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【兵庫県知事選】自民・維新推薦の斎藤元彦氏が初当選 勝因は & 関西における維新の影響力はどうなるのか

斎藤氏が他の候補に大きく差をつけ勝利

任期満了に伴う兵庫県知事選が昨日行われ、即日開票作業が行われた。知事選の結果、自民党と日本維新の会が推薦する斎藤元彦氏(元大阪府財政課長)が初当選を果たした。自民党の県議団の一部と立憲民主党や国民民主党、現職の井戸知事などが支援した金沢氏、共産党の推薦を受けた金田氏、元加西市長の中川暢三氏、参院選などに出馬歴がある服部氏の4人は遠く及ばなかった。4期20年勤めた井戸知事が不出馬を表明、20年ぶりの新人どうしの争いとなり、全国的に注目を浴びた。選挙結果は以下の通り。

斎藤氏の勝因と主要政党支持層の動きは

NHKなど各社が行った出口調査によると、斎藤氏は自民党支持層の約半数と日本維新の会支持層の7割半ば程度、無党派層の4割強から支持を集めたことが大きな勝因となった。兵庫県内の政党支持率では、自民党が32%、日本維新の会が16%。また、無党派層も全体の3割程度を占め、その半数からも支持を受けた。また、井戸県政の継承か刷新かを聞いた調査では、井戸県政を継承すべきと答えた人は全体の2割強に留まり、刷新を求める声は7割にも上った。井戸県政からの刷新を求める層からも斎藤氏は広く支持を集めることに成功した。

また、開票ブロック別の地域毎に候補者の得票数を分析すると、斎藤氏は大票田となる神戸市で金沢氏などを大きく引き離した他、日本維新の会が影響力の強い阪神間などの地域(西宮市、芦屋市、尼崎市など)で得票率50%前後を獲得するなどした。

一方、自民党の一部県議会議員や立憲民主党などから推薦を受けた金沢氏は手厚い組織戦を展開しつつ井戸知事からの支援を受けたものの、自民党支持層の3割強、立憲民主支持層の半数程度からの支持に留まり、広がりに欠けた模様だ。

共産推薦の金田氏は供託金没収点の得票率10%を約0.1ポイント差で回避、元加西市長の中川氏はお膝元で得票率約2割を獲得するなど健闘したが、得票は14万票止まりだった。津々浦々の選挙戦に登場する中川氏であるが、この知事選が最後の選挙であるという。NHKから国民を守る党などから出馬歴がある服部氏も伸び悩んだ。

関西で大阪に次ぐ維新系首長の誕生 維新の影響力は拡大するのか

今回注目すべきことは、日本維新の会系の首長が大阪以外で初めて誕生したことである。(とは言っても、自民党と共同推薦という形ではあったが)県知事選中、維新の松井一郎代表と、副代表の吉村洋文大阪府知事が複数回兵庫入りすると共に、当所属のメンバーが斎藤氏の支援連日呼びかけ、党として「総力戦」で挑んだ格好が功をなした。

もちろん、維新単独推薦では斎藤氏は勝利することは厳しかったことに加え自民党本部の推薦等が大きく作用したことは当然ではあるものの、今回の知事選の出口調査等を分析すると4年前と比較し維新の支持率は10%も上昇していたことに加えて、兵庫県内の尼崎市議選や宝塚市長選・県議補選などの結果を見る限りは維新の兵庫県内での集票力と影響というものは徐々に拡大しつつあることを伺える。

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また、関西地方では維新の会が反自民の受け皿になりつつあることが現状だ。菅政権の支持率が過去最低を記録するなど政府与党に危機感が強まる中、無党派層や消極的自民支持層が維新に投票するという動きが関西では強まるだろう。(実際、菅政権や自民党への支持が弱まると同時に、各世論調査の次期衆院選比例投票先では日本維新の会のポイントは上昇している)これからの維新の動向に注目だ。

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