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【編集部記事】ひろゆきさんと語る、乙武洋匡さんの「あきらめない」〜政策発表会取材記録〜

おとな研究所は、参院選に東京選挙区から出馬された乙武洋匡さんの政策発表会を取材しました。ここでは、ゲストとして「2ちゃんねる」の創業者であるひろゆき(西村博之)さんを交えて行われました。

まずは、立候補決意の理由について、乙武さんの想いをそのまま紹介します。

立候補決意の理由

乙武さん:立候補決意の背景と言うことで、3時間くらいいただいても大丈夫ですか?(笑)

まとめてお話しすると、僕はスタートラインを揃えたいなという思いが凄く強いんですね。いろいろな境遇の人がいる中で、「この人はこのカテゴリーを生まれたから凄く有利だよね」、「この人はとても不利だよね」という社会になっているなと思います。

もう少し具体的に言うと、お金持ちの子どもに生まれた人もいる。誰もが羨むような容姿に生まれた人もいる。こういう身体に生まれた人もいる。同性愛者に生まれた人もいる。そして、経済的に厳しい環境で生まれた人もいるというように境遇って自分で選べません。

それに、人生の途中でアクシデントが起こってどんな境遇になるかわからない。そういう不慮のことで、自分が決めたことではないことで凄く有利な人と、凄く不利な人が出てくるのはやっぱりおかしいなと思います。どんな境遇の人でも、途中でどんな不慮なアクシデントがあっても、みんなが色んなチャンスを与えられる、誰もがチャレンジしていける、そういう社会にしていきたいなとずっと思ってきたんです。

それは、五体不満足という本を出してから、一貫して同じ思いで活動してきました。世の中を変えたいと思ったときに、僕は3つの大事なことがあると思っています。

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1つは、人々の意思を変えること。もう1つは、テクノロジーを駆使して、便利にしていくこと。そして3つ目は、法律を含めた仕組みを変えていくこと。

僕は22歳の時に五体不満足という本を出して以来、一貫してメッセージを伝えるという活動を通して人々の意識を変えるということについて活動してきたつもりです。そして、この4年間は義足プロジェクトというものを通じて、テクノロジーで世の中が便利になる可能性があるんだということに力を尽くしてきたつもりです。そして、これからの人生の後半戦は法律を作る、法律を変える、予算を付ける、こういった世の中の仕組みづくりを通して誰もが生きやすい、あきらめなくて済む、そういった社会をつくっていきたいということで、今回は立候補を決意させていただきました。

政治って「ああ、あなたそっち側行っちゃったのね」と敬遠されることが多いんだけど、僕はやっぱりその感覚どうなのかなと思っていて、そっち側も何も、僕らが生きている社会のルールを決める、僕らが収めてきた税金の使い道を決めるって、あっち側の話じゃなくて、こっち側の話じゃないですか。誰もが本来関わっている、関わらなきゃいけない話だと思います。

そういう意味で、多くの皆さんに知っていただいている。そして僕の発信を多くの方に見ていただいている。そんな私が政治にチャレンジすることがまさに政治を身近に感じ、関心を持ってもらい、何がいま問題で、何が変わっていないのか、そういったことも知ってもらえるんじゃないのかなというふうに思っています。これ以上言うとめちゃくちゃ長くなりそうなので、立候補決意の話はこのあたりで止めさせていただきたいと思います。

事務所について

政策発表会では、事務所が渋谷のセンター街に開設されることが発表されました。そこでは、さまざまな仕掛けがあるそうです。

乙武さん:今日はここに笹を用意していただいています。今日は書かないですけども、22日以降に事務所に来ていただくと、短冊と笹が用意されています。そこにみなさんの願いを書いて、そして笹に掛けていただくということをぜひやっていきたいなと思っていますので、22日以降ぜひ事務所の方に来ていただけたらと思っています。

先ほど、なんとひろゆきさんにも短冊を書いていただきました!(拍手)

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ひろゆきさん:短冊を書いただけでこんなに拍手がもらえるんですね、僕も文字くらいは書けますよ(笑)

めちゃくちゃ字が汚くて読めない可能性があるので、興味のある方は渋谷に来てみてください。

乙武さん:みなさん、どんな願いをかいてくれたのか、ぜひ事務所の方にも来て見てください。

政策の5本柱

「育てる」をあきらめない

「育てる」とは、教育と子育てを両方表した言葉で、教育政策や教育予算の拡充によってあらゆる問題を解決すると主張しています。兵庫県の明石市の、色々な予算を削って子育て予算・政策に回し、税収や人口が増えたことを例に、その取り組みを国が率先して行うべきとしています。そのために、今の税収で可能な範囲で、15歳までの子どもに、所得制限なしの月5万円の「こどもベーシックインカム」を導入します。

「福祉」をあきらめない

福祉における所得制限を撤廃するべきと主張しています。そして、障がい者や介護が必要な高齢者のいる家庭が、仕事やプライベートをあきらめないために、地域で支援をしていく「地域包括ケア」という仕組みを作ります。また、手話をニュージーランドや韓国のように公用語に制定し、その都度に重要な情報を聞き漏らす人や、アクセスができない人を減らすとしています。

「経済」をあきらめない

即効性のある経済政策は少なく、あるといっても副作用が強いものが多いので、体質改善を図って経済をじわじわと立て直していきます。そのためには、子育て・教育に力を入れ、人口減の改善をし、税収の増加を実現することで経済を立て直すべきと主張しています。また、働けない人や、働いて大変な思いをしている人が、労働市場に有利不利が生じず参加できる仕組みを構築します。

「東京」をあきらめない

海外ルーツを持つ方が多い東京で、多文化共生を目指します。そして防災分野では、障がい者や子ども連れ、ペットを飼っている災害弱者がきちんと避難ができる防災システムを構築します。また、電車の時間変動制を採用し、フレックスタイム制やリモートの働き方を促進し、障がい者やベビーカーユーザーも電車を気軽に利用できるようにします。

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「多様性」をあきらめない

乙武さんが最も力を入れたい柱で、同性婚や選択的夫婦別姓といった、今まで語られつつも実現していない問題を解消します。また、被選挙権年齢と供託金の引き下げを実現します。そうすることで、議会により幅広い年齢の人が送り込まれ、多様性を実現することができると主張しています。

3つの行動公約

乙武さんは、政策だけでなく行動面での公約も発表しています。

誰よりも当事者の話を聞き、政策に生かします!

障がい者向けサービスでも、当事者の声を拾わずにつくったことで、実は使いにくかったということがしばしばあります。そのため、政策を作っていくときには、さまざまな特性のある当事者や特性のある方の声をしっかり聞いていきます。

発信に力を入れ、政治の世界をわかりやすく伝えます!

Twitterのフォロワー数85万人、YouTubeの登録者数7万人という発信力と、これまで20年間かけて培ってきた物事をわかりやすく伝える力で、政治というものをわかりやすく伝えます。

無所属議員として、あらゆる政治家と連携します!

これまでの活動を通じて得た与野党議員との交友と、無所属という縛られない立場を利用して、保守からリベラルの幅広い超党派の枠組みで政策を前に進めます。

みなさんの「あきらめない」を大募集

乙武さんとひろゆきさん

乙武洋匡氏のHPでは、「キャンペーン」のページから、みなさんの「あきらめない」を募集することが発表されました。

司会:ここで、みなさんでやってみましょう。ひろゆきさんもぜひ。

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ひろゆきさん:下ネタ書いたらはじかれちゃった…(笑)

乙武さん:みなさんもぜひお願いします。ちなみに今ひろゆきさんが参加してくださったんですけど、下ネタを書き込んだら「それは投稿できません」というアラートが出たそうです(笑)

うちのスタッフはなかなか優秀ですね、ちゃんとひろゆき対策ができています(笑)

司会:最後にお二人から一言ずつお願いします。

ひろゆきさん:単純におもしろかったです(笑)

みなさんは乙武さんの当選を祈っていると思うんですけど、たぶん今回かなり難しいと言われていて、落ちたとしてもあきらめないと言っているので、また次回とかに挑戦すると思うんですよ。

受かりそうな人を応援している人って記憶されないんですよ。受かりそうな人ってどっと人が寄ってくるじゃないですか。でも、落ちていく人でいつか受かる人を応援している人は少ないので、今のうちに応援していると後で良く扱われると思います(笑)

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乙武さん:はい。というわけで、引き続き受からない認定をされておりますが(笑)、真剣に受かるつもりで戦っていきますので、残りの期間よろしくお願いします!

記者からの質問&アフタートーク

ひろゆきさん:ここにいる方にお金払っているんですか?

乙武さん:払ってないよ。全員ボランティア。

ひろゆきさん:そうなんですね!けっこう人気があるんですね!(笑)

乙武さん:この前も「乙武さんに寄付したお金がひろゆきさんの渡航費に使われるんですか?」という質問をいただいたんですけど、2人がかりで否定しました(笑)自腹で来てくださっています。

記者:ひろゆきさんは乙武さんと何年来の友人なんですか?

ひろゆきさん:乙武さんとリアルで会うのは3回目です。

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乙武さん:Abema Primeで僕がMCをやっていた時にゲストに来てくださったのが1回目で、次は3月にうちに飲みに来てくれたのが2回目、昨日が3回目です。

記者:では、2、3年来ということですか?

乙武さん:Abema Primeの時もご挨拶した程度だから、リアルで仲良くなったのはこの3か月ぐらいです。

ひろゆきさん:リモートでもともとやり取りはしていたので、そういう意味ではネット友達的な感覚です。

記者:参院選にあたって、公示日以降どの層に、どのように訴えていくのか戦略を教えてください。

乙武さん:実は、私たちの陣営でも調査を掛けてみたんですけれども、私と誰かで迷っているという方が非常に多いみたいです。それがバラバラで、いわゆる自民党系の方と迷っている方とか、立憲系の方と迷っている方もいらっしゃいました。なので、戦略はあきらめました(笑)

記者:戦略が無い中で、こういうふうにやっていこうというのはありますか?

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乙武さん:そうですね。やっぱり若い方々は特に無党派層が多いと思うんですけど、きょう見ていただいても分かるように、若い方々を中心に支持をしていただいているなというのは実感をしています。

街頭でも高校生の方とかが質問をしてくれたりするんですね。実際彼らに選挙権がある年齢なのかは分かりませんが、若い層に興味を持っていただいているなというのは街頭でも感じていますので、引き続きそうした方々にもメッセージをしっかりと伝え続けていきたいなと思います。