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大学入試 関東圏で穴場の国公立大学は?

 夏は、受験の天王山と言われる。この夏を経て、多くの受験生のみなさんが志望校を決定するだろう。学費や授業料減免制度、ネームバリューなどの点から、国公立大学になんとしても行きたいと願う受験生も一定数いると考えられる。その一方で、多くの国公立大学は5教科すべてを試験で課される上、記述中心の二次試験で合否が決まるなど、壁は高い。そこで、私自身は国公立至上主義者ではないが、さまざまな事情から国公立大学に行きたいと願う受験生の為に、「穴場の国公立大学」特集を行う。

 ここでは、関東圏の国公立大学のうち、①二次試験を課さない大学、②合格ラインとなるセンター試験・共通テスト得点率が比較的低い大学、③科目数が少ない大学を紹介したい。あくまで、該当する大学を批判する趣旨ではなく、多様な選抜方法があり、自分に合った選抜方法の大学を受験することも受験戦略の1つだということをお伝えする趣旨である。みなさんには、自分に合った選抜方法の大学を受験することで、なるべく少ない労力で合格を勝ち取ってほしい。

 なお、各大学により新たに変更などがなされる可能性がある。正確かつ最新の情報は、各大学のホームページより取得してほしい。

二次試験を実施しない横浜国立大学

 なんと、今年の入試に限って二次試験を実施しない大学がある。関東圏にあり、有名大学としても挙げられる横浜国立大学だ。横浜国立大学は、本来であれば二次試験を実施して、センター試験・共通テストと合算して合否判定をする方針であった。しかし、コロナ下において、二次試験を実施するリスクを考慮して、令和3年度入試に限り、二次試験を実施しない方針を取るようだ。

 もし、二次試験対策が間に合わなかったものの、幸運にも共通テストで高得点を叩き出せた場合、横浜国立大学の入試にかけるのも手である。学部によっては、共通テストのみで合否判定をする学部もあるが、他の提出物(レポートなど)との総合考慮で判定する学部もあるようだ。自分の通いたい学部がどのような選抜方法を取っているか、一度確認してほしい。

こんなにある!共通テスト試験得点率が低い大学!

 関東圏の国公立大学と言えば、東京大学・一橋大学・東京工業大学・東京医科歯科大学に代表されるように、難関大学というイメージがあるだろう。このような大学は、共通テストで第一次選抜を行うため、共通テスト得点率の低い受験生は、二次試験を受ける前に不合格通知を受ける可能性がある。しかし、共通テストの得点率が低くても、そこで諦めてはならない。共通テスト得点率が低くても、合格可能性がある大学は、関東にもかなりある。

 代表的な大学をいくつか列挙したい(以下出典はパスナビ公式ホームページより)。

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 なお、音楽科など二次試験で実技試験を必要とする学科は、センター試験得点率が低く出ることが当然に予想されるので、ここでは取り上げない。

1 茨城大学

 まず、農学部地域学科地域共生コースは、共通テスト得点率53%で足りる(河合塾偏差値も50.0)。関東圏の農学部のなかでは、共通テストの得点が割と要求されない学部ではないか。

 次に、文系では、教育学部教育科学実践専修が60%で足りる。

 共通テストで万一失敗しても、挽回のチャンスのある学科がかなりある。

2 埼玉大学

 東京からもかなり近い大学である。したがって、共通テストの得点率で言えば7割超が要求される学部・学科もある。そのような中でも、6割台前半の得点率で十分ボーダーに乗る学部学科もある。

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 文系で言えば、経済学部・教育学部である。経済学部は、共通テスト得点率66%でボーダーに乗ることが可能である。教育学部は、学科によって異なるものの、小学校の学科・専修は軒並み64%がボーダーである。

 理系は、教育学部中学理科専修が、63%で足りる。なお、偏差値も52.5と高くはなく、十分狙いやすい。また、理学部物理学科も同様に63%となっている。

 共通テストさえ乗り切れば、その後の努力にかけることも可能である。共通テストを超えた後の偏差値もそこまで高くはないので、諦めるのはまだ早い。

3 宇都宮大学

 宇都宮大学も、教育学部、工学部に、共通テスト54%~55%でボーダーを超えられる学科が連なる。東京から新幹線で、1時間程度で着く宇都宮市内にある大学である。検討に値するのではないだろうか。

課される科目数が少ない大学は?

 共通テストで5教科7科目を課される場合が多く、国公立大学は敬遠される傾向にある。しかし、以下の大学は共通テストで課される科目が少ない。例えば、埼玉大学経済学部国際プログラム学科前期日程は、共通テストが国語・外国語・地歴公民の3科目で受験することができる。二次試験でも外国語と小論文のみで受験できるため、数学・理科に苦手を抱える受験生に対して、強くおすすめしたい。また、お茶の水女子大学文教育学部人文科学学科後期日程も、共通テスト3科目で受験可能である。

 また、多くの大学が、二次試験では2科目しか課さない。例えば、東京都立大学(前首都大学東京)は、二次試験で英語を課すのを今年からやめることから、ほとんどの学部で2科目入試となっている。文系で数学が苦手であっても、共通テストだけであれば、どうにかなるという人も多いだろう。英語も数学も苦手な場合、3科目入試の私立よりも合格可能性が高くなる場合も十分にある。

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