情報公開です。音喜多さんが6年間都議として情報公開をずっとやってきました。都民ファーストの会も都議会のブラックボックスをなくすんだと言って始まった。それなのに、東京都のロードマップを見ても数値が公開されない、7つの基準が公開されても総合考慮になっていてわかりにくい。今政府も公文書を勝手に改ざんしたり、議事録を作成しなかったりする。情報公開については、知事にしっかり訴えて行けるようになりたいと思います。」

―佐藤さんは、今回の選挙に、「日本維新の会」と「あたらしい党」のダブル公認で出馬する予定だと思います。ダブル公認と、公認と推薦の組み合わせでは、具体的にどのような違いがありますか?
「そもそも私はあたらしい党のチャーターメンバーです。音喜多さんも、維新と新しい党の二重党籍を持っています。「準国政選挙」とも呼ばれる都議選は、国政政党である維新で戦わないと難しいと言われましたが、一方で、北区はあたらしい党のホームグラウンドです。選挙区事情も鑑み、ダブル公認となりました。ただし、法的には、維新の公認になります。」

―「日本維新の会」には、マッチョなイメージを持っている有権者が多いと思います。これに対して、佐藤さんは、マイノリティの人権保障、多様性と言った点に興味を持っています。「日本維新の会」の方向性と齟齬はないのでしょうか?
「維新はほんとに自由だと思うことが多く、私のようにあたらしい党側から人が来ても、受け入れてくれる。維新の掲げる自由で選択肢の多い社会と言うのは、マイノリティの人権問題・障害者の雇用問題・子育て世代の課題なども含まれていますので、私の持つ問題意識と党のマニフェストに齟齬はないと思います。一方、維新は議員の中でウイングが広いので、議論する中ですり合わせて行きたいです。
 私も、当初は維新にマッチョなイメージを持っていたのですが、(維新が与党の)大阪でも、同性パートナーシップ条例などが実現している。政策面では意外と私と近く、当初の認識は誤解していた面もあったとは思います。」

―「コロナ対応」で吉村大阪府知事の露出が増え、全国的にも維新の会への注目が集まっていると思います。東京でも、維新への期待の高まりを感じることはありませんか?
「感じます。今までは、駅頭でも『音喜多さんを応援しているよ』という声がほとんどでした。従来の支持率は、情勢調査でも1.5%位でした。今では、『吉村さん、がんばってるね』『維新の会、期待しているよ』という声もいただくようになり、新しい層を掘り起こすことができていると思います。
 その一方、『吉村さんは維新の人だったのか』という声もいただく。東京では、吉村さんと維新がイコールになりきれてないので、そこは課題だと思います。」

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―補欠選挙は、少数政党である維新の会にとって、決してやさしい戦いではないとは思います。自民党、立憲、都民ファーストの候補者との違いを、どのように有権者に訴えたいとお考えですか?
「維新は実行力がアピールポイントです。東京ではまだイメージはないかもしれないが、大阪には確かな実績があります。
 都民ファーストさんは政策的には近いとは思います。しかし、都議会でオール与党体制の中、有権者の目から見てほとんど変化を感じられないのは残念です。
 私たち維新が、本気で改革していくのだということを、伝えたいです。
 今回の選挙は、4人全員女性ですので、差別化が難しいところはあります。しかし、だからこそ政策で選んでもらいたいです。誰が勝っても女性議員が増えること自体は、良いことだと思います。」

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―今回、北区の選挙区では最も若い候補だと思います。若者向けの政策として特にアピールしたいことがあれば教えてください。
「維新は、大学無償化を掲げています。都政では、都立大学の無償化に取り組みたい。私の通っていたアイルランドの大学は、自国民には無償化されていた。
 また、学びたいときに学べるという選択肢も重要だと思います。アイルランドなど海外の大学では、もっと年齢層に幅があります。学びたいときに学べるようにするためにも、無償化は必要だと思います。」

―国の就学支援新制度では、2浪までしか対象にならないのですが、「いつでも学べるように」という観点から、どのように考えていますか?
「何歳でも学べる制度にしないといけない。年齢で区切るのはおかしいことだと思います。別に学びたくない人でも、18歳になったら大学に行かなければならないというプレッシャーが強い。そこは政策の面でやっていきたい。
 私の大学では、年齢の高い人の方がやる気がありました。20代後半の人から、60、70歳のおばあさん、おじいさんまでいて、そのように年齢の高い人の方がやる気が高く、刺激をうけました。」

―9月入学については、賛成ですか?
「賛成です。学習が遅れている、学習機会が奪われている人がたくさんいる中で、3月までに帳尻を合わせることは不可能だと思います。しばらくは、4月入学を認めつつ、9月入学を認めるという方法で、徐々に移行していけないかと考えています。現状だと、行くときともどるときに半年ずつ遅れるため、海外の大学への留学が選択肢から外れてしまう。この機会に検討を進めてほしいと思います。」

―小池都政についての評価をひとことお願いします。
「この4年間で、小池都政が何を大きく変えたのか、一般の都民として実感できないです。オール与党体制で、支持率も高く、予算も潤沢の中で、もっとやってほしい。大阪では、財政も厳しい状況で、借金も返しながら、あれだけの改革ができています。どうして東京ではできないのかと思います。
 確かに、小池都政は特に不可というべき部分はなく、可もなく不可もなく、だと思います。でも私は、東京はもっと良くなれると思います。」

―小池都知事のコロナ対策についての評価は?
「政府よりも財政出動をしっかりと行ったことは、評価すべきポイントだと考えます。ただ一方で、小池さんが何かやったから、感染者が抑えられたとは言い難いです。医療体制についての情報公開も不十分だったと思います。」

―これにて、インタビューを終わらせていただきます。ありがとうございました。


 都議補選の北区の立候補者の中でも、少数派の人権政策を重視した候補だ。LGBT向けの政策や教育政策に、特に熱意が感じられた。また、同選挙区の4人の候補の中で最も若い候補である。若者向けの政策やマイノリティ向けの政策の実現に貢献してくれそうだ。

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※アイキャッチ画像は、佐藤ことさんツイッターアカウント(https://twitter.com/_satokoto)より引用

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