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自民 岸田氏が新総裁へ これからの日本はどのような道を進んでいくのか

自民党は29日、菅総裁の任期満了に伴う総裁選挙を実施した。

この選挙には、河野太郎行政改革相(58)、岸田文雄自民党前政調会長(64)、高市早苗元総務相(60)、野田聖子自民党幹事長代行(61)の4名が立候補し、国会議員票382票、党員票382票の計764票で争われた。

まず、第1回投票の結果、岸田氏が1位、河野氏が1票差で2位につけた。両者による決選投票が行われ、国会議員票382票、党員票47票で争った結果、岸田氏が自民党新総裁として選出されるに至った。

今回は、次の総理大臣となる岸田氏の経歴、人柄を振り返るとともに、岸田氏の思いから日本がどうなっていくのか考えていきたい。

岸田氏の経歴

岸田氏は64歳。広島1区を地盤とし、現在は自民党内派閥である「宏池会(岸田派)」の会長を務めている。

1993年の第40回衆議院議員選挙で初当選し、現在9期目。自民党が下野していた2011年に自民党国会対策委員長に就任し、与党民主党との交渉を担った。自民党が与党に復活した2012年には外務大臣として入閣し、5年近く務めた。外相在職期間は戦後2位の1682日間となる。

外相退任後は長らく希望していた自民党政務調査会長に。政務調査会長は、党三役(幹事長・総務会長・政務調査会長)に数えられる重要な役職であり、かつ実質的に与党の政策を決定する役職である。その後、2020年の安倍首相(当時)退陣に伴って行われた総裁選挙に立候補。しかし、安倍首相などの支援を受けていた菅義偉官房長官(当時)に敗れ、次点となった。

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今回の総裁選では「声をかたちに。信頼ある政治」を掲げ、他3氏と争った。世論は河野支持の声が大きく、当初は劣勢とみられていたが、議員票を着実に固め、決選投票では高市氏支持の票も集めたことから、当選を果たすことができた。

岸田氏の任期は2024年10月までとなる。

岸田氏の思い

岸田氏は、総裁選挙に立候補するにあたり、以下のような思いを表明した。

自民党改革

自民党改革として、党役員に中堅や若手を多く起用し新陳代謝を図るとし、総裁を除く党役員の任期を「1期1年・連続3期まで」とすると表明した。

長期にわたって自民党幹事長を務めてきた二階俊博氏を念頭においたものと思われる。岸田氏は、今回の役員改選で二階氏を幹事長から外し、甘利明元経済再生相を新幹事長に起用する方針を示した。党内の世代交代は順調に進んでいる状況である。

国民の声を聞く政治

総裁選挙にあたり国民の声をインターネット上で聞く「岸田BOX」を開設。「声をかたちに」と掲げた岸田氏の最重要ともいえる取り組みである。

森友・加計問題などにも説明責任があると考えており、国民に対して積極的に情報公開も行っていく見通しだ。

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個性と多様性を尊重する社会

すべての人々が生きがいを感じられる社会にすることを目指す。選択的夫婦別姓制度、同性婚制度など、現代の社会を取り巻いている問題にも、国民の多様性を尊重し、真摯に取り組んでいく方針だ。

みんなで助け合う社会

デジタル化が進む中だからこそ、人々の絆・温もりが感じられる社会を目指す。自助の精神も大事と説く一方で、社会保障などの公助も充実させていく必要があるとの思いだ。

おわりに

岸田文雄氏が自民党新総裁に就任し、新たな首相となる見通しだ。岸田氏は安倍ー菅ラインから大きな路線変更はしないとみられるものの、新自由主義からの転換を掲げた「新しい日本型資本主義」を掲げるなど、今後の動きに注目が集まる。

ただ、岸田氏は就任早々解散総選挙を実施しなければならない。この選挙で自民党が政権を継続することはできるのか。話はそこからだろう。理にかなった政策を提示し、国民の理解を求めていく必要がある。

参考資料

岸田文雄 総裁選特設サイト

自民党新総裁に岸田氏 決選投票で河野氏に勝利|NHKニュース

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