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【共通テスト】第二日程選択者は僅か789人…

今月15日、大学入試共通テスト(来年1月実施)の出願者数が発表された。今年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴い現役生を対象として学習の遅れをカバーするために「第二日程」を選択する事も可能となった。しかし大学入試センターによると、この第二日程を選択した生徒は僅か0.1%の789人であった。

ハイリスクな「第二日程選択」

今年7月に行った現役生の動向調査では、約3万人が第二日程を希望。文科省は最大10万人が第二日程を選択し受験できるように体制を整える考えを示していたのにも関わらずこの結果である。

「受験生(浪人生だが)」ライターである私から受験生心理を読み解くと、この第二日程選択は高いリスクを伴い、多くの現役生から敬遠された可能性が極めて高い。主な理由としては、①第二回日程(従来の追試験用に作成されたものを転用)は試験問題が第一回日程と比較し難化する可能性がある ②国公立2次試験や私立大学入試に向けた十分な勉強時間確保が難しくなる 等が挙げられる。

①については昨年度まで行われていたセンター試験で言われていた事であり、通常日程よりも追試は難易度が高いと言われている。(というよりは、私個人の感覚では癖のある問題が多いだけなのではと思う…)

※ただし公式には「本試験と同等の難易度で作成されている」とのアナウンスがされている。

また、仮にこの第二日程を選択した現役生が当日事件事故もしくはインフルや新型コロナ感染等により試験が受けられなかった場合は2月13日・14日に行われる「特例追試験」の受験が可能となる。しかしこの試験がまた曲者であるのだ。

大学入試センターによると、特例追試験は「英語は発音アクセント問題あり、数学IAは60分試験」「共通テスト問題作成方針によらない」などと従来のセンター試験と全く同じ形式である可能性が十分高い。

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②については、共通テスト第二日程は1月30日・31日に行われる(第一日程の2週間後)為に、2月上旬前後より開始される私立大学入試や下旬の国公立入試対策へ割く時間が失われるリスクが生じてしまう。また、仮にこの第二日程の受験が不可能であった場合は特例追試験(2月中旬実施)を受験する必要が生じる為にさらなる負担を受験生が強いられる可能性が高い。

このようなワケがあるために99%超の現役生は第一日程を選択したものとみられている。そもそも第二日程が作成されたのは学校での授業遅れなどに対応するための受験生救済措置であった。しかし逆に現役生に対して「更なる圧迫」を強いる結果となってしまったということだ。共通テスト記述式や英語民間試験導入の可否、九月入学等のグダグダした決められない議論を長々と続け決められない政治を続けてきた文科省には猛省を求めたい限りだ。

最も「犠牲」となったのは現役生(高校三年生)である。彼らの「痛み」「不安」を感じる事のないだろうお役所の人間には失望しかない。

ともあれ、あれこれ不満を並べようが時を戻すことは不可能だ。もうやるしかない、試験まであと90日を切った。「受験生(浪人生)」の私から、この記事を最後まで読んでいただいた方全員が第一志望に合格することを祈願し本日の記事の締めとさせていただく。